2017/06/15 のログ
ご案内:「常世港・倉庫街」に烏丸秀さんが現れました。
烏丸秀 > 夜の常世港。
珍しく烏丸は取引の現場に来ていた。
というのも、少々厄介な事態になっていたからだ。

「――うーん。これはちょっとなぁ」

烏丸は辟易した声で呟いた。
いくらなんでも、これはまずい。

烏丸の目の前に広げられたのは、大量の粉――薬品だった。

烏丸秀 > 麻薬ではない。もっと危ないもの。
かつて、常世に悪名を轟かせ、最後は公安自身によって解体された公安委員会非常連絡局。
その非常連絡局が落第街に撒いたといわれる、人間の異能を強化する薬品。通称『暴走剤』。

「いや、なんでこんなもの――」
「お、俺らだって好きで手に入れたわけじゃねぇ! あんたが回収しろって言った美術品の中に、これがぎっちり――」

つまり、そういう事。
烏丸が裏のマーケットから買った美術品が、暴走剤の隠し場所だったのだ。

烏丸秀 > 非常連絡局の局員は、一人残らず指名手配されている。
首魁の西園寺偲は常世記念病院に収監されているらしいが、その側近や手下たちは、非常連絡局の解体を受けて常世の地下にもぐった。
おそらく、その際に隠していったものだろう。

「よりにもよって、『暴走剤』かぁ」

ちょっと、いやかなり不味い。
烏丸の手には余るシロモノだ、これは。

烏丸秀 > 裏マーケットでの美術品の値段は、妥当といえるものだった。暴走剤の値段込みでは、桁がひとつ足りない程度。
つまり、売り主はこの暴走剤の存在を知らなかった、という事だ。
これだけの薬、末端価格でも幾らになる事やら。

「いやまぁでも、売れないけどねぇ」

売れるわけがない。
こんなもの裏の市場に流したら、烏丸の首が飛んでしまう。
物理的に。

烏丸秀 > かといって、公安委員会に届けたりなどもちろんできない。
ただでさえマークされてるのに。
こんな物持ってったら、監獄へご案内だ。
と、すると――

「うーん……もったいないけど、捨てるしかないかなぁ」

持っているだけでも危ないものだ。
とっとと処分するに越した事はない。