2016/08/07 のログ
ご案内:「Free2」に雨宮 雫さんが現れました。
ご案内:「Free2」から雨宮 雫さんが去りました。
ご案内:「落第街 地下 入り口のない研究室」に雨宮 雫さんが現れました。
■雨宮 雫 > 拾いデスクの上には大きなガラス瓶に移された肉片が七つ。
その前で、白い板の上に乗せられた赤黒い肉。
弄っているのは部屋の主である白髪の少年で。
白い板の周りに置かれた小皿の、壷の中身をスポイントで吸い取っては、ほんの微かな指の動きで、見えないレベルで肉に垂らしている。
顕微鏡や科学設備を排しても精密作業を可能とするのは、積み上げてきた時間と得た異能の、輝く翠色の目。
■雨宮 雫 > 雫の目には拡大に拡大を重ねた、培養した肉を細胞レベルまで拡大した状態が映っている。
得られた少ないデータを量で補うために精製した薬品を少しずつ、少しずつ、パターンと量を変えて試している。
幸い、もう1つの優先度の高い案件は一旦は片付いた。
次の課題にかかる前に、こちらも少しは進めておく必要があり……
まぁ数日篭っているわけだ。
■雨宮 雫 > 最初に渡されたサンプル、栄養ドリンクだかなんだか、と言っていたアレだが。
実際はほぼほぼ、性的興奮剤だった。
が、それに添わない成分を抜き出して纏め直して、試作品を幾つも作って……
同時に、実験に耐えられる肉片が育つまで培養して。
サンプルが少ないせいで余分な金と時間をエラい使わされてるが、まぁ、その分はクライアントに責任を取ってもらおう。
■雨宮 雫 > 一通り、試薬を試し終わると白い板の上に乗っていた肉片は処分する。
摘んで、足元のゴミ箱用途の壷に落とす……入った肉片が、シュウと音を立てて、灰になるのだ。
「んー……眼が痛い。」
ぐっと眉間に皺を寄せて、眼を瞑って天井を見上げる。
相変わらず、この眼の使い過ぎはしんどい。
ぐりぐりと指で眉間を揉んで、マッサージ。
落ち着くまで、マッサージ。
■雨宮 雫 > 「さぁー て。
纏めマトメー……かな、かな。」
ちょい、ちょい、と数歩進んで。
空いているスペースに至ると、分厚いノートを開いてボールペンで試験結果を書き連ねていく。
スゴイ勢いで、がーっと。
手書きで済ませるのは、そうすればここに置いている限り誰にも漏れないから、だが。
造った薬の組成。
試した順番と結果。
組み合わせたパターンと理由と結果と。
ウィルス自体の考察もしてみるが、コレは妄想の域を出ないだろう、まだ。
大事な事は実験結果から、今の段階では
"ウィルスの除去を目的とした抗体精製は困難であること"
"ウィルスの活性化を防ぐという意味の薬物精製は可能と思われること"
"ウィルスの宿主になった生物の種類と状態に左右されるため、宿主自体の状態把握と、慎重な投薬調整が必要なこと"
ガリガリとノートにレポートを書き連ねて……
■雨宮 雫 > はぁ と溜息をついた。
■雨宮 雫 > 大体、できるところは大体やった気がした。
後を薦めていくには、結局、検体をまるっと手に入れないとどーにもならないだろう。
そして、送られてきたサンプルから、それは無いんだろうとも考える。
大変残念だが、まぁ、仕方ない。
クライアントがそうしないのなら、強制しないのも、ルールだろう。
相手がルールを守っている間は特に。
というわけで、書き終えたノートを閉じた。
■雨宮 雫 > 「さーて、肩凝っちゃったかな、かな。
着替えて朔ちゃんとご飯でも食べにいこうだね、だね。」
んーっと背伸びして、首と肩と肘をパキパキと鳴らす。
長いこと研究所に篭っていると、どうしても体がダルくなる。
これはリフレッシュが必要だ。
たしか、外は夏休みだったハズだし。
■雨宮 雫 > 部屋の壁に近づくと、画かれた陣図に手を触れる。
定められた手順で触れて、必要な分だけの気を流す。
すれば、転移術が雫の体を別の場所へと運んでくれる。
ご案内:「落第街 地下 入り口のない研究室」から雨宮 雫さんが去りました。