2015/08/12 のログ
■『アリアンロッド』 > 「もちろん借りる手としての意味合いもございますわ。このところ多少人手不足なものですから」
自分を嗤う相手へ、目を細めてにっこりと笑顔を作る。
「ですがそうではございません。病室でもお伝えしたはずです。
貴女には『因果』が存在いたします。そのナカに鳴鳴がいたという。
予測・対策と言っても地震や天気のように測定され、統計され、計算されるわけではございませんから、
“不条理”なものを、捉えねばならないのです」
誤魔化すことは許さないと、笑みを刺していく。
「貴女方が言うには鳴鳴は滅したということでしたが、本当にそうであるのか証拠があるわけでもございませんし、
もし彼女は全て滅んでいたとして、
――――“まだ残っています”からね」
■『スパルトイ08』 > 「『因果』……。儀式めいた手段を使っているということでしょうか、私の中にあった痕跡から、それに関わる存在を探ると。」深まる相手の笑みに、両手を固く握る。閉じたまぶたに力が入る。落ち着かせるように、静かに息を深く吸って吐いた。
「残っているというのは……ロストサインですね。最近マスター連中が活動を再開しているとか、鳴鳴から聞きました。」目を開かない、頑なに閉じたまま答える。
「つまり、こうですか。単なる人手としての人員ではなく、私の『因果』はロストサイン残党の動きを探るのに使えると。それなら好きにどうぞ、断る理由もないし、宣誓《ギアス》のおかげでその権利もないですからね。」目を閉じたまま鼻で笑う、笑っているのは自分自身をか、あるいはそんな手段を取って人をモノのように扱う組織か。
■『アリアンロッド』 > 「そういうものもございますし、もっと単純に……一度あったことはまたあるかもしれない。
ただそれだけの事ですら理由になるということですわ。
コトワザ……あれは二度あること三度ある、でしたかしら?
ま、『門』の不確定性の前には、という」
笑いがやや苦笑じみたものに変わり、そして相手から名が出れば頷いた。
「私も資料を見た程度しか知りませんので、なんとも申せませんけれど。
最近確認されているのはウェインライト、東郷月新、ザデルハイメスあたりでしょうか。
それぞれの目的が何かは不明ですが、逆に鳴鳴と同じような狙っていないとは限りませんし。
そういった相手に貴女が会う時、相手は貴女に用なんて無いかもしれませんし、貴女も相手にできることは何もないかもしれません。
それでも、何かがなるかもしれない。
ならないかもしれない。
しれない、しれない、しれない……」
同じ言葉を繰り返し、にぃーっと口角を上げる。
「無意味だと思われますか?
不毛なことをしている。その為に貴女のように人をモノのように扱い。
無駄なことをしている。必要ない。
そう、思われますか?」
首を、横に倒す。がくりと、大きく。
■『スパルトイ08』 > 不気味に上がる口角、不吉に倒れる首を、目を閉じたままでも感じたか、握る手にさらに力が込められ、白くなる。何かをこらえるように、震えるほどの力で握りしめて、話を聞いている。
相手が話終わったと見るや、静かに、だが大きく息を吸う。
「全てが仮定でしかない話ですね。
私が役に立つかもしれない、私とロストサインが出逢えば何か起きるかもしれない。
まるでいんちき占い師だ、曖昧模糊とした言葉でしか未来を予言しない。
予測のし過ぎで頭がおかしくなりましたか?
そんな巫山戯た話に付き合わされていると思いと、情けなくなりますね。」一息に言い切った。目はやはり閉じている、決して開くまいと固く閉じられている。
■『アリアンロッド』 > かつ、と床が鳴った。
「そうですわね。
だって仮定ではなくなった時には、それはもう済んだことになってしまうのですもの」
かつ。
「たとえばついこの間、転移荒野から超音速戦闘可能な10メートルを超える人型兵器が門を越えてきておりますわ。
搭乗者の方は風紀委員に入られたそうで……大変よろしいことですね」
目を閉じたその耳に、床の音がどんどん近づく。
「たとえば貴女が鳴鳴の消滅を見届けた時、同じ転移荒野の端では、生活委員たちが門から侵攻してくる異形を押しとどめました。
ご苦労様なことだと思われませんか」
顔に息がかかるほど。
「貴女のナカに一度入っていたものを、貴女はお忘れになったのでしょうか?」
指が少女のまぶたに触れた。
ゆっくり押し開こうとする。。
燃えるようなオレンジの瞳で覗きこみながら。
■『スパルトイ08』 > 足音と声が近づいてくるに従って、息が浅く早くなる。
「…………。」唇を噛み、覚悟したように押し黙る。
「…っ!」指がまぶたに触れれば、びくりと肩を震わせた。一瞬後ずさりするように足下がるが、踏みとどまる。まぶたの力だけでは対抗できず、ゆっくりと押し開かれる。
「……わ、私に……何を…求めているのですか。」怯えきった瞳が中から覗いた。声も震えている。
■『アリアンロッド』 > 「もちろん、貴女が私達の務めを良くご理解してくださり、好くご協力していただけることに決まっているでしょう?」
言って、一歩二歩身を引いた。
自身の格好を示すように腕を広げる。
「そういえばお伝えしておりませんでしたが、わたくしはこの島に来る前は一種の退魔兵器として“投入”されおりまして。
貴女はご存じないのでしょうけれど、島の外でも、色々な事態(コト)が起きておりました」
そこで息をやや強めに吸った。
聖歌のように、詠う。
“世界の秩序はあえなく崩壊し、世界は暗雲に包まれた。
「魔術」や「異能」を巡る混乱と争い、神話や伝説上の存在たちの脅威、そして異なる世界からやって来た来訪者たち。
多くの戦争が起こり、多くの血が流され、その混乱は止まるところをしらなかった。
新世紀にして、世界は世紀末の、黙示録の時を迎えたかに見えた。”
「わたくしが生まれる数十年前のお話ではありますけれど、未だにその火は消えておりません。
二年前ですら花の都(パリス)は血を受けた聖杯(カリス)になりかけましたし……ああ、お分かりになりませんよね」
笑う。
「いんちきで、巫山戯ていても、その務めがどれほど大事かということを
そしてそれが善きことであり、そうすることで貴女に幸福が訪れることを、ご理解していただきたいのです。
わたくしと同じく、“そうあれかし”とあることを、貴女に求めております」
もちろん、そこに語調のような優しさはない。
理解しない、というのならば――――
■『スパルトイ08』 > 「わ、私には……関係のない話です。」震えた声のまま、弱々しい拒絶。
「貴方方には…し、従います。指示が下れば、可能な限りやり遂げます。」怯えを宿した目がせわしなく動き回る、視線を逃す先を探して。
「だけどそんな……務めの意義など…ど、どうでもいいことです、私は畢竟この世界の人間では、ないのですから。」彷徨う視線が、ある一点を見つめる。この一切馴染みのない宗教施設で、唯一よく知る部屋を。
そしてその部屋を見つめる瞳に、怯えではない何かが混じる。
■『アリアンロッド』 > 半眼のまま、浅く眉を下げた。
「あら、残念ですわね。
確かに貴女にはギアスがあり、貴女は従う。
ですがそれはリスクを避けるためのもの。その為に働き続けるというだけでは、不足と言えますでしょう」
相手の視線を追い、一瞥。
そして再び一歩と近づく。
「この学園は、次のニューワールドオーダーを作り出すためのモデル。
そう、“この世界の人間ではない”貴女方がひしめくこの場所から、新たな神の家は打ち立てられねばなりませんのに」
両の掌が肩、首の根元に置かれる。
首輪のように。
「言葉を尽くしてご理解いただけないというのでしたら、致し方ありません」
笑顔に、何の混じりけもない。Lavinia。純粋に、本当に、自身の言葉を信じて浮かべる。
「体でわかっていただくしかないようですね」
■『スパルトイ08』 > 近づくための足音に、またびくりと怯えたように震える。
「か、考え方まで縛られたくありません。私は……。」肩に、人体の急所である首の根本に置かれた手に、言葉を詰まらせる。
表面上でも理解を示していれば、避けられた事態だったかもしれない。
だが、サヤはそうしなかった。わざわざ不機嫌な様を見せつけ、組織の考えを否定した。
体で、という言葉に、肩にかかる手に、自分の手を重ねた。怯えるようにも、媚びるようにも見える仕草。
「な、何を……。」あえて、問う。
■『アリアンロッド』 > 意図的な反抗。
しかしそれに不快そうな様子は見せない。
むしろ愉しんでいる、ようで。
「人は牧されて、善く導かれるということですわ」
そのまま、力を入れた。
「だから、参りましょうか」
■『スパルトイ08』 > 肩にかかる力に、有無を言わせぬものを感じ、両手をだらりと垂らす。
「………はい。」小さく、だがはっきりと答えた。
ご案内:「常世大聖堂」から『アリアンロッド』さんが去りました。
ご案内:「常世大聖堂」から『スパルトイ08』さんが去りました。