2017/05/19 のログ
ご案内:「魔女の隠れ家」にミザリーさんが現れました。
ご案内:「魔女の隠れ家」に藤巳 陽菜さんが現れました。
■ミザリー > 「馬鹿ね…、あなたは十分に覚悟があったじゃない。
ここに来る前に引き返しちゃうと思ったわ。
まだ耐えきれないかもしれないあなたに過酷な可能性を持たせてしまい傷付けてしまったわ…?」
魔女としてはこれで良かったのだろう、
だけど今私は教師という立場でもある。
教師としてはこれで良かったのかと暫し葛藤する。
引き寄せて優しく抱いた時、
彼女の涙が私の服へと染み込む、
止めどなく流れる涙をこうして受け取ることしか、
今の私はできなかった。
私の提案に涙をぬぐいこちらを見る瞳に合わせる様、
私も抱き寄せた手を緩めてまっすぐ見つめる
「えぇ、今より強く、成長することができる。
何より私の後継者、人ではなく魔女になるの。
その時、かならずあなたの姿を戻してあげることができるわ、理由もその時わかるはずよ。
…どうかしら?」
もしこの子が後継者となるならば、
私には『それ』をする価値が十分にある。
どうだろうか、断られるか、受け止めるか、答えが出るまで目を逸らさずに見つめて。
■藤巳 陽菜 > 優しい言葉、陽菜の覚悟を認めてくれる言葉。
この先生はこんな風に言ってくれる。
でも、やっぱり自分の覚悟というのは十分では無かったと思う。
「…先生。でも私は悔しいんです。
可能性があるのにそこに飛び込めないのが…。
先生が用意してくれた可能性が目の前にあるのに私に勇気がないばかりに…。」
どんなことでもするつもりだったのに。
死ぬかもしれない。そんな言葉一つで進めなくなる。
自分の弱さが悲しかった。
「…強く。
先生私、強くなりたいです。
強くなって普通の身体を取り戻したいです!」
瞳を真っすぐに見返して力強く言う。
普通の身体。人間としての身体。
人でなくなってまで取り戻す価値はあるのだろうか?
…そんな事は今の陽菜の思考にはない。
人ではなく魔女になる。
その言葉の本当の意味を理解出来てはいないのかもしれない。
それでもこの蛇の下半身を持つ少女は強さを求める。
恥じる事のない強さを。覚悟を持てる強さを。
■ミザリー > 「ふふっ、あなたのその悔しいと思う気持ちがあれば、必ずいつか導いた可能性は広がるはず。
私がしたことも、あなたがしたことも、何一つ無駄ではなかった。
そうでしょ?…もし勇気がなければその時は私が支えてあげるから。」
にこりと柔和に微笑みを見せる。
この場所の雰囲気に負けないくらいの優しい笑顔。
魔女の後継者となるか?
との問いの答えをはっきり受け取る。
少し信じられなかったが間違いなく彼女は私にいう。
強くなりたいと、後継者となってくれると…。
真っ直ぐな彼女の強い眼差しは微塵の嘘も見えない、
私は目を見開いて嬉しくて溢れそうな感情がこぼれるのを抑えて。
彼女の答えに応えるように強く頷くと。
「あなたの覚悟はわたしがしっかりうけとったわ。
約束しましょう、元の姿に戻し立派な魔女にすることを…
後継者のあなたに私の全てを捧げると…」
椅子に座る彼女の手を握りしめ、
力強く約束の言葉をかわす。
「魔女になる、に至って一つだけやらなければいけないことがあるの、少し待っていてくれる?」
握った手を放し立ち上がると、
何やら道具を取りに別の部屋にスタスタと歩いていく。
■藤巳 陽菜 > 「無駄ではなかった…そう言ってくださるんですね。」
尋常ならざる雰囲気のこの場所であって尚見る人の心に安心を与える笑み。
そして魔女のその言葉で少し救われたような気持ちになる。
だが、実際それをどうするかは陽菜のこれからにかかっている。
無駄にするも、活用するのも陽菜しだいそう考えると荷が重いような気もしてくる。
「私も先生に応えられるように立派な魔女になれるように努力していきます。」
握られた手を握り返して誓う。
魔女になるための努力。いったいどんな事をしていけばいいのだろう?
陽菜には想像もできなかった。
「は、はい先生。」
(魔女になるためにやっておかなければいけない事?
…何かしらいったい?何か薬とか飲むのかしら?)
薄暗い部屋に一人残されると急に不安な気持ちが襲ってくる。
あの、先生については信じれるようになってきたがそれはそれやはり分からない事は怖いのだ。
■ミザリー > 別室にて…
「私を継ぐ者が漸く…漸く見つかったわ…?
良かった…。」
頬を伝うのは涙、床にこぼれ落ちないように直ぐ手で拭う。
多くは流さずに堪えて深呼吸して落ち着かせた。
「さて……何処に置いたかしら?えっと…あったわ?」
手に取ったのは印鑑で六芒星が刻まれている。
まるで新品に見えるそれ、じっと見つめたあと、
再び彼女のまつ部屋に戻り…
「待たせたわね?
今からあなたに魔女の印を付けなければいけないの
まだ見習いだから印は小さいけれど、魔女に近づけば印は形を変えていくわ?
…これを何処につけるか、だけれど…何処かいいかしら?」
直径1cmていどの小さな印鑑、
彼女に見せて首を傾げ尋ねる。
■藤巳 陽菜 > 「魔女の印…。」
もっと、凄い事をすると思っていた。
…ハンコ押すだけなんだ。少し、安心した。
「…どこにしようかしら?
これは…悩みますね。」
腕を組んでしっかりと悩む。
きっと、一回しか押せないものなのだろう。それなら後悔しないようにしなくちゃ。
あまりに目立つ場所も嫌だしかといって変に奥につけるのもそれはそれで恥ずかしい。
どこに付ければ後悔しないのか色々と考えて…。
「じゃあ、私は先生がつけてるのと同じ場所がいいです。
先生が付けているのと同じ場所に付けてください。」
さあ、と両腕を広げてどこでもどうぞと促す。
…きっと、それなら後悔しない。
■ミザリー > 「そう、魔女の印、ちょっとした儀式みたいなものよ?
昔は焼印だった頃もあったけど、私はあまり好きじゃないから。
少し熱いだけでいたくはないはずよ?」
指先で印鑑の面を指先で触れて、
魔力を込めていくと青白く淡く光りだした。
「ふふ、悩んだ方がいいわよー?
一生残る場所だから。」
(陽菜ちゃんは何処にするのかしら?
私と同じ場所!なんていわないわよね。)
悩む彼女を待ちながらそんなことを考える。
魔力を込め終わり答えを楽しみに待つ。
彼女の答えが出た時。
「そう、私と同じ場所、…へ!?同じ場所?
わ、私と同じ場所でいいのね?」
思ってたことがかえって来ておどろく。
若干私の頬が赤らむが、ランプの明かりのせいでわからないだろう。
半ば焦りの見える声は隠しきれなかった。
「えっ、とー…じゃあ、立ってくれるかしら?」
彼女がそう望むならいいかなと思いつつ、
両手を開いた彼女に申し訳ないが指示をして進める。
■藤巳 陽菜 > 「儀式、これが魔女になるための第一歩というわけですね。」
魔女の儀式の近代化に感謝しながら印鑑を見る。
印鑑になってる時代で良かった…。
焼き印とか聞くだけでも痛そうだ。
「ええ、私先生と同じ場所がいいんです。
…何かあるんですか?」
先生、焦ってる?相当変な場所だったりするのだろうか?
少し不安になるけどそれで後悔はしないのだ!
「立つんですか?えっと、どこに付けるんでしょうか?」
言われたとおりに椅子を降りる。
立つというか?蛇のこの身体でも立つというのだろうか?
今の高さは膝立ちしてるくらい。普段道を行くのと同じくらいの高さだ。
■ミザリー > 「い、いいえ?その、何かあるわけではないの。
わかったわ?あなたがそういうなら。」
迷いもなさそうで私のそぶり見て嫌ともいわないところを見ると、
同じ場所で決めてるみたい。
「私と同じ場所というのは、ココ。」
いきなり押しにいくわけにいかない。
服をはだけるなりしてもらわなきゃいけないからだ。
彼女は制服だからはだけるの難しいかもしれないけど…
ココと左手で私の右胸の少し上を指差す。
「じゃあ、地肌に押さないといけないから、
見せてくれる?
…って、女性同士でも、はずかしいものね?
あんまりまじまじと見ないようにするから、大丈夫よ?」
まさかこんなことになるなんて、
私の時は場所の自由なくてココに押されたから、
先代を少し恨んだ。
■藤巳 陽菜 > 「良かったです。
足に押してるから同じ場所は無理とか言われたらどうしようかと…。」
それなら諦めて別の場所に押してもらうしかなかっただろう。
それと比べたらいくらかましだ。
「ここなら確かに中々見えませんね。
はい、それじゃあお願いしますね。
って、そんな風に言われると余計に気になるんですけど…。」
ボタンを外して服を捲る。…少し前よりも肉が付いたかもしれない。
まじまじ見ないと言われれば逆に視線を意識してしまう。
まじまじ見るのもチラチラ見るのもどちらであっても恥ずかしい。
でも、恥ずかしいは恥ずかしいけれどそれよりも不安とそして期待が勝る。
新しい自分への第一歩。
今回は自分の意思で変わる。その初めの一歩。
■ミザリー > 「見えない場所の方がいいわよね?
それじゃあ始めましょうか。
…それもそうね?あまり口にしないことにしておくわ?」
彼女の丁度心臓部分に私の左手を触れて添えると、
目を閉じ言葉を刻みだす。
「私、ミザリー、エーデルハインの後継者として契約する…
新たなる魔女の誕生、藤巳、陽菜。
今、その身に刻む証とする。」
言葉が終わると、右手に持つ印を近づけていき、
ピトリ、と、彼女に私と同じ場所へと印が付けば、
淡く、ほんのりと蒼く光り僅かな熱が彼女に流れ込み、
彼女の右胸に印が焼き付く…
そして両手をゆっくり放し…
「…これでおしまい、あなたは今日から魔女となるわ?
細かい掟、魔術等は少しずつ教えていくわね…?
よろしくね?、可愛い愛弟子よ…嬉しい。」
再び彼女を優しく抱き寄せた、
私は必ず、彼女を直して見せる…
そして、私が……今はやめておこう。
今日はもう夜遅い、
このあと彼女を見送り私一人、
この部屋に戻った。
■藤巳 陽菜 > 確かな熱さを胸に感じる。
魔女としての印。
「これで私は魔女…。
まだ、あんまり実感は湧きませんけど。」
えっと、先生じゃなくて師匠って呼んだ方が良いんだろうか。
いや、どちらでも似たようなものかな?
抱き寄せられながらそんな事を思う。
一月前のあの朝。
陽菜の日常が崩れ去った朝と比べれば変わった事は微々たるもの。
急に魔法が使えるようになったわけでもないし。見える変化はこの印だけ。
まだ胸に残っているほのかな熱さだけ。
もう辺りは暗い。そろそろ、寮まで帰らないと。
(魔女か…。
この身体で箒にまたがれるのかしら?)
そんな心配なんてしつつ。
少し熱いような気がする印に何度も手を当ててみたりしながら帰路につくのだった。
ご案内:「魔女の隠れ家」から藤巳 陽菜さんが去りました。
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