2018/01/16 のログ
ご案内:「ゲームセンター「セバ」」にステーシーさんが現れました。
■ステーシー > そろそろ怪異対策室三課の川添孝一と桜井雄二が卒業となる。
その段階で怪異対策室三課は解散。
というか、もう規模は縮小されている。
今までの嵐のような日々もあっという間に過ぎ去り、生活委員会としての仕事がメインになった。
つまり、暇になったのだ。
ゲームセンターで遊べる余裕ができるくらいには。
■ステーシー > 対戦ゲームの席に座る。
何をプレイしようか迷っているけれど、誰もいないからとりあえず様子見。
そしゃげ?の類いは誘われたけど長続きしなかった。
今は路銀ぼーなす……というのを毎日もらうだけになっている。
やっぱりゲームは、ゲームセンターでやるのが一番楽しい。
筐体にお金を入れる。
目の前のゲームは『プラモデル戦機』。
LMW(りとる・もびる・うぉーりあーの略だったと思う)という、プラモデルを操作して戦うゲームだ。
■ステーシー > ゲームセンターで座ると腰の二刀が邪魔だ……けど、手放すわけにはいかないものだし。
あれから修練を重ねてきたけど、刀の重みは変わらないままだ。
ゲームが始まる。
まずは自分のLMWを選ばないと。
主人公機、アキレウスX9に変形が魅力のグングニルMk-2もいい。
破壊力抜群の浪漫砲、キジンオー絶兎にスピード重視のシノビガール…
しまった、迷っている間にキャラクターセレクトが終わってしまう。私は焦った。
■ステーシー > ぱ、とカーソルが合った機体を選んでしまった。
確かこの白い機体は……ゼロレギオンだ。
『見ろよ、あの子ラスボス機使ってるぜ』
『すげーな、コスト最高のやつだろ……アニメのラストバトルを再現したやつ』
いや知らないです。
アニメ見てないです。
正確に言うとアニメもドラマも大好きだけど2クールより長いものは見る気がしないだけなんです。
筐体についてあるシールの解説書を読めば、ゼロレギオンは高機動重装甲高火力に変形機能まで備えた高性能機らしい。
ただし、コスト……というものが高いらしく、破壊されると一発でゲームオーバーだ。
こ、これは気が抜けない。緊張の面持ちでスティックを握った。
■ステーシー >
ゼロレギオン、出撃します!!
轟、と音を立ててプラモデルがゲームフィールドに出る。
敵は緑色の、なんか名前を思い出せない系の、ええと。
有体に言おう。雑魚です。
雑魚を相手にとりあえずダッシュして接近攻撃ボタンを押してみる。
おお、強い。強いぞゼロレギオン。
接近攻撃ボタンを連打しているだけで槍で雑魚を突き倒してしまった。
対戦ゲーなのに誰も乱入して来ない。
その理由はわかる。私の動きが初心者のそれだからだ。
手馴れたゲーマーはこういう相手を食おうとは思わない。育ってから喰う。
■ステーシー >
………
……………
やばい、敵が強い。
3ステージくらいは機体性能でごり押しできたけど。
回避と防御のノウハウがない私にはこのゲームは少しばかり難しい。
敵の巨大プラモデル『ジェノサイドロイド』は圧倒的弾幕で近づくこともできない。
ゲージが貯まった端からアタックアーツ(必殺技のようなもの)を撃っているけれど。
「アタックアーツ……ワールドエンドブラスト…!」
苦悶の表情で撃ったそれは相手のゲージを七分の一程度削った。
どうやったら倒せるのこれ……
■ステーシー >
あっさりゼロレギオンはジェノサイドロイドに敗北、コストの関係で一発ゲームオーバーと相成った。
肩を落としてゲームオーバー画面を見る。
『君にはこのプラモは早すぎたんじゃないかな?』
と書いてあった。
うるせー! 早いのはキャラクターセレクトのカウントだよ!!
と言い返す気にもならない。そもそも相手はゲームだし。
退却。ピラニアパニックコーナーへ撤退。
■ステーシー >
さて。このピラニアパニック。
10の穴から出てくるピラニアを備え付けのハンマーでぶん殴るという定番の娯楽。
しかしこれは苦い思い出がある。
今、プレイしている前のカップルを見てみよう。
最初は柔軟に対応していますね。
でも出てくるピラニアが多すぎて対応しきれなくなると……
『ダサッ』
『遅いよ?』
『にっぶーい』
と、可愛らしい声でピラニアが煽ってくるのだ。
これにはカップル達も怒り心頭。
私も微妙な表情でその姿を見ていた。
■ステーシー >
なぜ、こんなファミリー向けのゲームで煽ってくるのか。
なぜ、煽りの言葉がムカつくレベルでまとまっているのか。
それはわからない。
ただ、私も前回徹底的にやられた。
その経験が足を止めていた。
銀色の硬貨を握り締めてピラニアのニヤケ面を見ていた。
当時の怒りが思い出される。
こ、こいつら。駆逐してやる。
■ステーシー >
硬貨を投入、デレレレーンと音楽がなる。
そしてゆっくりと、数は控えめに出てくるピラニアをぶん殴る。
まだだ、まだ凌げる。
こいつらの本気はこんなものじゃない。
相手の出方を伺うようにピラニアを殴っていたら、一匹を見逃してしまった。
痛恨のミス。
そして。
『その服なに?』
と言い残してピラニアは穴(というか川の中?)に帰っていった。
「服は関係ないでしょう、服は……!!」
お気に入りのやつだよ!!
私内部の怒りゲージがMAXになるのを感じた。
■ステーシー >
連打、連打、連打。
しかしピラニアはそれを上回る速度で出てくる。
『また一人飯?』
『友達いないの?』
『まともな異能持ってなさそう…』
『恋人いない暦長いでしょ』
次々とピラニアたちは暴言を吐いて穴に戻っていく。
くっ………こ、こんな屈辱を…金を払ってまで受けるのはどういう仕組み…
結果は84点。最大で100点、つまり16回も暴言を受けてしまった。
……二度とやるか、こんなゲーム!!
私は溜息を残してゲームセンターを去ったのだった。
ご案内:「ゲームセンター「セバ」」からステーシーさんが去りました。