2016/08/10 のログ
ご案内:「国立常世新美術館/「異能芸術の現在」展」に美澄 蘭さんが現れました。
ご案内:「国立常世新美術館/「異能芸術の現在」展」から美澄 蘭さんが去りました。
ご案内:「国立常世新美術館」に美澄 蘭さんが現れました。
■美澄 蘭 > 昼下がり。
常世新美術館に、すらりとした少女の影。
差してきた白い日傘を玄関口の傘立てに預けると、館内図を確認して展示室Cを目指す。
■美澄 蘭 > フォーマルな印象すら与えるスカートの生地はこの季節には暑そうに思えなくもないが、少女は何でもないような顔をしている。
術式構造自体は隠蔽されていて見破るのには一手間かかるが、それでも少女に近づくとひんやりした空気が漂っているので、「何かある」こと自体を察するのはそこまで難しいことではないだろう。
受付台には、配布用の作品リストと芳名帳。
作品リストを手に取るが、芳名帳は…
「………うーん………」
書こうかどうか、躊躇う少女の姿。
■美澄 蘭 > そうして迷って視線を動かしていると、ふと受付に飾られたフラワーアレンジメントが目についた。
シンプルだが、白と緑でまとめられた色彩はこの季節には爽やかで…
(…?)
悩むように腕を組んだまま、フラワーアレンジメントを見て首を捻る。
このフラワーアレンジメントには、目に見えない「何か」が施されている。
そう感じた蘭は、受付の邪魔にならないようにフラワーアレンジメント側の脇へよけると、目を閉じてフラワーアレンジメントを「視た」。
■美澄 蘭 > そこにあったのは…シンプルなフラワーアレンジメントには似つかわしくない、神社でよく「視た」光。
どうやら、花に良いものではあるようだが…
(…私…「これ」、知ってる?)
蘭は、その光にどこか既視感を覚えたが…
(…これ以上はよく分からないから、良いか)
と、「視る」のをやめて目を開き、展示室に入っていく。
…結局、芳名帳に名前は書かなかった。