2018/04/04 のログ
ご案内:「校舎裏庭」に鈴ヶ森 綾さんが現れました。
鈴ヶ森 綾 > 昼、学園に授業終了の鐘が鳴る。
それにほんの一呼吸遅れて、廊下に生徒達の姿が溢れ出る。
皆思い思いに談笑し、昼食を取るために移動していく。

そんな人波に混ざって購買でパンと飲み物を買った後向かった先は、校舎の裏手に設けられた裏庭。
裏庭とは言っても日当たりは良く、芝生や花壇、水路にオブジェのついた噴水まであり、ちょっとした公園といった様相だ。

幾つか置かれているベンチの一つへ腰を下ろすと、隣に購買のビニール袋を置いて小さく伸びをする。

鈴ヶ森 綾 > 降り注ぐ日差しは暖かで、見上げた空は青く抜けるようだ。
ほんのひと月前はまだ肌寒く、ここで昼食を取る生徒の姿は疎らだったが、
今はざっと見ただけでも先客のグループが三つ程、平和なランチタイムに興じている。

「…………あぁ、いけないいけない。」

目を閉じて水の流れる音などを聞いているとついうたた寝してしまいそうになる。
気を取り直すと隣に置いた袋をガサガサと漁り、中から紙パックのカフェオレとたっぷりの生クリームにフルーツが挟まれたサンドイッチを取り出す。
それぞれの包みやストローの封を剥がして準備を整えると、まずはフルーツサンドを一口。
キウイ、オレンジ、苺。甘酸っぱい果物とクリームの味わいは大変に舌を喜ばせてくれ、人知れず頬を緩ませた。

鈴ヶ森 綾 > そうして一頻り果物とクリームの調和を楽しんだ後、これまた甘いカフェオレで喉を潤す。

甘い物はいい。
真っ当な人間らしい食事は基本的に不要で、そういった物を食べるのは趣味でしかないが、中でも甘い物は格別だ。

「とは言え…。」

咥えていたストローから口を離し、少し離れた所の芝生に陣取る三人組の女生徒を見やる。
言葉を交わしながら楽しげに箸を動かす様、時折見せる笑顔、制服のスカートから伸びた足。
そういった物を見ていると、もっと別の欲望を満たしたくなってくる。
些か見境がなさすぎるだろうか。自重するように視線を彼女たちから外し、ふっと小さく息を吐く。

鈴ヶ森 綾 > そも、学園の敷地内であまり大っぴらな真似はできない。
面倒な事になればいつものようにこの地を去れば済む事だが、今はまだその気もない。
今暫くは、一人の学徒として過ごすつもりである。

そんなような事をつらつらと考えながら、その日のランチタイムは過ぎていくのだった。

ご案内:「校舎裏庭」から鈴ヶ森 綾さんが去りました。