2015/09/13 のログ
ご案内:「常世ネットワーク」に”フルムーン”さんが現れました。
”フルムーン” > 常世島に広がるネットワークの一つ。
その、片隅。
ホログラムもまばらな小さな路地。

一人の幼いお面を被った少女のアバターが、”落ちてくる”
自分の手、服、と見下ろして。

「こんな、もの、かな?あ、あー。ん、んー。OK、聞こえる。」

姿に似合う子供らしい音声、初心者っぽい反応。
そのアバターはおのぼりさんみたいに振舞っていた。

”フルムーン” > アバターの持ち主の名前は、十六夜棗。

今の状態であれば望月満月と言った方が合っている。

「とりあえず、はー…。こっちかしら。」

ちらつきの多い路地をゆっくりと歩く。
整備されていない、造りの荒れた、ずさんな場所。

その中でも、殆ど手のつけられていないような場所に、目星をつける。
現実世界の位置で言えば、落第街の中でも辺境と言って良い場所。

”フルムーン” > プログラム上も殆ど何もない、見た目上は壊れた土地。

そこに、手をかざす。

練ったプログラムを、壊れた土地に施して。
地面が出来る。地中に刺さった土台が出来る。柱、床、壁、と建築物が組みあがっていく。

「んー、計算より若干大きい…感覚の差異かしら。」

電脳空間に感覚を落とした場合の感覚の違いは、今後電脳空間においてこの姿で動くなら、慣れておく必要がありそうだった。

その点今組みあげている家は、ここに慣れる為にも、拠点としても頑丈に、そして目に付かない所に建てる必要があった。

”フルムーン” > 建てられた拠点は、見た目上は木造の二階建ての家。

そこに、隠蔽プログラムを被せて、元の壊れた土地と殆ど似た形に捉えられるように、拠点の存在を隠す。

家の中を見てみたい気持ちはあったけれど、長くこちらで作業していると現実側で何かがあっても対処しきれない。

今回はアバターで感覚もこちらに落としたけれど、外部からプログラムだけを流し込む方式に変えるかは、一考の余地があるだろう。

ひとまず今日は、ここまでにして、ネットワークから引き上げる。
アバターの少女から光の粒が舞い上がって。

消えた。

ご案内:「常世ネットワーク」から”フルムーン”さんが去りました。