2017/02/25 のログ
ご案内:「廃工場」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
■櫛鉈 蛟 > 「いいねぇ、やっぱ美女に認められたり褒められるのは悪い気がしねぇってな!」
楽しそうに笑う。そして、男のようなタイプは好き嫌いが分かれる事が多い。
幸い、この友人は嫌いではない…という事で一定の理解を得てくれているようだが。
しかし、考えたら賭けを持ち掛けてきたのは彼女の方だった…まぁ、モチベはお陰でいい感じだが。
(とはいえ、やっぱルチアのお願いがサッパリ読めねーな…勘は鋭いほうなんだがなぁ俺)
どうやら、勝負勘はいいとしても女の心までは読みきれないらしい。
「そりゃ、距離を空けたらこっちが良い的だからな…一定以上の距離は空けない。
こういう動きも要するに間合いを開かせない手段の一つな訳だ」
さて、お互い本気ではないし武装も制限があるとはいえ、ここらが勝負時だろう。
今、まさに彼女の拳に合わせたカウンターで左腕にダメージを少々与えた。
右手も銃身でとはいえこちらの攻撃を受け止めたから痺れている筈だ。
結果的にまんまと彼女の両腕に多少なりともダメージを与える事に成功した。
つまり、そこから導き出される狙いは明白。”射撃精度を一時的に下げさせる”。
カウンターの目的は、イーブンに持ち込むのもあるが、彼女の左腕を最初から狙っていたのだ。
そして、彼女の拳で身を飛ばすと同時に、体をを捻って牽制射撃を交わしつつそちらに向き直る。
…と、同時に左手のナイフを手首のスナップだけで投擲!…狙いは彼女の顔面だ。
防御するには銃身で防がないといけない以上、回避を彼女は選択する…筈だ。
ならば、ナイフを投擲と同時に一足飛びで懐に飛び込んで仕掛ける!
右手のナイフを閃かせ、彼女がどういう対処をしようがお構いなしに袈裟懸けに切りつけようと。
■ルチア > 「ふふ、それは良かった。
いい男を良い気分にさせるのも女の甲斐性、なんてね」
こんな場面でなければもう少し余裕のある笑みを浮かべられたのだろうが、そうは行かない。
前のディナーでも語ったように、彼に対する評価は決して低い物ではないのである。
命を掛ける必要は無いのだから、他に賭けるものがあったほうが楽しいと思っての提案だったのだが、
賭けの内容がこのようなものになると当然ながらモチベーションは上がる。
要するに、此方の“お願い”は少なくとも此方がテンションが上がるようなものを考えているのだ。
勿論、勝てればの話にはなるのだが――。
「それは解るけれどね。
やっぱり自分の距離は取らせてもらえないか……!」
先程から空いた距離は精々が数メートル。近距離をこなせないことはないが、基本中距離以上の間合いが自分の得意分野。
逆を言えば、彼の間合いに近い位置でずっと戦っているのである。
そして、両腕のダメージ、右腕のジリジリとした痺れはまだ残っているし、左腕も回復はまだだろう。
当然相手がこの好機を見逃すとは思えない――!!!!
投げられたナイフ、身体に当たれば当たり判定である以上、手で弾くという選択肢はない。
顔面、人間が本能的に守ろうとする部位を狙ってきたのだから、その防御、もしくは回避行動を取るのは織り込み済みだろう、だったら――
「――――っ!!」
ナイフに殺傷能力がない事は差し引いても、恐怖心は特に無い。
だから、回避するでもなく防御するでもなく一歩向こうに踏み出した。
当然ナイフが当たるのは早くなるが、ナイフが決め手、と言うわけではないだろう。
ならば彼は此方に踏み込んできているはずだ、だから、賭けに出るしか無い――!!
一歩踏み出して、無理やり身体を捻る。あちらが此方の行動を読んで、もしくは確りと目視していない限り、距離感の目測は此方に分があるか。
その捻った身体の勢いで、彼に向かって左足でローキックよりやや高い位置で蹴りを繰り出した。
頬をナイフが掠っていく感触がある。
袈裟懸けに、胴を激しく撫でていく感触がある。
此方の行動が当たっていなければ、完全に此方が負けで――当たっていても、悪あがきなのは十分に承知の行動ではあった。
ご案内:「廃工場」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
■櫛鉈 蛟 > 「…と、なると俺もイイ男目指してイイ女を良い気分にさせないといかんね」
と、軽口を返すが割と本気である。まだまだイイ男には程遠いとは自覚している。
賭けるのは命ではなく命令権とも言えるもの。当然出来る範囲に限るのが最低限のマナー。
まぁ、命令というよりお願いというのが矢張り聞こえがいいのだけれど。
モチベーションは既に上がっている…後は勝つだけだ。とはいえ矢張り手合わせ。
”本気を出せないもどかしさ”みたいなものは少々あったりはする。
だが、お互い訛っている勘を解消するという側面もある以上本気にはなれない。
それでは下手すれば単なる殺し合いだからだ。そういう真っ向勝負をしてみたい気持ちもゼロではないが。
「そりゃ、飛び道具なんて俺はナイフの投擲くらいしかねーからなぁ」
リスクも当然増すが、出来るだけ距離を縮めた状態を維持する事に神経を使う。
彼女の間合いは中距離以上、となれば白兵戦主体のこの間合いは自分が有利なのは確実。
だが、彼女とて格闘が出来ない訳ではないのだから、油断すればこちらが今度はカウンターを食らう。
(両腕は半ば封じた…と、なれば仕掛けるならここしかねぇ)
そして、ナイフの投擲を囮にした一気に接近しての斬撃で仕留めに掛かる…が。
「……そう来たか!」
矢張りカウンター!しかも”こっちから距離を詰めて来るのを見越した動き”だ。
回避や防御どころか、こちらが距離を詰めたのを良い事に彼女も踏み出してくる。
放たれたのはローキック。体を捻ってのそれはやや高い位置。
彼女の頬をナイフが掠め、ナイフの一撃も決まる…が、本当にコンマ何秒の差で彼女の蹴りがこちらの腕にヒットしていた。
腕、なのは当然反射的にガードしたからだが…。
「……あーくっそ、攻撃は当たったけどルチアの蹴りが俺に接触した方が僅かに速かったか…」
すっごい悔しそうな顔でボソリと呟きつつ、ため息と共に体の力を抜いて戦闘態勢を解く。
視力も良いのか僅差で彼女の蹴りがヒットしたのを把握した為、僅差ではあるが…負けは負けだ。
「…で、肝心のルチアのお願いって何なんだよ?」
ご案内:「廃工場」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
■ルチア > 「クシナダ、君には十分いい気分にさせてもらっているんだけどね」
少なくとも、彼と一緒にいるのは中々に楽しいことなのだ。
こうして模擬戦とは言えやりやっているこの瞬間でさえ。
出来る範囲、がお互いどこまでなのは探り合いではあるのだろうが、それでも賭けである以上、
中々にスリリングなものである。
真面目ではあるし、真剣ではあるが、本気ではない。
本気であればまた違ったものになるのは百も承知だが、彼と殺し合いをする気はないし、その機会もないと思いたい。
「その身体能力で完全に飛び道具まで使われては流石に困るよ」
格闘は出来る。全く出来なければそれこそ命に関わる仕事に身をおいていたのだ、当然心得やら何やらは持っている。
だが、基本はある程度の安全圏からの射撃である。本気で白兵戦に持ち込まれれば自分には勝ち目がない。
故に――捨て身の作戦、というよりも本当に悪あがきとしか呼ぶしか無い作戦に出るしか無かった。
足に鈍い感触がある。蹴りが入った証拠だ。
自分にナイフが当たるのと、どちらが早かったかなんて自分では判断がつかない。
ただそれほど――本当に紙一重、髪の毛一本ほどの差のなのは解った。
ので―――。
「これが模擬戦だったから取れた作戦だったけどね。――ええと、じゃあ作戦勝ちってことで今回は華を貰うよ」
自分の距離を取らせてもらえず、ゴムナイフが本物であったのなら今頃は胴体が真っ赤に染まっていたところだ。
彼は精々が腕一本、と言ったところだろうに。
ルールのある模擬戦だから“勝ち”なのであってこれが殺し合いなら負けていたし、実際に負けていると変わらない状況である。
此方も身体の緊張を解いて、袈裟懸けに切りつけらたラインをなぞった。
とは言え、ため息を吐くような失礼は流石にしないけれど。
何はともあれ自分は勝ったのだから、ここはいっそ傲慢な方がお互いの為だ。
「ふふ。実は男性に一度やってみたいことがあってね」
なんて、意味ありげに笑って見せて。
彼の耳元へ唇を寄せて、囁く様に。
「メイクと女装をさせてもらっても良いだろうか」
多分途轍もなく嫌がられそうなことを言い出した。
そしてきっと多分じゃないと予想はしている。
ご案内:「廃工場」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
■櫛鉈 蛟 > 「そうかい?けど、それで満足してたらイイ男にはなれそうにもねーしなぁ。
けどまぁ、お前さんは割と俺を評価してくれてるのはありがたいこったな。」
別に人の評価をいちいち気にしてもしょうがないが、美女に高評価なのは素直に嬉しいもので。
少なくとも、賭けでモチベが上がってるとはいえ、それ抜きでも模擬戦も互いに楽しんでいる。
あと、美人との殺し合いは出来る限り避ける傾向があるので、その機会は多分無いだろう。
そもそも、彼女と敵対する状況がまず思い浮かばない訳で。
「そりゃこっちもだ。射撃が出来て格闘も高水準でこなせたら俺の立つ瀬がねぇって」
とはいえ、この男も彼女に名前を付けて貰った「ゲオルギオス」という自動拳銃をちゃっかり所持している。
今夜は塒に隠して置いてきているが、射撃の心得がゼロという訳ではない。
それでも、ルチアのようにメインで銃を使ってる者には流石に及ばないわけで。
しかし、負けたのは矢張り悔しい。こちらが勝ったらベッドイン予定だったのに!!
…まぁ、それはそれとして。敗者は大人しく勝者のお願いを聞くとしよう。
一先ず、ナイフは丁度近くに放置していたリュックへと戻しておくとする。
「……は?メイクと女装?」
で、意味ありげに笑って耳元で囁くように口にするルチアのお願いにキョトンとした顔で。
「…いや、まぁ従うけどまた何故に女装?擬似的な百合デートでもしてくれんの?
外でデートしながら女同士でエロい事、みたいなシチュとか燃えるけども」
と、そんな事を尋ねる男も男だが。考えたら女同士ならセクハラしてもセーフでは?
と、考えるとムラムラしてくる辺り割と女装もこなしかねない男であるが。
「と、いうか俺に女装とかメイクって似合うのかねぇ…うーん。
でもまぁ分かった。流石に今夜は時間も時間だからアレだが、後日また日時打ち合わせしてそん時に、って感じかね」
と、唸りながらも断りはしない。賭けをフイにするつもりはないのだから。
ご案内:「廃工場」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
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■ルチア > 「友人がいい男で困ることはないから、これからも磨きをかけてもらいたいところだけどね。
それじゃなかったら負けたら一晩中ベッドの上の可能性が大の条件にOKは出さないよ」
そんな事を宣いつつ。
賭けを持ち出したのは自分だが、内容の設定は彼だった。
まあ、ただの友人から寝所を共にする友人に関係が移ろうとも構わない程度には、彼のことは好いているのである。
別に今更肉体関係が出来たところで関係が大きく変わるとも思えないのだし。
別に構わないから、と手を抜いてはいないし、久しぶりに真剣に身体を動かして充実した時間だったとも思う。
できればこのまま良好な関係が続けばいいとも。
「相手を殺す手段はいくらあってもいいし、ただお互い得意分野が違うからね」
彼が銃を持っていることは覚えている。
だから射撃も心得はあるのだろうことは理解しているし、とは言え彼と自分は逆の戦闘のベクトルなのだろうとも理解している。
此方もマガジンを抜き、予備の物もやはり何処からともなく取り出すと彼に渡し。
「いやいや、デートまではしなくていいよ。
まあ女装って言っても男の娘……? だっけ、そう言う路線じゃなくてもっと綺麗めの……。
いやまあ外デートで艶事、も嫌いではないけどね、好みの話だけをするのなら。
あ、後女性同士なら基本攻めなんだけどそれで良いのかい?」
嫌がられなかったことに意外そうに彼を見て。
とは言え、続いて飛んできた質問には笑うしかない。
ここまでストレートだと、本当に小気味がいい。
そうして思い出したように付け足された質問もあんまりと言えばあんまりだった。
「君は筋肉質だとは思うけど基本的に細身だし、顔立ちはそれこそメイクで、って言う話だしね。
そうだね。後日改めて……という事になるかな。
流石に今日は疲れたし道具も無いしね」
因みに断られた場合、それこそベッドの上で一晩中デートが第2候補だったのは、秘密にしておいたほうが良いだろう。
ご案内:「廃工場」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
■櫛鉈 蛟 > 「まぁ、俺なりにイイ男ってのを模索してみるさ。と、いうか今の状態から劇的に変わるって事ぁないと思うけどな。
…うん、そう言われると益々負けたのが悔しいぜチクショウ」
意外と引き摺っていた。勿論、ベッドインしようが彼女との関係が変わる事は無い。
むしろ、この関係がベストだとは多分お互いが思っている筈だ。
ただ、どうせならやっぱりベッドインもとい肉体関係とかいいじゃない!!
と、思う程度には…まぁ、そういう男だからしょうがない。
むしろ、彼女のようにこちらに理解があって、尚且つ肉体関係が出来たとしても良好な関係が変わらない、というのは得難いものだ。
ともあれ、ある程度の勘は取り戻せたと思う。まぁ本気で勘を取り戻すとなるとお互いまずエモノが本来のものになりかねないが。
「そうだなぁ。俺の場合拳銃の方は特殊だから、ある意味で切り札とか隠し武器扱いだが」
あくまでメインはナイフとか刀剣の二刀流スタイルなのだ。これは結構昔から一貫している。
ルチアからゴム弾のマガジン等を返却されれば、それもリュックに纏めて放り込んでおこう。
「…あーそっか、ルチアって同性には確か攻め気質なんだっけか?
うーん、言葉攻めとか奉仕攻めでもされるんだろうか…興味があるにはあるが。
あと、女装とかはまぁ別としてルチアとは外でもヤってみたいですハイ」
何処までも正直すぎる男である。と、いうか性的な事に関しては普通にオープンだ。
そして、こういうオープンさに笑って対応できるルチアには男としては助かっている。
「まぁ、ともあれ今度はルチアから誘ってくれると嬉しいぜ。あ、女装とメイクの件な?
…つか、もし俺が断ってたらベッドイン案件持ち出す気だっただろ?」
と、ジト目でルチアを見る。そこは勘が働いたのかズバリ指摘していく。
まぁ、でも負けた以上はあまり我侭を言いたくなかったのもあり潔く受けたのだが。
「くそぅ、早くルチアとベッドインデートしてぇ」
ものごっつい願望がついつい漏れてしまった。完全に本音ダダ漏れである。
ご案内:「廃工場」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
ご案内:「廃工場」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
■ルチア > 「それはそれで君の持ち味だよ、クシナダ。ありのままの君が、とまでは言わないけれど、劇的に変わられても寂しいものがあるしね。
ふふ。まあ機会があれば、と言うことで」
そういう関係になった場合、セックスをする友達になるのか、セックス“も”する友達になるのか、と訊かれれば間違いなく彼は後者であり、肉体関係云々の前に友人であることが真っ先に来ることには、恐らく変わりはないのだろう。
現状特定のパートナーがいるわけでもないし、ここまでの付き合いで分かっているだろうが、この女もこう言う女なのである。
まあ、取り敢えずの目的も楽しみも達成したことだし、それこそ本気の殺し合いの予定は永遠に未定ということなのだろう。
「ふぅん。私はそういう気配に明るくはないから解らなかったけれど」
気にはなるが、深くは追求しない。メイン武器が刃物なのはその腰に下がっているものからしてよく分かるのだし。
「前にも言ったとおり、自然とね。
言葉責めも奉仕攻めも良いんだけど――こう、男性は穴が後ろだけだからなぁ……。
考えたら女の子扱いするのは少々難しい気もするね。
――正直だなぁ、嫌いじゃあけどね。まあ機会があれば」
だんだんろくでもない方向に会話が流れ出しているが、それほど気にする素振りも見せず。
此方もオープン……そういう方向で気を使う必要はないと思っているし、そこは此方もオープンになったほうが会話も弾む。
いかがわしい会話だが。
「ああ、それは勿論。準備が出来たらメールするよ。
………………ふふ。お心遣い感謝するよ」
ジト目に性格の悪い猫のように笑いながら。
第二候補が解ってて、第一候補をを受けたのだから彼は(美女好きで下心満載な人間ではあるのだが)、変なとろこで真面目である。
それも彼の評価を高くしている理由の1つなのだが。
「欲望がだだ漏れてるよ。
まあ、その内ね」
確約こそはしないが、初めて出てきた“その内”という言葉。
その内――具体的な時期こそは解らないが、いずれはそんな関係になるのだろう、と言うような予感はある。
「取り敢えず、今日のところはそろそろ行こうか。
帰りにコーヒーでも飲んでいくかい?」
等と、お誘いをかけながら。
ご案内:「廃工場」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
ご案内:「廃工場」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
■櫛鉈 蛟 > 「…あーそうそう、変わる変わらないで思い出したぜ。俺のクシナダって一応苗字だからさ?
ルチアとは結構長く良い関係やれそうだし、できりゃミズチって名前の方で呼んでくれ。
…そして期待を持たせる含みが多いなお前さんはこんちくしょう!」
基本クシナダとしか名乗らない為、下の名前であるミズチを名乗る事は殆ど無い。
が、この友人になら教えても大丈夫だろう、という信頼感が既にある。
そして、無論その二者択一で言うなら後者になるだろう。まぁ、少し風変わりな友人関係にはなりそうだが。
むしろ、波長というか性格的な面とかが良い具合に噛み合っているからこその関係だろう。
勘違いされそうだが、例え肉体関係を持ったとしても友情もこの関係も変わらない。
特定のパートナーでも何でもないが、気を許せて肩の力を抜ける安心感。
手合わせしたり食事したりくだらない雑談をしたり。
そこに肉体関係が加わったとしても、自分達はこんな調子だろう。それがいいのだ。
「まぁ、対異能者とか対魔術用みたいなもんだからなゲオルギオスは。
基本はナイフが一番使い慣れてるし――あーそっか。ヤロウは後ろの穴しかねーわなウン」
二つの穴を同時攻めとか無理ですよねーとか、物凄くナチュラルに猥談をかます男女二人。
あと、機会があればとはいえ言質は取った。いずれ外でハッスルしよう。
「…ったく、俺もみすみす自分からチャンス逃してんだから甘ちゃんだよなぁ。
ああ、メールは気長に待つとするぜ。準備とか確かにあんだろーしな」
それに、彼女は己と違って学園生な訳だし、そっちもちゃんと優先して欲しい訳で。
まぁ、ある意味で今回の女装とかメイク云々も息抜きにはなるのかもしれないが。
(…と、いうか流石の俺も女装経験はねぇしなぁ、未知数だ…)
等と考えつつ。そして、知らぬ所でルチアからの評価が高い男の一面。
つまりは変な所で真面目だったり筋を通すのである。
「そーだな、じゃあせっかくだしご一緒しますかぁ」
笑ってうなずきながらリュックを担いで準備完了。ルチアと一緒にそのまま歩き出そうか。
ご案内:「廃工場」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
■ルチア > 「いや名字なのは知っているつもりだったんだけれど。
ミズチ、ミズチ、か。了解したよ、礼を言うところではないのかもしれないが、ありがとう、ミズチ。
だけど、嫌いじゃないだろう? こう言う言葉遊び」
名字でな無く名を名乗ってくれたことは信頼の証なのだと理解して、それでも軽い調子で礼を言う。
自分はこの信頼にどれほど応えられるのかは解らないのだけれど――。
はたから見れば奇妙な関係なのかもしれない。
それでもお互いに居心地のよい友人と思うのならそれは紛れもない友人関係なのだろうし、そこにこの先肉体関係が1つ加わったくらいではそれは変わらないだろう。
型にはまらないが、そう言う関係だって正しいも悪いもないのだ。
あくまで自分達はそれが“自然体”なのだから。
「と言うことはそう言うギミックが仕込んであるのかな。興味はあるけれど、目のあたりにするのは少々違う気がするな。
獲物は慣れているものが一番だしね。
……いや、むしろ“前”には触れずに、という手も考えたけれど、それは流石にと思ってね」
そう言うプレイがお好みかどうかも解らないし、自分とてそう言うプレイの経験はない。
前にも彼との会話で出てきたが、お互いが楽しめなければあまり意味が無いのだし、こう言う行為は。
なんか彼の心内でハッスルすることが決まっているのだが、そこまでは至っていない。
が、拒むこともないだろう。
「手っ取り早くベッドインデートが出来たかもしれないのに。まあそういう所は嫌いじゃないよ。
ありがとう、ちょっとうまく時間が取れなかったりすることがあるからね。
申し訳ない」
学校もあるし、バイトもある。
自由業だった以前と比べれば大分時間は限られているようになってしまった。
とは言え、現状に不満があるかと言えばそうでもなく。
此方も男性のメイク経験は無いのだが――まあ、そこは今は黙っておく。
気づかれるかもしれないが。
「最近コーヒーショップ巡りを初めてね、深夜のみ営業している店が中々美味しくて――」
そんな事を言いながら準備が完了した彼と並んで歩いて、場所を廃工場からコーヒーショップへと移そう。
他愛のない話などしながら。
ご案内:「廃工場」からルチアさんが去りました。
ご案内:「廃工場」から櫛鉈 蛟さんが去りました。