2017/08/08 のログ
ご案内:「クローデットの私宅」にクローデットさんが現れました。
クローデット > 【8/7 特殊Free(過激描写注意)1の続きです】

血縁関係もない他人を家に…寝室に誘って、一緒に眠りに落ちた翌朝。

「………」

カーテンの隙間から白い光が差し込む寝室で、クローデットは、ほんの少し身体を丸めるような姿勢で、小さく寝息を立てている。

ご案内:「クローデットの私宅」にヴィルヘルムさんが現れました。
ヴィルヘルム > 温かな日差しを,柔らかい感触を感じる。

「ん……うぅ……っ……。」

ここはどこだろう。青年は,心地良いまどろみの中にあった。
目を擦って,ゆっくりと開いて……最初に瞳に映ったのは,クローデットの寝顔だった。

「……………。」

意識が急激に覚醒していく,そうだ,ここは,クローデットの部屋。
お風呂を借りて,一緒にベッドに入って…それから……。

(……クローデットは…まだ,寝てるんだ。)

貴女を起こさないように,青年は息を潜めた。
柔らかな日差しに照らされる貴女は,やっぱり綺麗で,どうしようもなく魅力的で…

「………………。」

…こうして隣に寝そべっているだけなのに,青年は僅かに頬を赤らめた。

ヴィルヘルム > 貴女が握ってくれた右手の感触も,触れ合った唇の感触も,全てが鮮明に,蘇ってくる。
青年は静かに,貴女に向かって手を伸ばした。
甘く香る貴女の髪を,ほんのわずかに,優しく撫でる。

「………………。」

そうしていると何だか切なくて,もどかしくて,青年は寝ている貴女に身体を寄せる。
額と額がくっついてしまいそうなくらいに近付いて,青年は一度,瞳を閉じた。

もう一度,キスしたい。

けれど,寝ている貴女にそんなことをするのは,何だかひどく罪深いような気がした。
情動を抑え込み,瞳をゆっくり開いて,青年は貴女を見る。

(……夢じゃ,ないんだよね。)

唇を触れ合わせることをしなくても,こうしていられることが,幸福だった。

クローデット > 肌のきめ細やかさを照らしていた白い陽光は、青年の顔が近づくことで遮られた。

「………ん………」

青年の動く気配に反応してか、クローデットは少しだけ眉を寄せて、寝起き特有の、あまり機嫌の良くなさそうな声を零す。
そして、眉を寄せたまま、目を開けて…

「………。」

至近距離に他人の顔があることに反応して一気に覚醒したのだろうか、目を丸くしてから…

「………シュピリシルド様、おはようございます」

と、柔らかく笑った。

…かつての呼び方をしてしまう辺り、まだ覚醒しきっていないのかもしれない。

ヴィルヘルム > 青年はずっと貴女を見ていたから,貴女が目を開ければ…

「……あっ………。」

…すぐに,目が合ってしまうだろう。
あまりにも距離が近いのだが,逃げるわけにもいかない。
貴女が笑んでくれれば,青年も少し恥ずかしそうに笑って…

「…おはよう,起こしちゃった…かな。」

…青年が別に何をしたというわけでもないが,そうとだけ聞いた。

クローデット > 「…いえ…お気になさらず。
もう陽が出ているのですし、身支度ならば、始めても特に支障はございませんから…」

たおやかに笑んでそう言いながら、青年にぶつからないよう、気を付けつつ身体を起こそうとする。
壁にかけてある、時計が見たいのだ。

昨夜の触れ合いが記憶にあるのか、ないのか。
まだぼんやりしているのか、寧ろ今日すべきことに既に頭が切り替わっているのか。
クローデットに、青年が見せるような恥じらいの色はない。

ヴィルヘルム > 貴女が自然に体を起こしてくれたのは,ある意味で幸いだった。
深呼吸をして,気持ちを落ち着かせる余裕が生まれたのだから。

「……うん,そうだね。」

けれど,正直に言えば,名残惜しかった。
ずっと隣で寝ていてほしかったし,もっと貴女を見ていたかった。
そんなこと,口が裂けても言えないが。

貴女が身体を起こせば,青年も貴方に従うように,上体を起こす。
……こんなに爽やかに目覚めたのは,何日ぶりだろう。

クローデット > 時計の短針は8時を少し過ぎたあたりを指して、正確に時を刻み続けている。

「ああ…この時間であれば、わたしはシャワーを先に済ませた方がジュリエットに迷惑をかけずに済みそうですわね…」

んー、と小さく声を出して、手を胸の前の方に突き出す形の伸びをする。
それから、改めて青年の方を向いて。

「…朝食は、召し上がって行かれますか?凝ったものは出せませんけれど」

と、穏やかに微笑んで尋ねた。

ヴィルヘルム > 貴女がぐっと身体を伸ばせば,青年もまた。
…伸びをする動作が,少しだけ“狼”の面影を感じさせるだろう。
尋ねられ,伸び切った状態で一瞬だけ静止する青年。

「嬉しいけれど…そこまで甘えちゃって,いいのかな。」

昨日から何から何までも甘えてしまっていて,申し訳ない気持ちもある。
けれど,それを断る理由も無かった。

クローデット > まだ残る”獣”の面影に、一瞬だけ痛みを覚えた瞳をする。
…が、青年が伸び切った状態でこちらに意識を向けてくれば、その可愛らしさに、つい甘やかな笑みがこぼれて。

「本当に大したものは出しませんわ…温かいものは紅茶かコーヒーくらいですもの。
ハウスキーパーにも話はつけてありますし…その程度のものですから、お召し上がりになってもならなくても、さほどこちらの負担にはなりませんので」

ジャムやバター、あるいはチーズの類を好みで乗せるタルティーヌか、シリアルに牛乳。
普段のクローデットの朝食は、割合質素なものだった。

ヴィルヘルム > 青年としてみれば,それが自然な動作になっていた。
とは言え狼に転ずることが無くなれば,その面影も徐々に薄まるだろう。
……それが可愛らしいと思われているなんて,思いも寄らないが。

「…それじゃ,お言葉に甘えて。」

ぺこり,と礼儀正しく頭を下げ,そのままベッドの縁に座る。
貴女はシャワーを浴びに行くと言っていたし,ここで待つしかないだろう。

クローデット > 不思議そうに、軽く首を傾げながらもクローデットはシャワーに向かう。
隣の扉が開閉される音がしたところから、そのまま着替えなどもしてきてしまうことが伺われるだろう。

…朝のシャワーは本当にさっぱりするためだけのものらしく、クローデットは、夜の入浴の半分以下の時間で、きちんと衣服を整えて戻ってきた。
その腕には、青年が着ていた衣服が抱えられている。

「…そういえば、昨晩あちらで脱がれたままでしたわね…気がつかずに申し訳ありません」

そう言って、青年に渡した。

ヴィルヘルム > 残された青年は,夜とはまた雰囲気の違う寝室で,静かに待つことしかできなかった。
尤もさほど長い時間ではなかったので,退屈するほどのこともなかったが。

貴女が戻ってくれば,おかえりなさい,なんて声を掛ける。
けれど,貴女の抱えている服を見て青年は驚き,

「…あ,僕も忘れてた……。」

…と,恥ずかしそうに頭を掻いて,受け取った。

クローデット > 「…お互い、慣れないものですから綻びが出ますわね」

恥ずかしそうに頭を掻く青年を見て、こちらも、少しだけ困ったような、でも楽しんでもいるような顔で笑う。

「…わたしは朝食の準備をしておりますので…ヴィルヘルムは、着替えてからいらして下さい。…焦らずとも構いませんから」

そう言うと、クローデットは寝室を出て行く。
着替える場面を見るのは、あまり好ましくないと判断したようだ。

ヴィルヘルム > 「…ホント,僕は“慣れない”なんて次元じゃないから……。」

だって全部初めてだよ。なんて,楽しげに笑う。
少なくとも貴女にとっては自分の家で,自分の部屋で,自分のベッドだろうから。

「うん,そうさせてもらうね……何かお手伝いできることがあれば,何でもやるんだけれど…。」

多分ないだろうな,と,苦笑した。
貴女が部屋を出て行けば,青年はスリーパーを脱ぎ,普段通りの服に着替える。
脱いだスリーパーはどうしようか迷ったが,綺麗に畳んでベッドの上に置いておいた。

それから青年は,リビングへと向かうだろう。

クローデット > 「…それでも、しっかりお休みになられたようで何よりでした」

寝室を出る前、クローデットは楽しげに笑う青年にくすりと笑みかけていた。

結局、青年が手伝うほどの手間はほとんどかからなかった。
バゲットはもう切ってあったし、ジャムもバターも瓶を冷蔵庫から出すだけで、丁度良い大きさにスライスされたチーズも既に皿に乗っている。
シリアルはもう箱がテーブルに出ているし、牛乳も冷蔵庫から出すだけだ。

クローデットがすべきことは、ダイニングキッチンの二人がけテーブルの上にそれらとカトラリーを並べて、整え、紅茶を淹れることだけだ。

「…準備が整いましたので、こちらへどうぞ」

青年が隣のリビングに降りてきていたのに気付いていたのだろう、青年が降りてきてから、クローデットの声がかけられるまで、ほとんど時間はかからなかった。

ヴィルヘルム > よく眠れたのは,きっと,クローデットのお陰だろう。
それを貴女に言っても仕方ないと思うし,恥ずかしいとも思う。
でも,クローデットが“受け止めて”くれなかったら,眠れない夜を過ごすことになっていただろうから。

貴女が声を掛ければ,はーい!と元気な声が返ってくる。
そしてダイニングキッチンへと進み……青年にしてみれば,とても充実した朝食を見て,目を輝かせた。

「…結局なにも手伝わなくてごめんなさい。」

青年はそう言って,申し訳なさそうに頭を掻く。

クローデット > 「お気になさらないで下さい…ヴィルヘルムは「お客様」ですもの。
お好きなものをとって、お召し上がり下さいね」

そう言って、たおやかに微笑む。
席には皿が並べられているので、青年は支障なく好きなものをとって食べることが出来るだろう。

クローデットは、最後に二人分の紅茶を注いでそれぞれの席に置くと、自分も席に着いた。

ヴィルヘルム > 貴女が微笑んでくれれば,青年も明るい笑みを返す。
けれど“お客様”という響きは,どこか距離がある感じがして,あまり好きになれなかった。

席について,対面する席の貴女に視線を向け…

「……いただいきます。」

…小さくお辞儀をしてから,バケットに手を伸ばす。
もしかしたらお腹が空いていたのかもしれない。さっとバターを塗って,齧りついた。