2016/10/30 のログ
ご案内:「ハロウィンパーティ会場(衣装Free)」に経堂 弦一さんが現れました。
■経堂 弦一 > ああ、そういやあハロウィンだったなあ。 しかし毎年盛大にやるねえ。
(仕事の帰り、大通りを通ってみたら人でごった返していた。
常世には様々な世界から現れた存在がいるが、おそらくその中にケルトの神様でもいたのであろう。
毎年豪勢なハロウィンパーティが行われるのはそのためだ。
お店もここぞとばかりに露店を広げ、お客様に喜んで頂くことに余念がない。)
…おーおー、コスプレしてたら10%引きってやってんだな。そりゃみんなコスプレするよ。
(フランクフルトやら、ワインやら、焼きそばやら、パスタやらうどんやらカットピザやら…。
コスプレして騒げ!と言わんばかりに商品がならべられている。
中にはコスプレをしてたら値引き、というお店まであるみたいだ。
とりあえず邪魔にならないように隅っこを歩いていた所、ある露天でぴたりと動きが止まる。)
おいおいおい…コイツは……。 30%オフとか、赤字覚悟もいいところだ!
(俗に言うプレミア焼酎をコップについで売ってくれる露天であった。
その中でも一本の酒に目が釘付けになる。
芋焼酎”鮫竜巻”…サメにくくりつけた瓶の中で寝かせ、抜群にうまくなったという触れ込みの酒である。
真偽はともかく、旨い酒なのは間違いない。 ごくりと喉が鳴った。
しかも”コスプレなら30%オフ”と看板が上げられている。
とはいえ、今はしがない用務員の格好である。思わずぐぬ、と唸った。)
■経堂 弦一 > ああ、そうだ! これがあるじゃんか!
(ぽんと手を打つ。 人混みに紛れたほんの一瞬で、自分の姿は変化した。
常世を守る”寂光の魔女”の姿である。 見た目な少女のようではあるが、
この島と学校を守るためであれば強大な魔力を行使できる姿だ。
三角帽に箒、 ケープもある。 これなら魔女だと言い張っても問題ないだろう。)
”鮫竜巻”くれ!ドバーて!コップ一杯にな!
―――(数分後)―――
ちくしょう…チクショウ…!!この体がもっと大人じゃないからチクショウ…!!
(道路の隅っこですんすんとしゃくりあげる姿があった。
店主の「お嬢ちゃん、まだ二十歳になってないんじゃない?身分証は?」
という一言でボロクソにされたのである。
3割引きをずるして手に入れようとしたばかりにお酒を売ってもらえなくなるという、
まるで教訓めいた童話のようなオチを迎え、打ちひしがれて、道路の隅っこで
悲しげに空を見上げる。ハロウィン一色で橙色に染まる視界が、やけに滲んで見えた。)
■経堂 弦一 > もうなんでもいいよお…酒くれよお…涙忘れるカクテルでいいからくれ…。
あっ、あれだ、もうビールでもいい! 構わねえ!
(よろよろとハロウィンに浮かれる人達の間を縫うようにして通りをウロウロする。
満身創痍の中、 「バタービール コスプレで20%オフ」と書かれた露天に突撃し、即座に注文する。
すんなりと注文が受け入れられたことに安堵する。捨てる神あればなんとやらだ。
透明なプラのコップに注がれた琥珀色の液体を見て、満足げに頷いた。)
そうそうこれだよな、やっぱりビールっていやあな! おっしゃやったるぞー!
こんなもん一気じゃあ! せーの、ハロウィンかんぱアアアアアア!!!
(一口含んだ瞬間、強烈な違和感に叫ぶ。 ビールの味では全くない。
いまだかつて無い味が味覚に叩き込まれ、目を白黒させながらたたらを踏んだ。)
ああー……なんだよお、ビール、何なんだよお…ありえんだろ…。
(注文した以上きっちり飲み干しはしたものの、心身ともに打ちひしがれ、
休憩所として使われている公園のベンチに腰掛け、ぐったりとうなだれる。)
ご案内:「ハロウィンパーティ会場(衣装Free)」にセシルさんが現れました。
■セシル > 「…やれやれ、久々に「表」の警邏と思えばこれか」
そう、作った胸声でぼやきながら公園の見回りをしている、常世ポリスもとい風紀委員のセシル。
基本的に望んで集まっている人々が中心なので、人口密度の割に騒動は少ないが…それでも小競り合いはあるし、何より人口密度のために声を通すのが大変だった。
声の「作り方」を知っているセシルはまだ良いが、同僚の何人かの喉が悲鳴をあげている。
(…まあ、楽しみによる狂騒なら幾分はましか)
等と考えていると…何やら、少女の魔法使い(「魔女っ子」とか「魔法少女」とか言うらしい)のような扮装の、小柄な少女が歳に似合わぬ風情でうなだれている。
「…きみ、どうした?人ごみで具合でも悪くなったのか?」
そう、作った太い声で話しかける。
「少女」の気配に違和感を感じながらも…その口調や眼差しは真剣なもので。
■経堂 弦一 > (かくなる上はどこかで飲み直すしかない。 そうだ、言えに明太子があったはずだ。
あれを炙っていい感じにやろう。 思い詰めた表情でそれを考えていた所に、
声をかけられてはっと顔を上げた。)
あ、ああ…? そんなにしょんぼりしてたかな。
何かがあったわけじゃないんだ、その……
手に入ると思っていたものが、ズルしたせいで手に入らなくて…。
悪いのは自分のせいなんだが、情けなさに辟易していたところなんだよ。
体調が悪かったりするわけじゃないから、少しすれば気分も良くなるさ。
(声をかけてくれたのは立ち姿も美しい美青年だった。
きっと自分が人酔いしたかなにかだと思われているのだろう。
そんなに打ちひしがれていたことにもショックだ。
力なく笑って、軽く首を横にふって見せた。)
■セシル > 「その歳からズルを覚えるのは感心せんな」
そう言いながら、作った中性的な声のまま朗らかに笑う。
…もっとも、聞く者が聞けば「意図して腹筋を使っている」のが分かるような笑い方ではあるのだが。
「…しかし、体調が良くないわけではないなら良かった。
せっかく仮装をして出たイベント会場で体調を崩してしまっては台無しだからな」
そう言って、大らかに…男性的な印象のある、口の端を横に引くような笑顔で「少女」に笑いかけた。
…セシルも相手に対して誤解をしている(気配や言葉遣いから違和感を抱いてはいるが、断定に至らないゆえである)が…「仕事モード」のために作った声や、表情の作り方は、相手の誤解も助長しかねないヤツである。
■経堂 弦一 > …わかってるよ。魔が差したんだ…もうしないよ。
でもまあ、こうして声をかけてもらえるなら悪くない。
(相手を見上げながら、少しだけ唇を尖らせて答える。
彼のはきはきとしたような喋り方は、聞いてて心地よい。表情がほころぶ。)
けが人や病人がでたら、この騒ぎじゃあ救急車も入れないだろうしな。
心配をかけてすまなかったね。
(もう大丈夫、と相手に告げて、勢い良く立ち上がる。
スカートの埃を払ってから、これでよしと頷いた。
辺りを見回し、喧騒が未だ覚めやらぬのを見て口を開く。)
しかし、一夜限りとはいえものすごいね。
みんな、たまにはそうやってハメを外したいのかもしれんね。
(きちんと馬鹿騒ぎが収まってくればいいんだけどさ、と小さく笑う。
相手に視線を向けると、おや、と小さくつぶやいて。)
ところで、君は…学園の風紀委員だな。 そうか、それで声をかけてくれたんだ…。
余計に心配をかけてごめんね。 君も警備やら人の整理やらしていたんだろう?
(風紀委員は学園の秩序を守る存在だ。 この時間帯の前から、
人の整理やらなにやらで頑張っていたのだろう。 その貴重な時間を自分に
割いてもらったのだから、情けないやら申し訳ないやらだ。
済まなさげに頭を下げ、相手に問いかける。)
■セシル > 「分かったなら、私からはもう言わんが…
…しかし、風紀委員に声をかけられて「悪くない」とは、随分寂しいことを言うな、きみも。
…そういえば、一人でここに来たのか?お友達は?」
表情を綻ばせる少女に、苦笑いを向ける。
反感を持たれないのは有難いが、つい余計な心配をしてしまい…そして、口に出た。
表情からすると、悪気はなさそうである。
「いや、良いんだ。何もないに越したことはない」
謝罪する「少女」にそう答えると、勢い良く立ち上がる様子を好ましげに見守る。
元気なようで何よりだ。
「そうだな…祭りというのもそうだが、「仮装」というのも人を盛り上げる要因かもしれん。
…後片付けが大変そうだな」
そう、苦みを含んだ笑みで「少女」に笑い返した。
人の「変身願望」とでもいうべきものは、馬鹿に出来ないのだろう。
「いや、構わん。公園の見回りに来て、丁度きみが目についたところだったんだ。
こうした声かけも職務のうちだから、気にするな」
すまなさそうに頭を下げる「少女」に対して、穏やかに笑いかけ…そのまま、励ますかのように「少女」の手に頭を伸ばす。
「少女」が避けたり払いのけたりしなければ、髪が乱れない程度に頭を軽くポンポンとしてやるだろう。