2016/10/20 のログ
ご案内:「常世病院・個室」に比良坂 冥さんが現れました。
■比良坂 冥 > 「………」
病院着に着替えさせられ、いつも結んでいる髪も解かれて
肌のその白さや、暗い瞳の雰囲気から誰がミても病人にしか見えない少女・冥は
特に何をするでもなく、ただただ窓の外を眺めている
その頭部から右目にかけて包帯が巻かれている様子さえ見れば、
まぁ病人ではなくけが人に一応見えるだろうか
……常世神社で突然頭上に振ってきた、足場の資材に頭を打ち付けられ、
頭部の打撲裂傷、頭蓋骨不完全骨折、左目の眼底にもストレスが残る──重症だった
■比良坂 冥 > 骨のほうは、いわゆるヒビ、ギプスもあてられない状態なのでただただ安静にする他ない
それでも意識ははっきりしており、食事も自分でとれるしトイレも自分でいける
ただ、ひとまず表面の傷が治るまでは湯浴みができず、看護師に身体を拭いてもらうにとどまるのが不満といえば不満だった
それと───
「………(早く出たいな………こんなところ、他人しかいない)」
少しずつ、触れあいの絶たれた心が乾いて、扠さくれてゆく
■比良坂 冥 > 部屋の外で保護観察官である風紀委員の男と、病院の担当医が何かを話している
聞き耳を立ててもこの距離では聞こえないが、大体何を言っているのか想像はできる
両親の行方が不明とされている冥の保護者は基本的に学園組織である
保護観察官がついている者が入院することになった、彼らにとっては都合の良いことだろう
なにせ、尾行なんか簡単に眩ませることができる自分が動けない、そえは仕事が圧倒的に楽になるのと同義だ
「(……いいけどね、別に……)」
どうせ、入院期間の水増しや、怪我の検査の名目で異能の状態をチェックするつもりなのはわかっている
別に、そんなことを拒否する理由も必要もない
どの道、"鬼"の立場である自分を留められる人間はいないのだから
■比良坂 冥 > それにしてもすることがない
「(……そういえば…)」
窓の外、夕暮れのオレンジ色に染まる空を見て、あの時のことを思い出す
「(…あんなところに、工事の足場なんてなかったような……)」
そもそもベンチの上に足場を組むなんて危険すぎると思う
普通はしない…というよりも……まずあのベンチに座るまではそんなもの目に入らなかった
「(……じゃあ…成臣クンがやったこと、なのかな)」
あの時、彼の矛盾を指摘した時、
彼は言いようのない表情を見せた…気がする
「……馬鹿だよね」
ぽつりと呟く
「死にたい、なんて……何かに拒絶されてから、考えることなのにね」
ご案内:「常世病院・個室」にメグミさんが現れました。
■メグミ >
「――」
「――」
「ーー」
部屋の外に新たな声が加わる。
ほどなくすれば会話が途切れ、個室のドアを叩く音が響く。
入室の許しを求めるようなものだ。
■比良坂 冥 > 「……?」
なんだろう
担当医や看護師、管理官ならノックの後にすぐ入ってくる筈なのだけれど
「───どうぞ…?」
訪ねてくる人など、検討がつかない
檻葉や烏丸クンが御見舞にくるならば、声をかけてくれるだろうし…
■メグミ >
「失礼します。臨時の観察官を務めさせて頂くメグミです。
本来なら別の方が務めるのですが、どうにも緊急召集が掛かってしまったみたいので。
何かが有ったのでしょうかね。と……」
――観察官、但し常在ではない。
直ぐに入らなかったのは、性格によるものか。
「お久しぶりです。比良坂さん。具合は如何ですか?」
■比良坂 冥 > それは以前も見た顔だった
可愛らしい、風紀委員の女の子
あの時も確か、臨時の監察官として、
公園で不良から自分を守ろうとしてくれたヒト
「……お久しぶり。
…うん、頭を触ると、少し痛いけど…」
自分の身体のことを気にかけてくれる
どこか自分のことを恐ろしげに見る、いつもの男性の監察官とは違う
「……大変だね、臨時っていうのも…。
…私のことを、どこまで聞いているのか知らないけれど…?」
■メグミ >
「何か有ったら、すぐに誰かに訴えてくださいね。
頭は繊細な所ですから。」
柔らかく笑っている。愛想は良いのだろう。
癖の様にも見えるが張り付いたものではない。
"私のこと"と聞かれれば、頬を掻いて思案する素振りの後、口を開く。
「大変なのは仕事ですから当然ですが、そうですね。
書類上の事は伺っています。良くも悪くも、それで総てを知れているとは思いませんが……。」
■比良坂 冥 > 優しく笑う、柔らかい、人懐っこさを感じる笑顔だ
自分と違って、きっと男の子が放っておかないんだろうな、なんて思う
「……そうなんだ。
私のこと、怖くないの?…臨時とはいえ、厭でしょ…?監察官なんて」
暗い色の瞳をすっと細めて、僅かな微笑みを口元に讃えて、メグミを見やる
■メグミ > 「はい。で、いいです。
測り切れない比良坂さんには畏怖を覚えないかと言えば嘘になりますが、
貴方の監察官も厭ではありません。」
即答する。
上にも下にも見ず、真っ直ぐな瞳で見つめ返す。
「きっと、それも含めて比良坂さんでしょうから。
……と、すみません。何にも理解していない身で。
ええと、そうですね。検査は終わっているみたいですから、時間までお話しでもしましょうか。
一人で居たいのでしたら席を外しますけれど……。」
■比良坂 冥 > 「……嘘をつかないんだね?」
首を傾げる
それとも嘘が上手いだけなのか
それほど親しい間柄でもないのに、自分のための嘘をつかないなんて
「……別に、いいけど…。
…私なんかとお話しても、楽しくはないと思うよ」
座って、とベッドの横の折りたたみ椅子を手で指す
■メグミ >
「いいえ、嘘は付きますよ。怖くないって嘘は付かないだけです。
……個人的なスタンスです。変って思います?」
おどけて笑ってみせた後、冗句めかして問い返す。
促されるままに席へ座る。
「つまらなくもないでしょう。
でも困った事に、話題を振るのは苦手なんですけれど……
……私から振っておいて恐縮なんですが、何か話題とかありません?」
……どことなくばつが悪そうだ。
■比良坂 冥 > 「……変、というよりも…どうしてかな…って」
首を傾げたまま、そう尋ねる
自分のための嘘、相手に不快な思いをさせない為の嘘は、
人間関係を適切な距離に保つための重要な手段でもある
……だから不思議だった、ただ保護観察官として、しかも臨時で相手をするだけの自分なら、
怖くないと嘘をついたって何も不都合はないはずだから
「……」
そして話題を振れと言われれば細めていた目を丸くして
「……あぁ、うん…変、かもね…キミ…。
…そうだね…じゃあ…恋人とか、いるの…?可愛いから、男の子、放っておかないよね…?」
思わぬ状況にほんの少し、口元に小さな笑みが漏れてしまう
■メグミ >
「どうして、ですか。
そうですね。恐らく……怖い事を悪い事・嫌な事と思えないのでしょう。
多分、そうなんだと思います。」
出来得る限り平易な言葉を択び、応える。
魔術師・召喚術師として強大な人外に関わる性分故に怖い事は畏れること、畏れる事は認める事。
それは決して悪徳ではない――悪や不快と思えない。
だから誤魔化すものではない。
「この前も聞かれましたね。あの時はいっぱい質問が飛んできましたから、
唐突過ぎて驚きました。……生憎と魔術一筋だったものですから、特に居ませんよ。
今までも、そしてこれからも色っぽい話とは無縁だと思います。お互い、難儀なものですね。」
■比良坂 冥 > 「………」
その返答をじっとまっすぐに目を向けて、見る
そして
「……じゃあ、私と恋人ごっこしよう?」
ふわっと微笑みを向けて、そう言葉を投げかけた
■メグミ > 「ごっこ、ですか。」
彼女の異能は認識している。
”ごっこ”。それは児戯を指す語句。故に答えれば想像は付く。
察するに、"契約"に近いものとなる。
小さく溜息を付き、困った風に笑みを浮かべる。
「……今日だけですよ?」
限定的ながら、承諾の意を示した。
■比良坂 冥 > 「……今日だけ?そう…恋人関係っていうのは、時間をかけて育むものなのに…」
くす、くす
とはいえ承諾の返事が来るのは予想していた
「私も、病室だと退屈で…。
………まだ未成熟な恋人同士は…そうだね。
手をつないで…お互いの家へ遊びにいって……ちょっとした触れ合い……
…ふふ、添い寝、くらいからはじめるのかな…?」