2018/11/18 のログ
暁 名無 > 「嫌がらせは嫌がらせ。」

他の何物でも無い。
教師であろうと何だろうと嫌がらせをする時はするものだ。

「まあ、でもほら一応藤巳は生徒じゃなくなってるつもりで居るんだろ?
 ならまあ、一男女としてアリなのでは……?」

何がだ、と我ながら突っ込みたくなるような理論だけれど、まあそれは置いといて。
なるほどなあ、やっぱりこういう事があって藤巳は学校に通わなくなったと。それどころか人から離れる様にまでなったのか。

「まーったく。頑固な割に変に意思が弱いよなお前は。
 生存本能に従うのも悪いこととは言わんが、少しは自我を保てるように精神鍛錬でもしなさい。
 ……これはその罰ね。」

ぱきぱき、とその場で軽く指を鳴らす。
するりと俺の身体に巻き付く尻尾に触れると、少しだけ探ってから一点を指先で一定のリズムで撫で続ける。

いわゆる人で言うツボのようなポイントだ。物凄く気持ち良くなる代物。
日頃から多数の動物と触れ合っていれば自然と身に着く知識と技能。
以前、藤巳の蛇体を触らせて貰った時は人目があるから控えたが、ここなら人目もないし存分に試せる。

藤巳 陽菜 > 「ごめん…ごめんなさい。」

その蛇体が教師の身体を締め上げそうになる刹那…
身体に今まで味わった事無い感触が走る。

「あっあっ!!止めて!やめて先生!!」

身体に走る電流に頭が付いていない。
許しを請いながら前に存在する教師にしがみ付く。

「先生ぇ…もう…もう駄目だから…ダメ…ダメです。」

呼吸の種類が甘いものへと変わってくる。
身体からも力が抜けてぐにゃりとなっていく。

暁 名無 > 「一人で何でも思い詰めるんじゃないって何度か言ったろ俺?
 それなのにこんな事になって……もっと早く相談を受けてれば何か手は打てたかもしれないのに。」

摩る手は停めずに、それでもこんこんと説教をするあたり俺も教師という職業にだいぶ侵されているらしい。
藤巳の身体から力が抜け、捕食の意思すら蕩けてもなお手は動かし続けて

「ダメじゃないっ。
 俺や他の先生を裏切る様な真似までして……
 自分の未熟さを十二分に思い知って貰うからな。」

どれだけ甘い声で許しを乞われても許しません。
たとえ蛇体と人間体の感度の差から藤巳が俺の思っている以上の快感を覚えてるとしても許しま……流石にそれは拙いのでは?
ようやくそこに思い至って、俺は藤巳の様子をちらりと窺った。

藤巳 陽菜 > 「ひゃい…ごめんなさい…ごめんぁさい。」

何を言われてるのか分からない。
分からないままとにかく謝っている。

「ハー…ハァ…」

何が言われてるのか全然分からない。
思考がまとまらない。

「ごめんなさぃ…先生ぇ」

息も絶え絶えに謝って意識を…手放した…

暁 名無 > 「あっ、やべっ。」

フラッと気絶した藤巳を見て、やり過ぎを確信する。
ひとまず起こした方が良いか、起こした方が良いな。
一応、藤巳が暴走しそうな時の対処法として使えるのは分かったからそれは良い事として。

「……おーい、起きろー藤巳ー。
 そんな無防備に寝てると何か凄い事しちゃうぞー」

およそ1年ぶりだろうか。
男子3日会わずば、なんて言葉があるが女子も1年も会わなければ見違えたりすることもある。
いや藤巳の場合服はボロボロだし髪もバッサバサだけど。

「取り敢えず水でも掛けてみるか……?」

後で凄く文句言われそうだけど、放っておくよりは優しいよね。
そんな事を思いつつ俺は先程使った水球の魔術を用意し始める。

藤巳 陽菜 > 一瞬飛んだ意識も戻すと水球がかまえられている。

「っ!!なにしようとしてたんですか!!」

力が入らない身体に無理矢理喝を入れて距離をとる。

「って謝るのはこっちですよね…ごめんなさい。
 人の近くにいたらさっきみたいに襲ってしまいそうなんです。
 だから、先生ももう私には近づかないでください…。」

そう言って走って逃げていく。

暁 名無 > 「いや、水かけて起こそうかと。
 良かった、使わずに済んで……。」

流石にこの時期に水をかけるのはよろしくない。
そういう引け目を覚えてはいたが、その必要も無くなって一安心だ。

とか考えていたらするりとその場から藤巳は離れていき

「まあそんな事だろうとは思ったが。
 その都度ああやって気を逸らせば問題ない気がするんだよなあ。」

……問題は藤巳がそれを呑むかどうか。
こればっかりは本人に訊いてみないと解らない。
ゆえに、俺は藤巳が逃げた先へ追跡を開始するのだった。
無事辿り着くかどうかは──また別の機会に。

ご案内:「転移荒野―森」から藤巳 陽菜さんが去りました。
ご案内:「転移荒野―森」から暁 名無さんが去りました。