2015/08/13 のログ
ご案内:「館」にジブリールさんが現れました。
ご案内:「館」に相模原孝也さんが現れました。
ジブリール > 【屋敷の監視は常通り。夏であろうと運休することなく続けられている。
 休みなく動く監視カメラは動きを捉えていた。館の者により、中に案内される人を。】

「ようこそいらっしゃいましたわ」

【前と同様、応接室には女が座っていた。ソファにあわせた背の低いテーブルには、丁寧に折られた封筒がある。ちょうど写真でも入っていそうな折方だった。】

相模原孝也 > 今日も丁寧に案内してくれたヴァンさんに、どうも、と小さく頭を下げてから、応接室へと入る。
片手に持った茶色い紙袋が、かさりと小さく音を立てた。

「こんばんわ、ジブリール。夜半におじゃましてごめんな。
 でも、せっかく星の写真を見るなら、夜の方が雰囲気出るかと思ってさ。」
挨拶の直後に、右手だけで拝む仕草をしてみせる。

「ちなみに山は、夜の間は結構涼しかったぜ。 昼に登ってる間は汗止まらなかったけどさ。」
けれど殊勝さはすぐさまどこかへ行ってしまった。にー、と口を横に広げて笑いながら、明るく告げて、軽い足取りでジブリールの方へと歩み寄って行く。

ジブリール > 「いいえ。わたくしも夜のほうが都合も良かったので、こんな夜分にようこそ」

【雰囲気が出る、という言葉にさようでございますね、と軽く返す。引き結んだ口元。笑顔を浮かべる女。】

「まぁ、夜間であれば涼めるのですね。わたくしは山に登ったことがなかったので、そちらも随分と暑いかと思われましたが。」

【なお、この部屋は冷房がほどよく効いているので暑苦しかったりむしむししたりといったことはない。
 女は椅子に座りながら、どうぞおかけください、と対面の椅子を示した。】

「以前ヴァンが預かったお写真はこちらに。お写真は拝見させていただきました。星のお写真がとてもお美しかったですわ。点の集合にしか見えなかったものが、とてもはっきりと映っているんですもの。感動しました」

【女は率直に感想を伝う。常通りの明るさを保っている室内では包帯を外すことも叶いませんが。その挙動は嬉々としている様を分かりやすく表現していた。】

相模原孝也 > 「ジブリールの親御さんたちに見つからないようにしないとな。」
しー、と指を一本立てて、ヒミツを表す仕草。
椅子を進められれば、失礼します、とテーブルに紙袋を置いてから、椅子に腰を落ち着かせてもらった。

「熱源になりそうな…エアコンの室外機とかがないから空気が暖まらないし、周りにコンクリの塊とかがないから風通しがいいんだ。
 もっとも、藪蚊は居たから、虫除けスプレーが必須だけどね。」
結構刺された、なんて。頬のアタリを掻いてみせた。

「うん。写真、喜んでもらえたようで嬉しいな。
 オレも自分で撮った写真を改めてみたけど、写真で見るとまた違う綺麗さなんだよ。
 特に天の川のやつがさ。本当に、写真で見ると光の川みたいになってたのが綺麗でさ……」
喜んでもらえている様子に、自分も嬉しくなって声に喜色が如実に出てくる。
写真の方は、別に封筒にプリントアウトされたのかな、と思うので、封筒はこちらに引き寄せたけど、引き寄せてる間にはっと気づいた。自分ばっかり喋ってるんじゃないだろうか。

「っと、ごめん、オレばっかしゃべっちゃったな。
 ジブリールはどう? これが良かった、みたいなのはあったかな、写真。」
半分自分の写真の腕品評会のつもりで聞いてみるけれど、でもどれがお気に召したかは自分にはあまり予測がつかない。
自信があるのは、夏の大三角形を中心に写した写真だけど…どうだろう。

ジブリール > 「お父様はこちらにいることはほぼ稀なのでご心配なさらずとも問題ありませんわ」

【まるで悪いことをしているみたい。からかう口調を交えて、口元を押さえ笑う。】

「なるほど。常世島も多少は文明の利器に囲まれていますからどうしてもこの周囲は熱が篭りますが」

【自然に近ければ近いほど涼しいのも道理。海なんかは絶好であるのだけど、暑いし。海は冷たいけど、暑いし。
 封筒が移動する音が聞こえた。視線を僅かに下へと移動。】

「あら。そんなことはございません。わたくしは人のお話を聞くのが大好きなので。」

【続けられた言葉。「そうですね」と頬を撫でる。】

「わたくしとしての一番は、星が回って、まるで円を描いているように見える写真でしたわ。
 書物や話で見聞きしたものよりも、ああいった行かなければ分からない世界が、わたくしの胸に響いてきました。
 しかし絶景は夏の第三角形、天の川に軍配がありますわ。本で見たとおり――いえ、本で見た以上に臨場感のある構図でしたから。
 ……もしや写真部も兼任されておられるのでしょうか」

【そう、あまりに美しい景色だったものだから。思いを馳せながら伝うたのはそんな戯言。】

相模原孝也 > 「レディと夜に遊ぶのは、大人からみるとちょっぴり悪いことさ。」
にっと笑って応えてみせるが、ちょっと恥ずかしい。声の端っこが上擦ってた。

「日本の都心なんかと比べると、格段に過ごしやすいけどね…あ、ちょっと写真広げていいかな?」
封筒を手にとったのに気づいた様子に、そういえば先に聞いたほうが良かったかと、慌てて問いかけつつ…そっと封筒と入れ替えに、小さな紙袋を封筒のあった位置に置いた。

「そう言ってもらえるとありがたい。
 ふむふむ……シャッタースピード広げたら、ああ言う写真取れるって聞いてお試ししてみたやつだね。ああ言うのが一番か…よし覚えた。
 って、そんなに褒められたら、ついつい調子に乗っちゃうよ?
 多分良いのが撮れたのは……自分が感動した光景を見せたかったから、かな。」
なんてね、と笑って右目でウインクしてみせる。
でもやっぱり、褒められるのは、特に気になる娘から言われるのは嬉しいので、やや頬が紅潮気味。

「っと、そうだ。 今度参加してる部活…ロケット研究部で、ロケット打ち上げて地上を撮影しようって企画があるから。
 良かったら、そっちで撮った写真も持ってこようかと思うけど、どうかな?」
コホン。咳払いしてから、そう提案してみせる。

ジブリール > 「ふふ、世の中の殿方みんなが悪い子だらけになってしまいます」

【特にこの時期、そういう方々が多いでしょうに。】

「勿論」

【女は快諾する。もとよりこの場では見ることも叶わないから、どちらでも問題はないのである。
 彼は散らかしてもすぐ元に戻すタイプだろうし、あまり気にはしない。】

「シャッタースピードを……そのような技術もあるのですか」

【最近はデジカメが高性能だったりなんだったりとか、色々な話は聞くけれど、実際に触れたことはない。
 触れる機会もなければそれほどアクティブなわけでもない。女はきょとんとしながら話を聞いていた。】

「調子にのってもいいと思いますわ。其の分だけ、クオリティの高いものを期待させていただきますので。」

【ハードルはあげるもの。とにかく上がれ山の如く。
 紡がれた言葉。感動は共有したいと思う気持ちはとてもよく理解できる。しかしながら赤く染まってもなおその表情を見ることは叶わないけれど――気恥ずかしさの気配はなんとなく伝わった。
 彼の特性はある程度理解したつもりだった。こうしてカッコいいことを言って大抵自滅する、そんな面白い子。】

「まぁ、でしたらお願いしますわ。次は連写で繋げてみてみたいですわ。飛び上がる瞬間からぜひ……」

相模原孝也 > 「ふふ、オレが特別悪い子かもしれないな…?
 その手土産を見てから判断してもらおうか。」
そう言って、封筒の代わりに置いた茶色い紙袋の口をひらくと、ふわりと爽やかな…ペパーミントのポプリの香りが漂った。

「っと、ありがとうな。 プリントアウトしたのヴァンさんだから、どんな感じなのか見たくてさ。」
そう言って、選んで広げたのは、先ほどジブリールが上げた3枚。
……じぶんより、ヴァンさんのプリントアウトが上手かった。くっ。負けた!ちょっとくやしい。

「インターネットで探すと、そのへんの豆知識は色々転がってるみたい。
 星の撮影専用の道具もあるらしいけど、お高いから、そこは腕と、情熱でカバーってことで。
 ふふ、じゃあ調子に乗って、また写真撮ってくるよ。次はまた山か、それとも海か…と、それより早く、空からの地球写真になりそうだね。
 ……有人ロケットで撮影は今は無理だから、将来的にってことで。」
その点はおねがいします、と頭を下げまする。

「でも連射か…試作ロケットだからブレブレになるかもしれないけど、できるだけ制御頑張ってみるよ。」

ジブリール > 「でしたらそれにお付き合いしているわたくしも同罪です」

【仮に怒られるとしても、まず自分だけになるだろうけれど。
 鼻腔を擽る香り。ペパーミントが香る。何かを取り出す音と共に入り込む、それ。
 裏方に徹するヴァンは、こうした技術にも通ずる、というより、その手の人材を館で囲っているからこそ多少見栄えが良くなるもので。
 財力は力。コネクションもまた力也。】

「――ふふっ。 ロケット、ロケット……いつかその光景が見られるのを楽しみにしております」

【期待半分、戯言半分。けれど多少なり期待したって、構いませんよね。女は低い位置に移動しながら伝われる声に「はい」と首肯した。
 次のロケットの写真まで、期待に胸を膨らませておこう。夏が過ぎても面白いことはまだまだあるのだ。】

「あぁ、そうだ。わたくしばかりが楽しいことをお受け取りするのも少々気になってしまって。何かお礼がしたいのですが」

相模原孝也 > 「じゃ、そうなったら一緒に怒られるか。 ゲンコツか説教で済むといいな。
 ……ん、そのー、香りならジブリールも、読書とかの合間に楽しめるかなと思ってさ。手土産に持ってきたんだ。
 森の香りとかが、少しイメージできるかもしれないし。」
どうだろう?とポプリの香りに対する反応を、ちらちらと伺う。……嫌いな香りだったらどうしよう、と少し思うが、その場合はまあしょうがないだろう。

「そうだな。 制御とかも何とかなれば、ロケットの上がれる距離も上がってるだろうし…。
 将来的にはロケットで打ち上げた、雲の上から星の写真も撮ってみたいな。
 大規模な撮影は無理だろうけど…きっと、ここからじゃ見えない星までたくさん見えるさ。」
楽しみだ、と、楽しそうに笑いながら。ふっふー、なんて声を出していたけれど。
ジブリールからの突然の提案に、ぱちくりと瞬いて。ふむ、少し考える。

「んー……。オレも、ジブリールとこうやって話したりするの楽しいから、気にしないで、と言いたいけど。ジブリールに何かしてもらえる、っていうのは嬉しいな。
 そうだなあ……じゃあ、オーソドックスに。お嬢様からのキッスなんてどうだろう?」
と、告げる言葉は、少し珍しいかもしれない、こちらからからかっていく調子のものだった。…ほっぺかおでこならセーフだよね、という考えもあるのだけど。

ジブリール > 「お説教だけで十分ですわ。

【飄々とした態度で女は続ける。すん、と鼻から通る、少し主張の多い香り。すっきりする心地。】

「……素敵ではありませんか」

【普段室内にいることの多い女は変化があることを好む。嫌いな香りということはなく、寧ろ嬉々として女は受け取った。

 ――ロケットに関係したあれこれをすべて理解するにはやや難しいものの、為したいことは至極単純だった。
 面白そうだな、と思う。そういったことに青春を駆け巡るのは楽しそうで。】

「キス、ですか」

【女は呆けた。はて、自分のもので宜しいのだろうか。お嬢様のキス=自分なわけだから、対象も自分しかいないわけで。強請られたことはからかおうとする言葉の混じったもの。
 けれどすぐ女は笑んだ。】

「では失礼して」

【女は立ち上がり、手探りで彼のほうへと肩を掴む。
 眼が見えないことも災いして――というよりは見えないことを利用した感じの否めない強さで――少々引っ手繰るかのようにして彼掴むことに成功できたなら、首に腕を回して抱きつき、頬へと唇を寄せて触れようとする。】

相模原孝也 > 「ああ、気に入ってくれたなら、よかった。」
ほっと胸に手をついて一息つく。どうやら選択はあたりだったらしい…ポプリを買ったお店に感謝だ
さて、そろそろいいだろうと、封筒に写真を綺麗に揃えて戻し。

「アッハイ。キス……いやたいそれたお願いとはわかってますけど、やっぱりこう、お礼にキスとか憧れがですねっ」
かああ、と顔が赤らんでいくのがわかるし、声もわかりやすく上ずっている。
どうしよう、ハズカシイけどしかし逃げたくないわけで。モヤモヤしている間に、肩に触れるジブリールの細い指。

「わ。」
思っていた以上に勢いがついて、引き寄せられ……抱きつかれたジブリールの体に、自分からも手を回して抱きしめて。

「ん……。」
頬に重なる柔らかい唇。体にも、小さく細いのに柔らかい感触が伝わり、鼻先にはポプリの香りと混じった甘い香りが。

「……うん、ありがとう、ジブリール。 なんだかすごく…嬉しいのと、ちょっとだけハズカシイので。ドキドキしてる。」
アは、と照れくさそうに笑うのが、ちょっと精一杯だ。

ジブリール > 「キスだなんだと沸き立つのは、やはり学生らしいですね」

【まるで学生を傍から見守るポジションのように語る。彼は初心なのかはたまた。
 それでも逃げ出さずに、言うだけ言って何もしないのは、こちらの動きを待っているから、期待しているからでは。
 キスは挨拶。そんな感覚交じりの軽い気持ちで実行した為、親愛なる気持ちは込める。】

「ぅ……」

【手を回されることまでは予想外だったのか、僅かに驚嘆していた。キスを強請られたときよりもこちらのほうが挙動は大きかった。
 不意の攻撃には弱い。大概の生物は皆そうだが、どうにも触れられるのに慣れていないとリアクションが大袈裟になってしまう。
 僅かに女は硬直して、ゆるやかに体を離した。】

「――あらあら、まぁ。それは光栄です。わたくしを女性として意識してくださるそのお言葉があるだけで冥利に尽きます」

【女はすぐに立て直し、常通り笑みを浮かべて小首を傾げた。】

相模原孝也 > 「青少年ですから…まあ、相応に下心もあるい、悪い虫です。」
むむ、赤くなった顔を隠せない。恋愛のたぐいではない、親愛だろうキスは、ハズカシイけど、でもそういった距離間に、少し喜びを隠せない。

「あ、いやだったかな?」
腕を回したせいで、少しジブリールの様子が変なようだと気づけたのは、それこそ触れ合う距離の体が、硬直したのを感じ取れたからだ。
ジブリールが離れようとするなら、回していた腕もそっと離して、ただ、戻るときに転ばないようにとは気遣っていた。

「オレの好意を受け取ってくれて、ありがとう。そう言ってもらえると、オレも嬉しいよ。」
言外に、そこからは一足先に近づくつもりはないことは告げられただろうか?
そこまで、人のことを理解できてないけど、うん。嬉しい、ということは伝えられたと思う、思いたい。

「さて、っと。楽しい会話の途中だけど…今日は、そろそろ帰るよ。
 ああ、そうだ。ずいぶん前に約束した水族館。ビルの中にあるのを見つけたんだ。良ければ次は、そっちに行くのでどうかな?」
封筒を置いて、帰宅を告げる。 長居しても行けないし……その、キスでちょっと気まずいんだ。

ジブリール > 「大抵のお方はみんなそういうものだと思っておりますわ」

【あるのが当然、とまでは言わない。あっても可笑しくないよね。そんな認識。】

「………別にいやではございません。少々驚いただけで」

【ほんのすこし間を空けて、見えない視線を逸らす。顔を逸らしたとも。さりげない気遣いに感謝しつつ、彼のお陰で戻るのにバランスを崩さずにいられた。】

「……えぇ、こちらこそ」

【女は仲良くしてくれる者を好む。それは友人として、親友として――恋愛感情を抜いた、快楽性を見出す、一種の愉悦を共有できる人物として。
 恋愛感情を抱くには程遠い。女にそんな感情はまだまだ宿らないけれど、言葉通り正直に伝えられた好意を踏み潰す真似はしない。あくまで友人として。】

「水族館……よろしければ、そちらにも遊びに行きたいですね。えぇ、わたくしもご一緒したいです。何が目玉で何が見られるのでしょうか。
 あぁ、でしたら外までお送りしますわ」

【口元を押さえながら潜めて笑う。女は気まずいなんて感情抱かないものだから、常通りに応対することとなる。もっとも傍にヴァンがついて見送ることになるけど。】

相模原孝也 > 「下心が、不快じゃない程度に、一緒に楽しめるもの持ってくるよ。」
にひ、と笑って、うん。一緒に楽しめることがあるのが嬉しい。そんな様子。

「なら……次からはちゃんと、声かけてからにするよ。
 嫌がられないなら、近い距離に入れるのは…少し、嬉しい。」
下心もあるけれど、近い距離にいられるのは、受け入れられているという意味でうれしくて。
けれど、今日はここまでだ。そっと椅子から腰を上げる。

「詳しくはまだ調べてないんだ。せっかくだし、知らないまま行きたいし。
 その、照明周りもあるだろうから、ヴァンさんにも一度相談することになると思う。」
だから、もう少し先かな、なんて話をしながら、今日は館をお暇しよう。
夜半のせいか短い時間だったけれど、今日も楽しい時間が過ごせたから。

「それじゃあ、ジブリール。良い夢を!」
おやすみ!
そう告げて、館を辞する。 あのポプリが、彼女にやすらぐ時間を与えられるようにと願いながら、自転車を漕いで寮へと戻るのでした。

ご案内:「館」から相模原孝也さんが去りました。