2015/07/30 のログ
ご案内:「常世港・第三埠頭」に緋群ハバキさんが現れました。
■緋群ハバキ > 夏の日差しは熱線めいた暑さで、水面できらきらと跳ね返る陽光は目を灼く危うさすら秘めているように思える。
太陽が登り切る午前中だというのにその不快指数は並大抵の事ではない。
むっとする気温に混じる磯の香りもまた、この季節の釣り客の少なさに拍車を掛ける。
わざわざ非番の午前中に訪れたというのに同好の士をあまり見かけないのはこういうことか、と少年は得心していた。
同僚であるエルピスが回収してくれた釣り竿と竿受けが無事に自身のもとに送り届けられたのは良いのだが、こう暑くては魚も動きたくは無いというものだろう。
自然、傍らに汲んだ海水で満ちたバケツの中身も空のままである。
「あっちぃ……」
口にした所でマシになるものでもない。が、この暑さに対する不平はそんなつもりが無くとも口の端から漏れるもの。
事前に買ってきたアイスコーヒーはまたたく間にぬるくなり、それでも熱されたアスファルトが陽炎を揺らめかせる埠頭では、貴重な水分なのであった。
■緋群ハバキ > 竿を引き上げ、仕掛けの針に餌を付け直しながら、思う。
こんな事ならエアコンの効いた室内でごろごろして居れば良かった、と。
だが、そんな後悔は後の祭り。心なしか動きの鈍い生き餌のイソゴカイを適当に千切って針に刺し、再び海面へと放る。
ぽちゃん、というささやかな着水音の後に浮かぶウキを確認すると、少年は持ってきた折りたたみ椅子へと尻を落とす。
無事とは言えないながらも試験は終わり、ロストサインやフェニーチェを巡る一連の騒擾の事後処理に関わる書類の量も減少傾向にある。
そんな中での折角の休みを、無為に過ごす事に抵抗があった。
故に男子寮の自室に揃えた釣り道具一式を担いでこのクソ暑い中第三埠頭までやってきたのだが。
「……はぁ」
疲れたようなため息。
それは現在の我が身を省みての自虐のものでもあるが、同時に――
■緋群ハバキ > 常世学園に入学する二年ほど前、未だ十代前半の頃。
少年は己が他者に語る通り、日本は三重県の山奥に住んでいた。
同年代と言えるのは腹違いの妹のみ。学校生活といえば、二人しか居ない分校の教室で、定年間際の老教師に基本的な教科を教わる程度のものしか、知らない。
その他様々な教育と訓練は”里”の大人たちが施してくれたが、そこに学友は居ない。
――要は、少年は歳相応の娯楽というものを知らないのだ。
釣りにしても、この島に来てから出来た顔見知りに薦められたから始めた。
様々な仕掛けがあり、様々な選択肢がある。
その中から己で選んだ手段で魚を釣り上げるという充実感は、少年を虜にするに十分であった。
それは、釣りに限らない。
少年にとってこの島で触れるものは、知識としては知っていたとしても実感として与えられるのは初めてのものばかりで。
何よりも年の近い学友との交流とこそ貴重であった。
見るもの全てが輝いて見えるというのは、こういう事を言うのだろう。
「……今度誰かに、こういう時何すりゃ楽しいか聞いとかないとなぁ」
ぼやくように呟き、缶コーヒーに口をつける。
それにしても、ヤケクソに暑い。
■緋群ハバキ > 歓楽街とか行けば夏に相応しい娯楽があったりするのだろうか。
というかもうエアコン効いてる場所ならなんでも良い気もする。
暑さで弛緩した思考は現状からの逃避を求めはじめる。
いやいや折角来たんだから一尾ぐらい、という僅かばかりの期待も、遠からず崩れ去るだろう。
昼前だし。お腹空いてきたし。
暑いし。釣れないし。
「あぁぁぁぁ……」
帽子の下にじっとりと滲む汗すら不愉快に思えてきて、唸り声を上げながら少年は頭を抱える。
最近設置された「巨大軟体生物にご注意を!」などという看板すら己を嘲笑っているように思えてきた。
というかあのタコっぽいイラストはあの時のアレのつもりなのだろうか。
居合わせた美術部の少年が描いたものの方が余程それらしい。
少なくともアレはなんだか不条理極まりないあの時あの瞬間を切り取り、描き出していた。
■緋群ハバキ > こらえ性無く再び竿を上げれば、相変わらず針についたままのイソゴカイの破片。
ここから午後を超えれば魚の活性はさらに落ちる。今日は釣りをするような日ではなかったという事だろう。
「どっかで飯食って帰るかぁ」
半眼でそう言いながら、仕掛けを仕舞っていく。
暑い中無駄足を踏んでしまった形になるが、それもまた仕方ない。
寂しく陽光を照り返すのみのバケツの海水を海へと撒けば、きらきらと光って落ちるのもなんだか虚しい。
帰り支度を整え、最後にタッパーに入ったままだったイソゴカイに視線を落とす。
うぞうぞと蠢く彼らもまたこのまま持ち帰った所で家に帰り着く頃には皆屍を晒す事であろう。
それはどうにも忍びない。
「そーれ」
だから、彼らも埠頭から海へと撒いた。
強く生きろ。
と、その瞬間――
ご案内:「常世港・第三埠頭」に服部ローニャさんが現れました。
■服部ローニャ > 日がこの島をじわりじわりと生殺しにしているのではないかという程の暑さの中、ローニャはこの埠頭に現れる。
何故、こんな暑い中で、かつ夜型のローニャがこんなコンクリートで太陽の罠に嵌るかのように現れたかといえば、
バイト先から遠回しにクビ宣言を受けたからである。
それでもってとりあえず食料を自給するべく、簡単だが、釣り道具一式を揃え、この暑い中埠頭に現れた
そもそも釣りの知識といえばミミズを垂らして引っ張ったら釣り上げる、
という程度の知識しかないローニャには昼から魚の活動頻度が下がる事なぞ知る由もない。
一先ず誰かにどの辺りが良く釣れるかを聞く訳だが……目の前の朱いマフラーが目立つ人物に尋ねる事にした。
「すまない、この辺りで良く魚は釣れるだろうか…?」
イソゴカイを海に撒いている行動については全く理解出来てない故の一言である
■緋群ハバキ > 不意に掛けられた声に振り向けば、制服姿の女の子が一人。
自身と同じように釣り道具を携えており、一目で同じく太公望を決め込むつもりだと分かるが――
「ん、んん?
あー……残念ながら今日は全然だねぇ」
質問からすれば、きっと釣り初心者なのであろう。
そう判断した長身の少年は、しかし無慈悲にそう返す。
うだるような暑さの中被っていた帽子を脱ぎ、うちわのように扇いでため息を一つ。
「この時期は魚も暑くてヘバッてんだよね。人間と一緒だよ。
昼過ぎたらもっと動きたくねーってなる訳で……午前中からやってるけどあんまりにも釣れねーし暑いし、今日は帰るかなーってトコ
今からってのはあんまオススメはしないかな。干物になっちゃうよ」
■服部ローニャ > 「ぬお、左様であるか。
となると他の場所から食料を確保するべきか…」
最初から考えていたプランが窓ガラスが割れて地面に落ちていくかのように崩れ去っていき、
思わず膝を地面につきそうになるがこの時期のコンクリートの床は熱い。梟とはいえ焼き鳥になりかねない。
「むぅ、拙者は梟故、なるならば干肉と言った所じゃろうな」
あまりに暑いからか、ため息を一つついて気分を軽くする為にも見ず知らずのヒトにも関わらず軽口を叩く
実際に暑いのだから人一人どこか干物になっていたとしても何らおかしくない暑さなのだからこれぐらい言わないと気が済まないのだろう
「あまり期待出来ぬともなると…今日は大人しく帰るとするかのう…途中まで一緒しても宜しいか?」
どうせならばこの縁を無駄にしたくない、と言った気持ちの現れだろうか帰り道、駅までかそれとも近くにある家までついてくるつもりだ
■緋群ハバキ > 「……え、何自給自足の為の釣り!?」
今にも膝から崩れそうな少女に驚いた声を上げ、袖から覗く羽根にへぇ、と吐息が漏れた。
やっぱ鳥っぽい異邦人の人は魚が好みなのだろうかなどと思考が掠めた所で、梟という身の上。
それにしても風貌と大時代的な口調のミスマッチがどこと無く似合う風情に、くすりと笑う。
或いは軽口に少しは心和んだという事でもあろう。
「干し肉は勘弁だね……いい時間だし、折角だから飯でもご一緒ってのはどう?
お互いこのクソ暑地獄でお喋りってのもしんどいでしょー」
後始末の終えて肩を竦め、自身よりも随分低い視線にキメ顔でウィンクしてお誘いする。
尚、ウィンクはわざとらしすぎるものであった。
■服部ローニャ > 「うむ!…うむ。
自給自足というよりは新しい仕事を見つけるまでの繋ぎと言った所だからそこまでめり込む気はないのじゃがな」
元気よく返事を返す。
元気というのは大事な要素であり、ヒトが生きる為のモチベーションのようなものであるから
ローニャは元気であることを重要視するのである。
ただ、その元気も暑さによって削れつつある言わば3分間しか大きくなれないヒーローと言った所だろう
「ご飯にありつけるのならば良いのじゃが…
うむ、まだ余裕がある故参ろうか…そなた…あ、拙者は服部ローニャと言う者じゃ。宜しく頼むぞ」
念には念を込めて財布の中身を確認して、まだ中身があることを確認するとあっさりご飯を誘いを受ける。
■緋群ハバキ > 段々と落ちてくる声のトーンにさもありなんと苦笑い。
体力があってもこの暑さはキツい。その中で元気を保とうという努力は、それだけで真っ直ぐな性格を連想させる。
財布の中身を確認する彼女に、ああいや、と手を差し出しながら。
ささやかな元気へのお礼になるかなと思いながら応えを返す。
「俺は一年緋群ハバキ、16歳彼女ナシ好きなタイプは年上巨乳ー。
バイト、今探してるトコなんだろ? 俺に奢らせてよ」
埠頭にアクセスする駅への道を歩きながら、要らない情報を交えつつ自己紹介。
人好きする笑顔でそう提案する様は、お調子者のお人好しという雰囲気が滲み出しているかも知れない。
「フクベ・ローニャちゃん、かー。
在留二世さんとか、かな?」
異邦人もこちらの世界へと移り住み、子を為し定住を志すものも増えて久しい。
日本近海であるという地理条件も併せ、この島には日本風の名前の異邦人、或いは在留異邦人二世も少なくは無い。
■服部ローニャ > 「キョニューというのはあれか!こう、噂に聞くボンッキュッボンってやつじゃな!
拙者知っておるが、あの体形はとても動きにくそうじゃからあまり好きではないぞ」
外の世界から知った物とはいえ、覚え方が明らかに雑であるが、大凡間違ってはいないだろう。きっと
奢ってもらえると聞けばバンザーイと文字通り万歳をして喜んでいる
「あいや、家族は元の世界におって、この苗字はこの島を取り仕切っておる財団?に直接交渉して貰ったのじゃ。
勿論、この服部の名は《ニホン》の国のあの忍者の名から勝手に貰ったぞ」
直接財団本部に乗り込んで交渉した所何故かすんなりと了承を貰ってこの苗字をつけてもらった時のことを思い出す。
今思えば何故こうもすんなりと苗字を貰えたのか、中々不思議ではある
■緋群ハバキ > 「そうそれ!!
マジもんの実力者は胸にハイパー兵器ふたつ提げてても十二分に動けるものだということを俺はこの身で知ったのだよローニャちゃん。
いやさぁ、無駄な肉だなんて馬鹿にしてたさ。
がねェ?
いやぁ、味わい深かったって感動したぁ……」
そう言いながらワキワキと手を蠢かす様は不審者一歩手前であるが、悲しいかなその瞳は感動という己の言葉に忠実に澄み切っていた。
脳裏に浮かぶのは憧れの先輩との模擬戦の際、無駄のない動きを全く妨げる事の無かった豊満な双丘である。
それはさておき
閑 話 休 題。
「へぇ。んじゃ門くぐってこっちに来たんだ。
んじゃローニャが本名でフクベはこっちでの苗字って事で……」
ふむふむと頷きつつ、続きを促せば。
なんだかちょっと、自分とニアミスした話題があったような。
「へ、へぇー……俺も日本出身だけどさ。フクベ……
ゆ、有名だもんねハットリハンゾー」
別に自分の出自を言い当てられた訳でもないのに、脂汗がたらり。
見えてきた駅への道のりが遠く思えて、なんとか話題を逸らすのが正解か、と自問自答する。
■服部ローニャ > ハバキの一言一言をホウ、ホウと梟が鳴くように頷きながら男の好みというものを理解していく。
どちらかといえば、性的な意味ではなく
こちらの世界の一つの《文化》として自分の頭に刻みつけていく。
ただ、あまりの話のレベルの高さの為に所々演説の内容が抜けてしまっていたため、全ては覚えきれなかったようだ
「そうじゃな。今の使える異能が発現してからこちらに来る決意が固まったようなものじゃな」
「…ふむ?フクベ・ハンゾーかと思ったのじゃが、違ったのか…拙者の勉強不足であったな。
まだまだ修行不足だったのう…」
話題を逸らされたとは気付いていないらしく、その話題に全力に乗っかって行くが、今衝撃の事実が明かされ、落ち込んでしまう
ただ、単純に漢字を読み解く力が無かっただけでで修行不足というよりは勉強不足というのが正しいだろう
■緋群ハバキ > 少し、気になる言葉が耳から入って来た。
【『異能が発現して』『こちらに来』た】
それは恐らく異邦人であるローニャ本人にとってはどうという事も無いのであろうが、『門』が開いてより異能者が世界の表舞台へと現れ始めた『こちら側』の人間にとって、その順番が持つ意味は――
思考は一瞬。
この場で問うた所で、望む応えが返ってくる訳でもあるまい。
戸惑わせるばかりというのは望む所ではない無粋であった。
故に笑顔は崩さない。
別の意味で崩れそうな気もするが些細な事である。
「ま、まぁゆっくり勉強してけば良いじゃん? フクベって姓もあるしね?
それに、漢字って難しいし……」
それにしても忍者とは異世界にまで名が知れたものか、と胸中で思い、嘆息。
気づけば駅の改札はすぐそこである。
「さて、と。
ファミレスで良いかな。女の子に奢るって割には安くて申し訳ないけど」
■服部ローニャ > 「うむ。実際にこの学園で現在進行形
こちらの《英語》で言うなればIng?で勉強中だからの。」
馬鹿の一つ覚えなのか、昨日か一昨日辺りで習った現在進行形の言葉を早速使う少女の姿がそこにあった。
きっとローニャなりにちゃんとしっかり勉強している、という形をアピールしたかったのだろう。
それでも成績は決して良い訳ではないため、成果も結果も何もないのだが
「あいや、一飯之恩に授かる身故、ハバキ殿の選択に何も口を挟む事は出来ぬ。」
これも最近勉強した四文字熟語なのだろう、やはり馬鹿の一つ覚えらしく、
使うが使い方的には少しズレているのは気にしてはいけない。
ハバキの後ろをついていきながら当然のようにうむ、と頷いてハバキの顔を見る。
どちらかといえば身長差から言えば見上げるような形になる訳だが、やはり身長の高い男を見るとローニャは
(肩に乗りたい…)
馬鹿とローニャは高い所がやはり好きであった
■緋群ハバキ > 「Learning、だねぇ。
勝手も色々違うだろうけど、そん中でこっち世界の事を一生懸命勉強してくれてるってのはさ。
嬉しいもんだねー」
高い位置からにも関わらず、あまり威圧感が無いのは少年の雰囲気が大きいのだろう。
言葉通り嬉しそうな笑顔は、人に良く馴れた大型犬を連想させる、という評判も多い。
「む、難しい言葉知ってるなー……!」
そして彼もまた馬鹿にカテゴライズされる人種である。
覚えたばかりの四文字熟語を使いこなすローニャの実力に感嘆しながらも、その視線の先に気付いて、首を傾げ。
「……ん、んん??
じゃ、行こうかぁ」
タッチ式の改札にパスケースを押し付けつつ、寝癖とか立ってんのかな……などと心配になって髪を直すのだった。
ご案内:「常世港・第三埠頭」から緋群ハバキさんが去りました。
ご案内:「常世港・第三埠頭」から服部ローニャさんが去りました。
ご案内:「ドリームランド」にビアトリクスさんが現れました。
■ビアトリクス > デッサン講習会から帰宅して、男子寮のビアトリクスの自室。
荷物をベッドの上に放り、衣服を緩めてリラックスした体勢に。
習慣的な動きで、デスクトップPCを起動する。
立ち上がるまでの時間で、部屋着へと着替える。
ブラウザを立ち上げる。繋ぐのは『ドリームランド』。
島民の多くが利用するSNSだ。ビアトリクスも登録している。
情報集積とそのフィードバックにより高い利便性と価値を生み出すSNSだが、
ビアトリクスはその機能を活用しきれているとは言いがたい。
■ビアトリクス > ローカルフォルダに置いてある画像ファイルを、
ブラウザにドラッグアンドドロップ。
コメントを適当につけて、クリック。送信。
『今日の一枚』と題されたイラストがSNSにアップロードされた。
ビアトリクスは基本、定期的に自分の描いたイラストを公開する場所としてしか使っていなかった。
SNS上のフレンドや交流は少なく(というかほぼない)、かなりストイックな使い方だった。
たまになんか勝手に流れてくる天気予報情報、鉄道運行情報などを参考にするぐらいだろうか。
……
ぼんやりとSNS上の情報を眺めて過ごしていると、あるホットな話題とやらがポップアップで飛び込んでくる。
(この通知機能うっとおしいな……切れないのかな……)
トコトコ生放送で『ホシノカミ』の放送がはじまったらしい。
■ビアトリクス > 「…………」
URLをクリック。別のタブで開く。数秒の読み込み時間。表示される配信画面。
再生され始めたのを確認して、閲覧していた別のタブに戻る。
『ホシノカミ』。ドリームランドの運営者。美少女。自撮りスト。
前に一度彼女の放送を眺めた時は三十秒ぐらいでそっとタブを閉じてしまった覚えがある。
なんか見るのがつらかった、とビアトリクスは供述している。
そのときクリックしたのもほんの気まぐれにすぎないのだが。
ネット巡回のBGMぐらいにはなるだろうと思って。
「えっ…………」
嬌声のようなものが聞こえはじめたところで、真顔になって配信タブをクリック。
「……」
すごい配信がなされていた。
■ビアトリクス > 「…………」
我に返る。
慌ててスライダー状のUI、その端をクリックして操作。無音状態になる。
間違えて成人向け広告をクリックしてしまったのだろうか?
二度見。
別にそんなことはなく、タブの名称と配信の解説が、ホシノカミの放送であることを示している。生。
(本当にホシノカミか……? ホツノカミとかじゃなくて……?)
嫌な汗が流れる。なんだよこれ。どう反応すりゃいいんだ。
ご案内:「ドリームランド」にヨキさんが現れました。
ご案内:「ドリームランド」にヨキさんが現れました。
■ビアトリクス > クリック。コメントを表示。
すさまじい速度で上から下、右から左へ流れる視聴者の発言。
そのどれもがこの異常な放送に熱狂し発情していた。
それをビアトリクスはうっかり地獄の蓋を開けてしまった表情で見ていた。
ドン引きである。
エロいだのもっと脱げだの勝手な煽りに混じって、流れてくる発言。
『でもホシノカミって男じゃなかった?』
『そうなの?』
『でも別にいいよね』
『検証URL → www.xxxxxxx ~』
「…………うわあ」
頭を抱える。吐き気がしてきた。