2016/11/20 のログ
ご案内:「出店」に真乃 真さんが現れました。
真乃 真 > 『ああ、困った。困った。こんな時どこかに助けてくれる親切な人はいないのだろうか。』

黒いフードに身を包んだ出店の店主が呟く。
出店の看板には『ジャンケン屋』と書かれており長机とパイプ椅子。
お金を入れる箱となにやら券の束が置かれている。

『ああ、困った困った。』

その感情の困ってない声を聴きそこに現れた男が一人。
異様に長く白いタオルを首から靡かせた男である。

「おっと!そこの君!何を困ってるんだい!?」

男は一切の迷いなく、一切の躊躇なく声をかける。

真乃 真 > 『おお、お優しいお方。だけど、そんな悪いです。
 用事でここを少し離れなければならないとは言え見ず知らずの方に店番を頼むなど…。』

「気にすることはない僕なら大丈夫さ!いや、でも流石に知らない相手に店を任せるのは不安だろう?
 正直、僕でもどうかと思うぜ!!」

いくら、用事だとはいえ見ず知らずの相手に店を預けるのはいくらなんでも不用心すぎるだろう。
危機管理能力のなさ!

『いいえ、いいえ、私には運命が見えるのです。未来が見えるとも言ってもいい。
 ここで、困っていればあなたが助けてくれることもそれで分かっていました。』

店主はとんでもないことを言う。

「なるほど!それは凄いな!で、その力で見つけた信頼できる僕に店番を頼みたいと言うわけだ!
 仕方ないな!引き受けよう!さあ、早めに用事を済ませてくると良い!!
 あっそうそう、聞いときたいんだけどさ…この店は何をする店なんだい?」

『じゃんけんをする店です。じゃんけんで5回勝負して相手の方が勝ち越した場合素敵な景品をお渡しする
 というお店でございます。一回の値段も100円とリーズナブル。
 ちなみに一勝で飴、二勝で駄菓子の中から一つ、三勝で近くの屋台で使える300円分の券、4勝でそれが1500円分。
 全勝しましたら常世学園内全店舗で使える金券5000円分でございます。』

真乃 真 > 「おお、結構豪勢だね!でも…運命が分かるのにそれってイカサマじゃないのかい?」

当然の疑問である。
もし実際に未来が見えるのだとしたら相手がどんな手を出すかもわかるわけで…。

『…人は誰しも運命に打ち勝つ力をもっているもの。
 運命は流れる川のようなものではありますがその流れよりも早く泳げば別の場所にたどり着くこともできましょう。
 実際今まで3人くらいに五連勝されましたし…。』

「なるほど。何となく納得できるような気がする…。」

難しい事で煙に巻かれる男、真乃真!
でも、この店主の力は正確な未来予知であって幾らでも覆されえる感じらしい

真乃 真 > 『では、あとは任せました。あなたは普通にじゃんけんをしていればいいのです。』

そう言って店主は去っていき。
残されたのは真一人。

さあ、ここからが本番だ!

これから真はじゃんけん屋の店主の代理として来たる客に打ち勝たなければならない!
さあ、どこからでもかかってくるがいい!!

真乃 真 > 人の動きは無いわけではない。
目の前も何人もの人が通り過ぎていくし横にあるくじ引き屋や射的なんかは普通に人が入っている。
だが!人がこない!

「なるほど!どうやらかなり暇なお店らしいなここは!」

ずっと座って人の流れを見るだけの店番。
正直退屈で耐えがたい!!去年のバイトを思い出す!
人が来ないならどうするか!?
ああそう、呼び込めばいいのだ!!

「いらっしゃいませ!じゃんけん屋ですよ!!
 勝てば勝つほど景品が豪華になります!3回勝てば300円!4回勝てば1500円!5連勝なら5000円です!
 一回100円!運だめしに一回いかがでしょうか!?」

無駄にカッコいいポーズで通りにむかって呼びかける!
それにしても人を呼べる内容が金額しかない…。

真乃 真 > その声に呼ばれたのか現れたのは小学生くらいの男の子。
好奇心をそそられたのか100円を握り締めている。

「いらっしゃい!さあ、やろうか!!」

「最初はグッ!じゃんけんホイ!よっしゃあ!!!」

一回一回の勝負に対する凄まじい一喜一憂!!
その勢いに釣られたのか周りには人が集まり始めていた。

結局五回の内で男の子が買ったのは2回、景品は駄菓子である。

「さあ!次の挑戦者はいないのかな!?」

真乃 真 > …来たる連戦!

幾人もの猛者との闘いを越えた。
精神に干渉する魔術を使う魔術師。
サイコキネシスで手の形を変えようとしてくる異能者。
神に愛されたような絶対的な幸運の持ち主。

…誰も彼も強敵ばかりだった。

「グー以外を出したら心臓を止める呪術の使い手との対戦は流石に死を覚悟したね!」

『いやあ、お見事です。まさかここまでやるとは私の見た運命の中でも最高の結果だ。』

黒いローブの店主が帰ってきた。
…ああいう人たちが来ることを知ってて店を空けたのだろうか?

「ああ、なかなかできない貴重な体験だったよ!
 それと…いや君ならぼくが言おうとしてることも分かるんだろう?」

『ええ、ですがあなたは私に負ける運命。この運命が変わることはあり得ません。
 勘違いしないでいただきたい、あなたが今日勝てたのも全ては運命で予言されていたことののです。』

「確かにそうかもしれない!だけど!そんな事で挑みもせずに諦めるのなんて僕は絶対嫌なんだ!!」

『愚かな!!人の身でありながら運命に歯向かうなど!身の程を知るのです!!』

同時の掛け声。
振り下ろされるグーとチョキ。

──ああ、この勝負の行方は二人が知るのみである。

ご案内:「出店」から真乃 真さんが去りました。