2016/09/28 のログ
ご案内:「美澄 蘭のアパート」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > 少女の外面的な印象からすれば、幾分生活感の漂うアパート。
まあ、誰かを招いてどうこうする、というビジョンもなければ仕方がない。
部屋の主たる少女は今、デスクの上に鎮座するコンピュータに向かい合って、微妙な顔をしているのだった。

「………失敗したぁ…時期のことすっかり忘れてた………」

チェアの背もたれにぐたっと寄りかかり、溜息を吐く蘭。
デスクの上のモニターにはネットワークブラウザがいくつものタブを用いて開かれており…それは概ね、大小問わない音楽ホールのサイトなのだった。

美澄 蘭 > 「…プロの公演って、やっぱり高い…」

背もたれにぐっと背中を押し付けながら、天井を仰ぐ蘭。

「遊び」に誘われて、「コンサート」という自分の提案が通ったのは良かったが、時期が悪かった。
秋には、この学園の文化系にとっての一大イベントが訪れる。
となれば、当然音楽系の部活のほとんどはそれに対する準備を優先する。

その結果、どのホールも音楽系のスケジュールはスカスカで、その多くは島外から招聘されるプロの公演なのだ。
音楽系の部活なら、どれほど卓越した技術・表現を持つ団体の演奏会でもその入場料は財布に優しいことが多い。
…しかし、プロとなれば話は別だ。学割のおかげで酷いことにはならないが、一般料金に限れば本土より高い公演も珍しくない。

(…急に話振られて、他のことまで頭が回らなかった…ほんと、失敗…)

溜息を再度ついてから身体を起こすと、再びコンピュータと向き合った。

美澄 蘭 > 再度の調べ物の結果は、やはり芳しくなかった。
外部に他の団体なり学校なりが存在すれば、そういうところとの合同イベントなども発生のしようがあるものだが…全体で一つの学園というのも、こういうときは少しばかり考えものである。

(…それなりに良いお値段するプロの公演って、敷居も高いから気が引けちゃうのよね…)

ただの「遊び」、ただのハンカチのお礼。
そこに、敷居の高さを持ち込みたくはなかった。

美澄 蘭 > 「う〜〜〜ん………」

頰杖をつき、眉を寄せ悩み顔しきり。
相手の言葉を思い出しながら、「どこなら衝突が起こらずに過ごせそうか」の代替案を考え始め…

(………あ、そういえば「異能」について考えがあるみたいだったから、異能芸術とか、その辺一緒に見れたら面白い話も聞ける………かも?)

という発想が降ってくるが、それ自体はあくまで蘭の都合だ。
相手の意見も聞かなければいけないだろう。

美澄 蘭 > …とにかく、相手の意見を聞かないと身動きが取れそうにないことがはっきりした。

「………よし」

一念発起して、携帯端末を手に取る。
そして、相手のメールアドレスを宛先に入力して…。

ご案内:「美澄 蘭のアパート」から美澄 蘭さんが去りました。