2015/06/11 のログ
ご案内:「薔薇園」にアリストロメリアさんが現れました。
アリストロメリア > (その美しさで古来から人々を魅了している薔薇は、6月の誕生花でもある通り
特に5~6月はとりわけ様々な薔薇の種類が美しく咲き誇る
今の時期に訪れるには最適だ

うっとりとしながら、薔薇の庭園を優雅に散策する少女は
薔薇の花を楽しみに来た来客というよりも、寧ろ
この美しく薔薇の咲き誇る庭園の主かの様に、周囲の人々の目に映ったかもしれない)

美しい花は、見ていて心和むものですけれど……その中でもとりわけ薔薇は
好きな花の中の一つですわね……
(等と言いながら、庭園をゆっくりと歩きながら薔薇の鑑賞を堪能する)

アリストロメリア > (その美しさと香りから、人々を魅了して来た薔薇は
数多くの神話にも登場し、また愛の女神ウェヌスの花でもあり
中世ヨーロッパではその美しさ故に『人々を惑わす』として、タブーとされていた事もあったとか
幾多にも花弁の重なるその姿は、曼荼羅に例えられ、薔薇十字のシンボルにもなったり――……と
薔薇の逸話は挙げて行けばきりがない

しかし、それだけ多くの伝承や逸話が残るという事は
やはりそれだけ、人々の心を魅了し、捉えて離さなかった事が伺える

故に、赤い薔薇が神に喩えられたり
近年の記憶に新しいが――……奇跡の蒼薔薇の開発を勤しんだりと
他の花と比較しても、やはり一目置かれる花なのであろうと思われる)

アリストロメリア > 古来より薔薇は人々に愛されておりますけれど……
薔薇を使用し、愛や美容の魔術の媒体にする事も
やはりそれだけ多くの方を魅了し、愛されている所から来ているのでしょうね……

(等と言いながら、立派に咲き誇るローテ・ローゼを慈しむ
ローテローゼは、紅薔薇の中でも一際美しい『紅薔薇の女王』の名を与えられる薔薇であり
エレガントなその姿は、正に人々の思い起こす紅い薔薇そのものの姿である)

アリストロメリア > (ゆっくりとローテローゼを楽しめば、次に目に入るのは『ブランシュ』だった
ブランシュは、その名の通り『白』を意味するフランス語が由来であり
とても可憐で魅力的な白薔薇である

それはまるで、かの『白雪姫(ブランシュネージュ)』の如く
美しい姿で、見る人の心を蕩けさせて魅了してしまうかの様に)

ご案内:「薔薇園」にシュリクさんが現れました。
アリストロメリア > ……ふふ、ブランシュは可愛らしい薔薇ですわね
私も好む薔薇の一つですわ……何よりも――……かのブランシュネージュの名に相応しいのですわ

(さて――……白い薔薇の名が白雪姫から取られた『ブランシュ』であるのなら
……此方は何処か、その色から
何処かの魔女を連想させるかのような、深い紫色のオールドローズ『ヴァイオレット』が現れる

ヴァイオレットは菫の花を指すが、その深い紫色と小さめの花が菫を連想した事から由来される
その赤紫は、濃くなると毒々しく まるで漆黒の花を咲かせているかのようにも視えなくは無い品種でもある
シックで大人びた印象も、可愛らしいブランシュの隣にあれば
一層その毒々しさを秘めた黒に視えてしまいそうな紫も
小さく大人びた花の印象も……黒魔女そのものだった)

シュリク > 色取り取りの薔薇が咲き乱れる庭園
咲いているのは薔薇のみで、他の花は一輪たりとも混じっていない
庭園の入口のアーチは茨が何重にも巻き付いており
薔薇の濃厚な薫りがそよ風に煽られ漂った

「このような場所もあったのですね……」

現れた少女は、「ブランシュ」を、そのまま少女に作り変えたかのような造形であった
絹の如き白い髪、金の瞳
背の低さ、体つきの華奢さから、人形のようにも見えた

アリストロメリア > (毒々しい薔薇の対比で現れるは――……
薄く色づいた紫色の上品な『ベラドンナ』
ベラドンナとは、イタリア語で美しい女性という意味があり、可憐なモダンローズとその名の由来は
深層の令嬢に相応しい

――……だが、しかし
『本来のベラドンナ』の花は、ナス科の恐るべき毒を有した毒の花で
学名のアトローパは、ギリシア・ローマ神話に出てくる運命の女神、モイラ三姉妹の末娘の名に由来し
役割は『姉の定めた人々の運命を立ちきる(つまりは死を与える)事』
精神錯乱を引き起こし、かつ、その甘い身に秘められた猛毒は恐ろしく、決してその誘惑に負け口にしてはならない
同時に、ベラドンナは悪魔に好まれる花である

……それを踏まえたうえで薔薇を見てみれば
薄い紫に秘められたミステリアスさと神秘的な魅力は、何処か気安く触れれば命を落としかねない錯覚も感じてしまうかもしれない――……)


(――……等と、薔薇の観賞を一通り楽しんだ所で
まるで『ブランシュネージュ』を思わせる様な、美しい白い肌に相まって、魅力的な紅い唇の少女の姿
違うとすれば、黒檀の様な髪の色では無い所ではあるが、白いあの子の方が、童話のブランシュネージュよりも
ずっとブランシュネージュに相応しいのは、あどけなく薔薇園に現れた姿が、とても愛くるしく眼を引いたからだろうか?)

御機嫌よう、庶民――……と、いつもなら挨拶する所でしょうけれど
まるで造られた人形が生命を吹き込まれ、動き
『ブランシュネージュ』を思わせる貴方を、そう呼びたい気分に思わせてよ
(にっこりと尊大に――……けれど、その瞳は可憐なシュリクを慈しみで包んで見つめていた)

シュリク > 「!」

宝石箱のような庭園に目を奪われ、アリストロメリアの存在に気づいていなかった
長い睫毛、菖蒲の長い髪。すらりとした肢体
どこかの貴族ではないかと思わせる風格があった

「御機嫌よう。――おや、よくお気づきになられましたね」

スカートの端を僅かに掴み、慇懃に頭を下げる
庶民、という言葉に引っかかりはしたが、続く言葉には頷いた
生命を吹き込まれたわけではないが、人形、ではあるのだから

「ブランシュネージュ、という名前ではありませんが、確かに私は<<異能人形>>と呼ばれる人形です」

さらりと人外であることを告げた
大事な情報ではない、瞳を見れば直ぐに分かることだ
黄金の瞳のその奥、瞳孔が、カメラのレンズのそれである
機械じかけの瞳が、アリストロメリアの慈愛に満ちた笑みを映し込む
少なくとも良い風に受け取ったのだろう、シュリクもまた、口角を上げ微笑みを返した

アリストロメリア > ……ふふ、突然声をかけて驚かせてしまった様ですわね
(小さくごめんなさいね、と声をかけながら)薔薇を鑑賞している邪魔をするつもりはございませんでしたの
(と、言いながら宝石の飾られた豪奢なドレスの裾を手にして、シュリクの方へとゆっくりと歩み寄り
彼女に挨拶されれば、その後で自分も一礼をし、挨拶をする)

……まぁ?そう答えるという事は、貴方自身人形でしたのね
(道理で、造られたかのように愛くるしい容貌の少女かと思ったが、人形だったとは
精巧なその出来栄えは、人と変わらず心の中で密かに称賛を送る
彼女と、そして造り手へと)

……そう。お人形でしたのね
私はアリストロメリアと申しますわ……この薔薇の名前である、童話の姫君を連想させる貴方を
この薔薇園の間だけでも、そう呼ばせて頂けてもよろしくて?

(機械仕掛けの、何処か冷たさの残る瞳を真っすぐに見つめ返す
造られた機械仕掛けの人形故に、眼から彼女の事を読みとるのは困難を招いたが
微笑みを返されれば、此方に好意を抱いて頂けたのだろうか……?)

こんな綺麗な薔薇園ですもの……折角の御縁ですし、二人で見て回りません事?

シュリク > 「いえ、大丈夫です。私の方こそ気づかず申し訳ありません」

薔薇を鑑賞しに来た、というより、散策しているうちに薔薇園に出た、というのが正しい
気ままに散策し、人と会って交友を深める
最近のシュリクのマイブームの一つだ

「ええ。人形、と言うよりは機械のほうが正しいかもしれませんが」

触れてみれば柔らかく、質感も人間のそれだ
ただし、体温だけが人間よりも大分低い
瞳と体温以外で人と違うところはほとんどなく、作り手の技術は相当なものであったと伺える
更に、作り物を自称する割に、感情のようなものすら見え隠れしている

「アリストロメリア。――インプットしました。
ええ、私はシュリクと申しますが、好きな様に呼んでください。
名前は、個体を識別できればそれで十分ですので」

色気のない台詞を吹きつつ、アリストロメリアを眺める
着込んだドレスは宝石が散りばめられており、やはり貴人のそれを思わせた
そうなれば、最初の「庶民」という単語も納得できる
どのような理由でこの場にいるのか、異能を持っているのか、興味は尽きない
が、貴族であるならばそれ相応の対応をしなければならない

「私でよろしければ、是非ご一緒させて頂きます。
――今日は、お忍びですか?」

それとなく、聞いてみた

アリストロメリア > 機械ですの?……少し触れてみてもよろしくて?
(驚きの色を隠せない瞳でシュリクを見れば、了承を得てからそっと彼女の手に触れてみる
機械故か、ひんやりとした体温は『機械』という想像通りであるが
女性の柔肌そのものの、絹の様に滑らかは肌は人間のそれか、下手するとずっとずっと上質だ)

(少しだけ、機械仕掛けを隠せていない瞳を覗けば人となんら変わらない様子は
言われなければ寧ろ、機械人形である事の方が驚いてしまう出来栄えだった
最高の腕を持つ職人が造る物には命が宿ると言うが――……それを思わせるかのように
『人形(ヒトガタ)』であるが故に、人の魂も宿りやすいのだろうかと錯覚する程)

シュリク嬢ですわね……ええ、ではお言葉に甘え
今この薔薇園の一時だけ、ブランシュと呼ばせて頂きましょう
……機械の貴方には分からないのかもしれないけれど
人の呼び名というのは、それだけでも特別な意味を持つ事もありますのよ……?
(変な事をおっしゃっていたら、ごめんなさいね と小さく微笑んで

(彼女の想定通り、アリストロメリアは貴族令嬢であった)

ええ、是非……こちらこそ、よろしくお願いしますわ
(そっと優しく彼女の手を取れば、二人で一緒に並んで歩いて行く)
今日は、お忍びというより息抜きですわ
(『此方の学園に通っておりますして、今日は休日ですわ』と、答えて)

……ふふ、こうして歩いていると
まるで童話の姫君を薔薇園に案内している様で、物語に紛れ込んでしまった様な
素敵な感覚がありますわ
(等と言いながら歩いていけば――……次に現れるは可愛らしいスプレー薔薇の『アトリア』
小さな花と、オレンジ色の花弁があどけない幼女の様な可憐さを咲かせていた
此方は本来『秋の薔薇』である筈なのに、この時期に咲くのは何故だろう?

現実的に見れば、単なる季節外れだが
何処かそれは機械仕掛けに仕組まれた運命の様な錯覚も、何処か覚えてしまう様な……
或いは、もし仮に『薔薇の魔女』達が存在したとして……彼女達のささやかな魔法だろうか?)