2015/10/10 のログ
ご案内:「チャンピオン号」にリチャード・ピックマンさんが現れました。
■リチャード・ピックマン > 無秩序な建て増しの末に山の如き様相を呈する建築群、蓬山城。その区画の中に、何故か飲み込まれ、埋め込まれたボートチャンピオン号。そこがピックマンのねぐらだった。
ゴミ袋やジャンクパーツ、食べ終わったレーションの缶など、所狭しとゴミが積み重ねられ、中はかなり狭い。
天井から裸電球がぶら下がり、チカチカと点滅する。
その電球の真下で、頭のコードをケーブルとつないだピックマンが寝転がっている。
呼吸のためにかすかに胸が上下する以外、指一本動かさない。精神をネット上に没入(イントロン)しているのだ。
ニューロンに負荷がかかっているのか、その鼻からは血が垂れていた。
どれほど時間が経っただろうか、この部屋に時計は無い。あるのはゴミの山とピラミッド状に積み上げられたボトルガム、いつ洗ったのか定かでない脱ぎっぱなしの衣服の山、そして未開封のレーションが詰まった袋だけだ。
「だぁー、クソッ!」電脳世界から復帰(アウトロン)したピックマンが上体を起こし、苛立たしげにこめかみをガリガリと掻きながら、コードを抜いた。