2015/06/24 のログ
ご案内:「《サイバーアレクサンドリア大図書館》」に食屍鬼さんが現れました。
食屍鬼 > ――俺は認識する

無機質な緑のワイヤーフレームで創りだされた空間を

――俺は認識する

その中に存在する俺自身を
電脳空間に存在する仮想空間、食屍鬼と名乗るハッカーは、《大電脳図書館》の巨大な門の前に居た。

食屍鬼 > ここは俗に《サイバーアレクサンドリア大図書館》と呼ばれる空間、そこに収められた膨大なデータ量からそう呼ばれている。
もちろん学園関係者どころか、正規の住人ですらない食屍鬼にそこに立ち入る権限はない。

食屍鬼 > いつか侵入してやる、だが今じゃない。
食屍鬼の目的は門ではなかった、その脇に仕掛けられた、小さな小さな《スプライト(自動プログラム)》
「さぁ、仕事ぶりを教えておくれ、お前は何を見たのかな?」
門を通った、あるいは通ろうとしたデータを監視するように設定されたそれを回収し、その蓄積データを読み取る。

食屍鬼 > 有象無象のハッカーが24時間ひっきりなしに門に触れ、そして撃退されたことを示していてる。そして時折正規のアカウントが通過していったこともわかる。特に収穫はなさそうだ、と食屍鬼が諦めてまた設置しなおそうとしたその時。
「ン……?」奇妙な、空白。

食屍鬼 > ほんの僅かな時間だけ、なんの痕跡もない期間がある。それは偶然出来ただけかもしれないが、不定期にその後何度か続いている……。
考えうる可能性はいくつかあるが、一番ありえそうなのは、誰かが完璧に痕跡を消している。ということだ。

食屍鬼 > それも、最初は数日に一度ずつだったが、その後2回ずつになっている。2回痕跡を消しているということは、入って出てきているということか?
「オーイェー、面白いじゃねぇか。俺が見てないうちに誰に股開いたんだこの阿婆擦れェ。」笑いを噛み殺す。

食屍鬼 > 「クックックック。誰だか知らねぇが、いい腕してるじゃねぇか。」
この高度な規制の敷かれた空間でハッキングの痕跡を完璧に消すなど、自分でもそうそう出来るものではない。相手は相当の腕前だろう。ヤバい級だ。
もう一度《スプライト》を仕掛け直し、食屍鬼はまだ見ぬ凄腕のハッカーへ、挑戦意欲を燃やしながら、痕跡を巧妙に消すと、電脳空間を立ち去った。

ご案内:「《サイバーアレクサンドリア大図書館》」から食屍鬼さんが去りました。