2015/09/26 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」にヨキさんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に朝宮 小春さんが現れました。
ヨキ > (夕刻。間もなくディナータイムを迎えようかという頃、カフェの軒先で人を待っている。
 学内外で服装があまりにも違うことで評判のヨキではあったけれど、特に教えることはしていなかった。
 この上背があれば一目で知れよう、という心算だ。
 そういう訳で、シャンパンゴールドのスマートフォンを片手に弄りながら、ぐるりと人波を見渡す)

朝宮 小春 > (えーと、と周囲を見回す姿が一つ。本当にお仕事帰りなのか、キョロキョロと周囲を見回すその姿は普段教鞭を取っている時とほぼ同じ。
 時刻と場所だけを何度か腕時計で確認をしつつ、些か不安げな面持ちで歩いてくる。
 ……きっと視野がせまいのだろう。ええと、ええと、と一端通りすぎていく。)

……あら。
(一度通り過ぎかけたところで、反対側のショーウィンドウに写った相手のその姿を、ばっちり見つけて。
 くるりと振り向いて。 み~つけた。)

おまたせしました、待ちました?
(ぱたた、と近くに走り寄れば、ぐっと見上げて尋ねてみる。)

ヨキ > (目と鼻の先を事もなげに横切っていく姿を、右から左へ、視線で追う。ぽかんとした顔。
 通り過ぎた先で振り返られると、耐え切れずにふっと吹き出した)

「……ふッ。はは!
 このヨキを相手取って気付かぬとは、君、なかなかの手合いだな」

(冗談めかして笑い、歩み寄る。
 こちらを見上げた顔に向けて会釈してみせると、存外に顔が近くなった。
 身に着けた銀が、よく言えば軽やかに――悪く言えばチャラく鳴る)

「こんばんは、朝宮。いいや、ヨキとて先ほど来たところだ。
 くたびれたろう?二階に席を取ってある」

(小春を先導して、店内へ足を踏み入れる。
 店員に案内された先は、二階の奥、落ち着いたライティングのテーブル席だ)

朝宮 小春 > 「お疲れ様です。
 ……ちょ、っと考え事をしていて通り過ぎちゃいました。」
(笑われれば、少しだけ考えて下手な言い訳をしつつ、相手を見る。
 普段とは印象の違う姿に、目をぱちぱちと瞬かせて、ちょっとばかり困ったように視線を逸らす。
 相手の服装に? いいや、自分の服装に。
 何にも変わってないぞ自分、これでいいのだろうか。
 ともあれ、普段と違う雰囲気を身に纏えるのはちょっとばかり憧れる。)

「え、いえいえ、まだまだ大丈夫です。
 取り柄は頑丈なことくらいですからね。」
(ぽん、っと胸を叩いて。後ろをついて歩く。
 テーブル席に辿り着けば、お互いに腰掛け。)

ヨキ > 「そうか。ふふ、君は仕事が終わったあとも真面目なのだな?
 今日のこの時間は、ラクして楽しむといい。適当にな」

(相手の説明、もとい言い訳に、冗談とも本気ともつかず軽い調子で笑う。
 困った様子で目を逸らされると、その視線を追うように首を傾げる。
 しかしそれ以上は何も言わず、すぐに顔を引き起こす)

「それなら構わん。だが無理はしてくれるなよ。
 柔軟ならばともかく、頑丈なのはいつボキリと行ってしまうとも判らないから」

(にこやかに笑って、用意された席に着く。
 ディナー用の食事やドリンクのメニューを小春へ差し向けながら、テーブルにゆったりと肘を載せる)

「君は、外で食べるときにはいつもどんな店へ行くのかね?」

朝宮 小春 > 「そんなわけでも……無い、とは思いますけど。」
(思い出す。仕事から帰ったら結構気楽な格好でうろついているし、ソファで寝てしまうこともしばしばだ。)

「ええ、でも、いつも気楽に楽しんでいるつもりですけどね?
 そうですね、今日は適当に………。」
(はふ、っと吐息をつきながら、自分の肩をぽんぽん、と叩いて。
 肩の力を少しだけ抜くと、やっぱり表情が疲れていることに気がついて、運ばれてきた水に口をつける。)

「……ぅ、それはどこかで言われた記憶があります………。
 ま、まあ、折れてもどこかでくっつくって私は教えていますしね?」
(ぷすーっと言葉が刺さって、少しだけ苦笑を浮かべ。
 生物教師らしい返しをしながら、メニューを見る。)

「そうですね……、レストランとかも行きますけど………。
 あれ、これ格好つけた方がいいですか?
 近所の食堂が遅くなってもやっているから、よく行ってます。」
(少しだけ舌を出しつつ、飾らない言葉を返す。
 まあ、格好つけようにも、格好つけた場所に出向かないから仕方ないのだけれど。)

ヨキ > (リラックスした様子の小春に目を細める。
 水を一口飲んで喉を潤しながら、肩を小さく揺らして笑った。
 生物の先生が言うのならば、間違いはないと。

 小春の隣でメニューに目を落としながら、横目で相手を見遣る)

「ははは。格好なんか付けなくたっていい。
 彼氏の方がいい店に連れて行ってくれる、などと答えられたら、ヨキは悔しくなってしまうからな。

 ヨキは……歓楽街の、『崑崙』という飲み屋が好きでなあ。
 あの界隈の割には静かで、落ち着いてて、手頃な値段で飲めるのが気に入ってる。
 生徒相手には、大っぴらには言えん場所だがね」

(言いながら、メニューを見る目が次第に、肉の方へ肉の方へと釣られてゆく……とても判りやすい視線の動き)

朝宮 小春 > (隣に長身の男性がいてもマイペースを崩さないのは大人なのか子供なのか。
 んー、っと小さく唸りながらメニューをじっと眺めている。
 横目で見られていることに気がつけば、ああ、自分ばかり見ちゃってますね、なんてメニューを相手側に寄せて。)

「格好の一つくらいつけたいんですけどね。
 ふふふ、そうですねー……。
 生徒ではありますけど、夢子さんに穴場の素敵な喫茶店には連れて行ってもらいましたけどね。」
(自分で見つけたわけじゃないのが格好つかないですけど、と小さく笑って。)

「そうですねぇ、そういう意味では、男性とお食事をするのは………
 んん………久しぶりだと思うんですけど。」
(思い出す。七生君が家に来た時に夕食をふるまった気がする。
 それ以外は………無いな! すっきりとした記憶だった。)

「歓楽街には出るな、って厳しく言われてるんですよね。
 何かあった時に自衛手段が無い人は絶対に出ないこと、って言われてしまうと、流石に出歩けないんですよねー……」
(苦笑しつつ、何にします? と尋ねてみよう。)

ヨキ > 「格好を付けても、付けなくとも、ヨキは装われたとおりを信じてしまうからな。
 ヨキを裏切りたくなければ、そのままの君で居るがいい」

(微笑む。
 つまり――先ほどの『考え事をしていて通り過ぎた』という小春の言葉も、どうやら鵜呑みにしていたらしい)

「穴場の喫茶店、か。口コミだなんて、そんなものさ。
 ヨキの知る店もまた、自分で見つけたのが半分、人から聞き知ったのが半分だ。

 確かに……歓楽街は女性が、それも何も持たずに出るようなところではないからな。
 それでは、ヨキとしてみるか?夜遊び。女性がダミーに使うには適役、という自負があるでな」

(そう嘯きながらに、注文を尋ねられると、大きな手で写真を指差す)

「ヨキは……このハンバーグステーキの300グラムと、ライスの大盛りと、サラダと、…………。
 ……いや、それくらいにしておこうかな……、パフェも食べたいし……。

 君はどうするね?飲み物は……君に付き合う。酒でも、何でも」

朝宮 小春 > 「じゃあ、多分大丈夫だと思います。
 でも、人間って少しは格好をつけるものだと思いますよ?
 ………家だと大変自堕落ですからね、私。」
(相手の言葉に、ぴ、と指を立てて言葉をかける。
 格好つけてるんですよ、これでも、と腕を組んで。)

「ふふ、そうですね。
 歓楽街に出る用事ができたら、ですかね?
 私、行動範囲が本当に狭いんで、あまり遠出をしないんですよ。
 それに、ヨキ先生こそ、見られたらちょっとまずいようなお方がいたりするんじゃないです?」
(少し穏やかに冗談を紡ぎながら、一緒になってメニューを覗き込んで。)

「んん、じゃあこの貝のパスタのサラダとスープつきで。
 ………じゃあ、お酒はワインでいいです? 2つ。」
(店員に注文を終えれば、ぱたん、とメニューを閉じて。)

「たくさん食べられるんですね。
 まあ、………パフェは私も頂きますけど。」
(ちょっとくらいならいいですよね、なんて軽く呟きつつ。)

「ヨキ先生は、この学園は長いのです?」
(注文が出てくる間に、ふと尋ねる。)

ヨキ > 「いつかも……言われたことがあるよ。
 あまり女に、『自然体』を強いるものじゃあない、とね。
 ヨキは中でも外でも、いつでも同じだ。格好を付けるのが人間、と教わったが最後……
 犬が寝るまで走り回るのに似て、四六時中こんな調子さ。格好付けたがり、だ」

(ゆったりとした語調で言葉を続ける。
 考えるように少し黙って、すぐに口を開いた)

「『見られたらまずい』?さあ……。まずくなってくれるような人が、周りに居ないから。
 それではまたそのうち、だな。本音を言えば、用事などなくとも腹が減ったら一緒に行きたいものだがね」

(相手に倣って、店員への注文を済ませる。
 店員が去るのを見送って、)

「独りで居るときは……もう少し食べる。
 人間の腹とは、どうやら作りが違うようでな。
 食っても食っても、すぐに次が食べたくなってしまって」

(言っている傍から、腹が減った、と。
 口許を軽く拭う)

「ここ?ああ、学園が出来てから少しして着任したから……十年と少しだ。
 講師を務める傍らに、日本の勉強をして――それから教員に。

 ……君はまだ、ここへ来て間もないのだったな。
 もう何度も聞かれたろうが……君はなぜ、この島の教師に?」

朝宮 小春 > 「他の人と会う時は格好をそれなりにつけるものだと思いますよ?
 私だって、学園内では……最近はずっとですけど、「先生」らしくあるように格好つけてるようなものですし。
 ……つけてるんですよ?
 ………………中でも外でもいつでもそうなら、それもある意味自然なのかもしれませんね?」
(小さく呟く。
 自分も格好をずっとつけているつもりなんだけれど、どうにも決まらないんですよね、なんてぼやきをこぼしながら、視線を上げて。)

「そうなんです?
 ふふ、それであれば、いつでもこういう店にご一緒しますよ。
 あまり遠出はしなくたって、素敵なお店はたくさんありますし。」
(相手の言葉に、小さく笑う。
 会話はどこまで本当か分からないような会話なのに、お互い本音でしかないという不思議な会話。)

「………じゃあ、別にどんどん食べてもらっても大丈夫ですよ?
 同じもの食べろーって言われたら目が回りますけど、お互い、食べる量が違うのも当然ですし。
 あ、でもまあパフェもありましたっけ。」
(それなりに人がいるカフェを見回して、そんなことを言う。
 彼の言葉の端々から人間ではなかったことが伺え、それを持ってして「食べ過ぎ」など、こちらの視点で物事を論じるつもりもないわけで。)

「なるほど、長くいらっしゃるんですね。大先輩でした。
 ……あー、いや、元々は外の普通の教員だったんですけどね。」
(ここまで口にしてから、苦笑を一つ。)

「ちょっとした……、ああ、ええと。 母親がいろいろと問題を起こしまして。
 普通の学校はダメだって言われまして。
 ……わ、私は何もしてませんからね!」
(軽い調子で話しながら、潔白、潔白、などと冗談交じりに自分の胸を叩く。)

ヨキ > 「それでは、『先生』という姿が決まらないと感じているのならば……
 君にはきっと、『先生』以外に相応しい姿という者があるのではないのかね。

 ……格好をつけ続けること、疲れず動き続けること。
 そのヨキにとっての自然が……女性にとっては、時に重荷に映るものらしい」

(同行を了承されると、にこ、と笑う。
 時に年寄りじみた話し方さえするヨキの、歳相応の面立ち)

「有難う。……こうやって、約束を取り付けるのは得意なんだ。
 だけど『重荷』が災いして……いつの間にやら独りが続いているよ。
 一日八食は多い、と言われてしまって」

(気にした風もなく、笑いながら平然と話す。
 初めて耳にする小春の身の上に、ほう、と低く呟いて)

「……それは大変だったな。ああ、君が何もしていないのは判る。
 それでも君自身が理由でないのなら……それは災難だ。
 そこでなければやれないことも、きっと在ったろうに」

(話している間に、間もなく料理が運ばれてくる。
 テーブルが料理で埋まると、ヨキの目もまたきらきらと輝いた)

朝宮 小春 > 「かも……しれません。
 わかりませんけどね、私がもうちょっとしっかりしなきゃいけないかもしれませんし。」
(一瞬、ちらと白い衣服が頭の端を横切った気がして、首を横に振った。
 自分にとっては、今の仕事が一番大切。その思考は変わらない。)

「ふふ、まあ、自分の家の自分の部屋くらいは、格好をつけない自分でいたい、かもしれないです。
 ………重荷……とまではいかないかな、って思いましたけど。
 一日八食は多いです、流石に。」
(相手の言葉に、こちらは苦笑。 一日二食になりがちな彼女からしたら、そびえ立つ壁のように思える食事回数だった。)

「………あー、………まあ、はい。
 最初は、かなり落ち込みましたけど……。
 でも、こっちにも生徒はいますし、落ち込んでいる暇があるなら、新しい生徒の顔を覚えなきゃいけませんしね。」
(頬を少しだけかいて、正直にうなずく。
 ワインを手にすれば、お疲れ様です、なんてとても普通な、無難な乾杯の文句と共にグラスを差し出して。)