2018/08/15 のログ
ご案内:「病院/個室」に古城 桜虎さんが現れました。
古城 桜虎 >  
 歓楽街付近にある病院の個室。
 物々しい機械や点滴に繋がれ、かつ足を拘束されている少女がとても退屈そうにスマートフォンを弄っている。

「なにもここまで固めなくとも。
 変な趣味に目覚めちゃったら困りますのに……なんて。」

 ぼやきながら天井を見上げる。
 堅苦しい天井だと思いながら、これまでの事を思い返す。

 1、落第街でパンデミックに感染した"スラムの大賢者"と遭遇、交戦。
 2、該当個体は知能を維持し、能動的に魔術を行使し破壊活動を行っていた。
 3、何とか制圧するものの、パンデミックの"自爆攻撃"を至近で受けてしまった。
 4、……どうにか生き延び、通りすがりの教師の手を借りて病院に到着。

「5、そして素直に事情を話したらごらんのありさま、です。」

 盛大な溜息と共に天井から足へと視線を下す。
 がっちりと拘束されている。

 ……"万が一"を危惧している事は分かる。
 分かるのだが、それでも拘束されている状態は快いものではない。
 

古城 桜虎 >   
「高度な魔術を扱う個体が出てきた以上、
 知性やタフネス、あるいは擬態に優れた個体ならそれらを維持するかもしれない。」

「……確か、そう言われちゃうと拒否出来ませんし。」

 スマートフォンの持ち込みを許可されている事は不幸中の幸い。
 そう言わんばかりにひたすらスマートフォンを弄りまわして暇を潰す。

「ま、検査と治療が終わるの待ちますよー、です。」

 ……退屈そうだ。
 

古城 桜虎 >   
「……暇です。」

 ぼやく。
 スマートフォンを弄りまわすことにも飽いてきた。
 ゲームもやると言えばやるものの、日課として興じるようなものがある訳でもない。

 幾らかのアーケードゲームをダウンロードしてプレイすれば飽きが来る。その程度の嗜み方だ。

古城 桜虎 >  
 スマートフォンを置き、思索にふける。
 ……そもそも、どうして落第街で発生するようになったのだろうか?

 転移荒野から落第街まではそれなりに距離があるし、
 二点を結ぶ経路での出没報告は今のところ聞いていない。

「妙と言えば、妙なんですよねえ……。」

 転移荒野──未開拓地区と落第街の位置関係は"端と端"だ。
 海洋を辿り、ぐるりと外周を迂回して上陸した可能性はある。
 あるが、それにしたってピンポイントが過ぎる。

「……偶然ないし落第街の何か引き寄せられた可能性は否めませんが、
 人為的な行為のセンの方が現実的、ですよねえ……。」
  

古城 桜虎 >  
 とは言え、考えても答えの出ぬ話。
 "スラムの大賢者"の身分足り得そうなものは医者を通じて委員に引き渡し済みであるし、
 地に足のついた捜査は各委員が主体となって行うだろう。

 故に考え過ぎても仕方ない。
 ……考えることを止めれば再び退屈が襲ってくる。

 やや間抜けそうに、ぼやんと口を開けた。
 欠伸だ。

「ふぁ……」

古城 桜虎 >  
 ぼんやりと微睡んでいると、
 ふと、妙な考えが思い浮かぶ。
 眠い時にはよくある事だ。

「……にしても……パンデミック……
 "生体兵器"も対象になるんですかねえ……」

 思いついたことをそのままぼやいた。

 ……先ほどまでやっていたスマートフォンゲームがそんな感じのものを題材にしていた気がする。
 そのゲームではひらがな4文字の略称で語られていた気もするが、割とどうでもよいと思えば思考の隅に置く。

「ふぁあ……」

 再度の欠伸。
 退屈もあるが、疲労もあるのかもしれない。