2015/06/04 のログ
ご案内:「水族館」に『室長補佐代理』さんが現れました。
ご案内:「水族館」に五代 基一郎さんが現れました。
『室長補佐代理』 > 観光地にある、ごく普通の水族館。照明の抑えられた館内の一角。
巨大な水槽の前で、奇妙な面の魚を見ながら、男は佇んでいた。

五代 基一郎 > その魚の目を覗きこみながら思う。
魚というのは気楽なものだ。先に見た彼女の瞳とは違い。
どこにいようがどうでもいいような我関せずのような目をしていやがる。

『室長補佐代理』 > 「公安も知っての通り内情は複雑でね。どこの部署も機密の共有はされてないのが現状だ。その構造的問題が組織運営上の怠慢ではないかと言われれば、まぁ、全く以てその通りなんだが……実際のところは色々と都合があってね。なぁなぁで生徒会も含めて黙認しているのが実状だ……おい、アンタ、聞いてんのか?」
五代 基一郎 > 「その代償が今起きてる異能暴走誘発の薬物騒ぎってところだろ」

気のない振りをしながら重要な点は聞き逃さない。
食事に集中しているようで話を聞いては要点だけを答えて返す。
それを当然とばかりに行う……この男の特技の一つであった。

『室長補佐代理』 > 薄笑いを浮かべたこの公安の男は、常に相手の目を見て喋る癖がある。
だが、こちらのすっとぼけた顔の風紀の男は、逆に相手の顔を見ないで喋る。
いずれにせよ、話を聞いていることが確認できれば、お互いに視線は交わらないまま、会話は続けられる。
「『下手人』の思惑はともかくとして、お陰様でどっちもこっちもキナ臭い話で持ち切りだ。一応、今はいつまで経っても玉虫色の返答しか返さない公安委員長に対して、風紀委員会が痺れを切らした形に収まって各々対応してはいるが……それだって強行調査の判が押されるまでにはまだ時間がある。その時間をコソコソ活用したがっていることだけは、皮肉にもどこの部署も同じだ。風紀も公安も……いいや、非合法部活も含めてな」

五代 基一郎 > 「機能していると言い難い治安維持機構。二重構造ならまだしも、根本的機能は近しいが独立してやっていたもんだから今となっちゃ二股に分かれた蛇が互いの首取らんがために暴れている無様な格好なわけだ。
絡まった体解くのに刃物が必要になった状況自体ただでさえ悪いってのに、その刃物入れることすら時間がかかってるんだ。
周りの悪知恵働く連中はこれ幸いにもうとっくに動いてるさ。学園内部の組織だけに限った話じゃないでしょ」
ここに集まった男二人互いの目を見ることなく奇妙な面した魚を見て誰ともなく喋り
奇妙なことに成立している会話を続けている。それでなくとも男二人水族館で談笑などいくら薄暗いとはいえこの二人自体のまた奇妙そのものだった。