2016/09/17 のログ
ご案内:「常世保健病院」に滝川 浩一さんが現れました。
滝川 浩一 > 時刻は昼。
太陽の光が床に差し込み、光の反射で白い部屋全体が電気を使わなくとも明るくなる。
窓際に備え付けられたベッドに一人の病院レンタルのパジャマ姿の少年が居た。

角度のついた電動ベッドに寄りかかり、足に毛布を掛けて窓の外を眺める。
こうして外を長時間眺めていると雲の移動がはっきりとわかる。

「外、外ね…」

病院から見える景色にそう小さく呟き、ため息を吐くとスマートフォンを手に取る。

別に不治の病や、心臓病に罹ったわけ訳じゃない。
ただ、夜の学校を訪れた際、黒い塊のような何かと交戦し負傷した。
この島の人々なら軽傷であるかもしれない程の損傷だったが田舎からパッと出て来た自分にとってはかなりの重傷であった。

(弱いなぁ…俺)

ため息を吐き、項垂れる。
というかこの島の人たち頑丈すぎでしょなどと考える。

滝川 浩一 > ここに入院して数日だが、特に退屈というわけではない。
看護師さん達とは仲良くできたし、今ではスマートフォンがある。

島に来てから手に入れた技術であるが田舎者にあるまじき機械への強さですぐに操作に慣れてしまった。
今では動画サイトで異能関連の動画を見たり、映画やアニメを見たりして時間を潰している。

とはいう物のどれもこれも似たり寄ったりな動画だし、映画もアニメも気になる物はほとんど観つくしてしまった。
何か面白いものは無いかとスマートフォンをスワイプするが特になし。

ため息をつき、スマートフォンの電源を落とすと横に置く。
今日の分の暇を潰せるものは他にないかと横にある小さな棚に目をやる。

棚の上には本があった。つい先日、自分の同居人の眷属とやらが日用品とスマートフォン、入院代と共に持って来てくれたものだ。
今日はこれで時間を潰すか…などと考え、その本を手に取る。

ご案内:「常世保健病院」にクロノさんが現れました。
クロノ > (ジージー、ジージー、…と、超絶個性的な足音を伴って、病室の扉の前へと。扉の前で立ち止まって、こんこん、とノックをする頃には、きっと扉の向こうの入院患者には音の主の正体はバレバレな気がする。)

…えーと、お邪魔しまーす。

(静かに、丁寧に取っ手を引いて、一歩、中へ。)

滝川 浩一 > 本を表紙を見て、まだ手を付けてない本だということに気付く。
今の本を読み終わってない時に別の本を読むのは何だか個人的に嫌な気分であったが背に腹は代えられない。
早速それを読もうと本を開く。

すると、見開きに女性の肌色が見て、即座にパタンと本を閉じる。

「…はぁ~、休養する場所でも疲れるなんて、どんだけ体力無いんだ俺」

頭を抱え、ため息をつきながらそう言う。
今の光景を疲れのせいにすると改めて本を開く。
目に飛び込んできた光景はやはり先ほどとは変わらずにセクシーな女性の悩殺ポーズであった。

(寄りにもよってカモフラージュのためにカバーを取り換えたえっちぃ本を持ってくるなんて…!)

そういえば、本の表紙と内容が違うと言ってたが…こういう事だったのか!

そして機械の駆動音が聞こえ、扉が開く音がすると相手を確認する前に本を懐に隠す。

クロノ >  …浩一、気分はどう? …すぐに来れなくてごめんね。
(扉を開いたその時に、少し距離のあったベッドの上の相手がそそくさと何かを隠したような気がするけど…とりあえずそれよりも挨拶が先。)

…人伝に聞いて、急いで来てみたんだけど…思ったより元気そうで安心した。暇潰しに苦労し始める頃合いかな。
(差し入れだよー、なんて相変わらずのニコニコ笑顔で、街で買ってきたお菓子の入った袋を掲げて歩み寄りつつ。)

滝川 浩一 > 「あぁ、クロノか。やぁ」

機械の音で大体察しては居たがそちらを振り向き、緑の少年に改めて挨拶をする。
しかし、何故ここが判ったのだろうかそれを考えていると彼の発言を聞く。

「人伝…?はは、俺ってそんなに有名人?」

その言葉を聞き、冗談を言う。
彼に言う通り、大して怪我に悶えているわけでもなく、攻撃を受けたことがトラウマになったわけでもない。
確かに無理に動くと傷が痛むがそれだけだ。

しかし、自分の事を話題に出す酔狂な人間とは誰だろうか?大体予想はつく…が、あまり考えないようにしよう。
お菓子の入った袋を見ると「おぉ~」っと声を出す。

クロノ > … ん。… 浩一が有名っていうか、最近ちらほら聞く、その …。
(黒いお化け被害。当直担当の一台として、学校の敷地内を警備確認に巡回していたりもするんだけど、生き物目当てにしか出没しないのか、申し訳ないことに機械の自分には見えたことも感じたことも無いし、被害を受けたこともなく。)

 …患者さんのことは個人情報だし、医師には守秘義務もあるから具体的に個人名は聞かないし言わないけど、特定の状況で複数の患者さんの負傷原因が共通だとしたら…ね?
(自分は病院勤務ではないけど、自分の担当である保健室から医務室のほか、大規模な病院に紹介状を書いて患者を引き継ぐこともある。日頃から所用で病院にも出入りしているし、学会繋がりとかで医師間の繋がりもあったりして、伝染病の流行状況なんかは細かく情報交換しているようだ。)

 …せっかくだし、ちょっとお話していっても大丈夫?
(と尋ねつつ、ベッド脇の小さな椅子を手繰り寄せて隣に座る。持ってきたお菓子の詰め合わせは、菓子折の箱ではなく、いかにもコンビニで買い込んできました、的な普通のお菓子大集合…なところは妙に年頃の男の子的。ちゃんとボトル入りの飲み物も何種類か入ってる。)

 …浩一の好みとか分からないから、色々買ってきちゃった。好きなの選んでいいよー?
(袋の中身をサイドボードの上にがさがさと出して並べつつ、すっかり男の子は普段通りのマイペース。…と、彼の懐小脇に隠れた本を見つけてはスッと手を伸ばし。)

 …ぁ、浩一、読みかけかな?…ここに本落ちてるよ?
(当人が隠したと知ってか知らずか、全然悪気は無さそうに)

滝川 浩一 > 「黒いお化け…あぁ、あれか…」

顎に手を添え、そう考え込む。
気になることは沢山ある。何故学校に出現したのか、生徒を襲っていたのか。学校側の対策は?お化けというからには除霊をしないといけないのでは?
様々な疑問が浮上してくるがあまり考えないでおこう。第一、自分がどうこうできる問題ではない。

「は、はぁ…まぁ、ともかく、来てくれて嬉しいよ」

彼がいまいち何を言ってるかわからないが、何らかの方法でこちらの場所を特定したのだろう。
であれば何も聞かないのが彼に対する礼儀だ。

「あぁ、こっちも画面とにらめっこに飽きて来たところだ。」

話し相手になるという彼に申し出に笑顔でそう返す。
機械であるとは言え、少なくとも横にある電子機器の詰まった板よりも楽しく過ごせるというのは明らかであった。
お菓子の袋を見て、がさがさとサイドボードに並べられ、一つのお菓子が目に入る。

「お、ではでは…おぉ、シゲキエックスがあるじゃないか!センスあるな、クロノ!」

青色のグミの袋を見てそう歓喜の声を出す。
自分の実家から車に乗って数十分のところにあるスーパー。たまにしか行かなかったがそこに売ってたお菓子であるそれを手に取る。
幼いころはこれが食べたいがために親に対し駄々を捏ねていた。

そうしみじみと思い出を振り返っていると彼が本を手に取るのを見て、驚愕の顔をする。

クロノ > … やっぱり、浩一も見たんだ。その、怖かったりとか、気分悪くなるとか無理じゃなければ、ちょっと詳しく色々聞きたいかな、って思って。
(生徒の健康と安全を担う、校医兼公務補&当直警備担当としては見過ごすことの出来ないそれ。男の子としても何とか、情報を集めて分析して、対策を練らなければ、と真剣な面持ち。)

 …んふふ、どういたしまして。 …じゃ、次はロボットとにらめっこ、だ。 …なーんてね。
(くすくす。楽しそうに微笑みつつ、彼の顔を覗き込むようにずい、と身を乗り出す。ついでに相手の額に手を宛てようと金属の手をすっと伸ばしたりしちゃうのは医師としての職業上の癖か。)

… っふふふ、任せて。 …気に入ってもらえて良かった。じゃあ僕は…これにしようかな?
(たまたまランダムに買い込んだうちのひとつが的中したみたいで、男の子は嬉しいのに加えてちょっと得意気に笑いながら、男の子はプリンをチョイス。)

… ん。どれどれ。何読んでr ……――――。
(いつかの本の約束とはまた違うけど。さっと手に取ったそれを開いて中身を確認すること数秒。…ピッ、とかプププッ、とか電子頭脳がリアクションを選んで思考処理する小さな電子音と、短い沈黙。やがて、ロボットは目をカチカチと瞬きつつ、ぽっ、と頬を染める。)

… … …、っ、その、なんか…ごめん。
(なんだか彼のイケナイ一面を垣間見てしまった気がして、恥ずかしそうに、申し訳無さそうに、そっと閉じた本を彼に返そう。)

滝川 浩一 > 「あ、あぁ…」

そうして口を開くと自分の体験したことをありのまま彼に伝える。
巫女が居たこと、自分の友人が戦って怪我をしたこと、彼に加勢して自分が瀕死の重傷を負ったこと。
現在に至るまでを覚えている限り話す。

「はは、いやいや…っ」

彼の言葉に苦笑いしてそう返す。
少し不味いことでも言ったかと考えている内に額に手を宛てられ困惑するも、次の瞬間にはひんやりとした彼の手の感触を味わう。
このイケメンしぐさを女性にやればいいものの、何故自分にやるのだろうか内心疑問に思う。

「あぁ、子供の頃のお気に入りだったんだ。まだあったんだなぁ…」

しみじみと思い出しつつ、袋を開けそれを頬張っていく。
食べた直後に思ったが病室で食べてよかったのか少し不安になる。

「……あ」

不安になってるところに彼が本を開き、固まる。
数秒後、彼が赤面して謝罪しながら本をこちらに返す。

「ち、違う!違うんだ!弁解させてくれ!」

内容は驚異的な胸囲を持つ女性のあれやこれやの写真集であった。
彼の趣味を物語っているそれを見てしまい、恥ずかしそうな彼に対し必死に口を開く。
悪戯で~っとでっちあげるがどう見ても嘘と判る。

クロノ > ……そっか。じゃあ、お化けだけが出てきて暴れまわった、って言うのとはちょっと事情が違うのかもしれない…ね。となると、その巫女さんとか、その辺の事も調べた方が良さそうだね。
(ふむ、と。また顎に人差し指当てて真剣に考える仕草はいつも同じ挙動。おでこのランプをチカチカ点滅させながら、ロボットのコンピュータも頑張って色々考える。)

… ? …ん。熱もほとんど正常の範囲内だし、その他も落ち着いてるみたいだね。このまま安静にしていれば心配ない…かな。 …ぁ、っふふふ、ごめん。つい、癖でね。
(お見舞いついでのセカンドオピニオン、といったところか。そうこうしている間に相手が何か思うところがあるのか、自分を見る視線には、ややあってきょとん、と不思議そうに首をかしげる。

普段の保健室での処置も、きっとこんな感じで友達同士みたいに気さくに会話しながら、自然でさりげない、手慣れた仕草で男女関係なく行っているのだろう。患者を身構えさせたり、緊張させないように配慮した、小児科医の免許を持つ少年型ロボットならではの挙動が垣間見えるか。)

 …好きなものが、変わらずずっと有ってくれるのって、嬉しいよね。
(お菓子であったり、飲み物や文房具、小物から日用品、衣類だったり。大切なものは人それぞれだけど、それが何年経っても欲しいときに手に入るのは幸せな事だ、と。)

 …浩一は、こうやってカモフラージュするのかー。なかなか良い方法だね。これだと開くまで分からない、か。
(必死に弁解する彼を横目にプリンを啄みつつ、「浩一ってこんな女の子がタイプなのかー。」とかしみじみ感心したように、返した本の表紙を眺める。彼の意外な一面かつ重大な秘密を知って、男の子はちょっと嬉しそうだ。)