2015/10/05 のログ
■加賀背 雄 > (ほっと胸をなでおろす。 入ってきたお客さんは、
ちょっとファッショナブルな感じの人だけれど、少なくても無茶な事は言わないだろう。
そういえばあの人、学園でみたような気もする。 すらりとした長身が、
やけに目立っていたような、そうでないような。 彼のリクエストを受けた店員が、
バックヤードに戻ってきて、笑顔で告げた。 『じゃあ、それで』
そこからはよく覚えてはいない。 気が付くと、光沢感のある素材でできた、
ブーツに長手袋、そしてお腹と背中の辺りがガッツリと開いた、
バニーさんが着そうなレオタードを身につけていた。
悪魔っぽい細い尻尾と、くるくるの巻き角。 そしてゆるく巻いた
ロングヘアのウィッグ。 メイクをばしっと決めて……簡易女悪魔である。
胸がとっても平たいけれど。)
いらっしゃいませ―。バタフライ・エフェクトにようこそー♥
(お客さんの前ではこのコスチューム恥ずかしくて死にたいとか言えない。
悠然と座るお客さんのところに赴いて、営業スマイルと一緒にメニューを差し出す。)
■ヨキ > (少々お待ちくださいね、と先に運ばれてきた水を口にしていたところで、担当の少年を出迎える。
現れた出で立ちに再び目を丸くして、コップを傾ける手が止まる。やがてその縁を唇に宛がったまま、)
「…………、ほう……」
(と漏らした。『ほう』。ようやく店の趣旨を理解したらしい。
受け取ったメニューに目を落としながら、ふっと笑う)
「おもしろい店だな。目の保養になる。
……かぼちゃのモンブランと、温かい紅茶をストレートで頂こうかな」
(メニューを雄へ返しながら、にこりと笑う)
「見目麗しい店員が、一緒に過ごしてくれるというやつかな」
■加賀背 雄 > …………う、ううっ……!
(突っ込まれるわけでもなく、引かれるわけでもなく。
「ほう」の一言が回答だった。 恥ずかしさにかっと頬を赤くし、
ぴかぴかに磨いた銀のトレイでお腹のあたりを隠すようにする。)
え、ええ。色んなコスプレがいますから。お客さんもできるんですよ。
はい、かぼちゃのモンブランと、温かい紅茶のストレートですね。
(メニューを返してくれるこの人の笑顔は、涼やかで、小さく唸る。
男としてのなんかこう…エネルギーに差がある。 強い。)
え、ええと…まあ、はい。今のところは…
(周囲を見ると、お客さんはそれほど多くない。 お客さんたちは、
店員とヨモヤマ話をしたり、コスプレの相談をしたりだ。
問いかけにはこくんと大人しく頷く。)
■ヨキ > 「何だ。お腹は別料金なのか?」
(軽く笑って、トレイの横から腹を覗き込むような仕草で、首を右へ左へ緩く傾ぐ。
店のシステムは理解したらしいが、人の機微というものをまったく判っていないらしい。
それにしたってコスプレというものに、随分と抵抗がない)
「へえ、客もコスプレか。
とは言え、普段の仕事着から既にコスプレのようなものだと言われているからな……。
君に衣装を見繕ってもらうのも、一興やも知れんなあ」
(店内の様子を物珍しげに見渡しながら、給仕に勤しむ雄を見上げる)
「……『今のところは』?
何だね、その含みのある感じは。何か別にサービスでも?」
(落ち着いた表情だが、目だけがどことなくうきうきしている。どう見ても好奇心に光っている)
■加賀背 雄 > ちょっと、やめてくださいよう…! お腹は、その、恥ずかしいんです…!
(覗き込もうとする相手に小さく声を上げるけれど、何分場所が場所だ。
別にぱんつとかおしりとかを見られるわけじゃないから、拒否しきれない。
はじめて来たような態度の割には、相手はそんなにコスプレに
驚いたりしていないようだ。 もしかして慣れてるとか?)
あ、やっぱりですか。 いやー、わたしが衣装を見繕うっていっても、
その、コスプレ衣装ばっかりで… あんまりこう、ちゃんとした服って選べない、かも…
(物珍しげに辺りを見回す相手に答える。 奥から注文の準備が出来たと
言われると一度席を離れ、トレイにモンブランと紅茶をのせてから、
相手のところへ戻る。)
おまたせ致しました。 あ、いえ…お客様が増えると、
こうしてお話する時間もちょっとこう、減ってしまうと思います。
といってもお客様を退屈させたりしませんよ。わたし以外の人が、
色々お話してくれるでしょうし… その、何かこう、したいことがおありですか…?
(ものすごく楽しそうな目に、若干うろたえながら答える。
どんなサービスを期待しているのだろうか。)
■ヨキ > 「あっはは。
こう見えて意地が悪いのでなあ、そんな可愛い声を上げられてはちょっかいを出したくなってしまう」
(言いつつも、それ以上視線が追いかけてくる様子はないらしい。
注文の品を載せて戻る雄へ、思案顔で言葉を続ける)
「ちゃんとした、なんてことはいいのさ。
何しろそういう衣装というものに、元々縁がなくてな。この身長だから、身体に合う服もなかなか少ない。
……初対面の君から見て、例えばどんな衣装が似合うと思うね?」
(何でもいいよ、と言い添えながら、席の隣を空けて雄を迎える)
「いや、こちらからしたいこと、というのは特には思いつかないんだがね。
何か思いがけないことがあるやも知れん、と考えただけで、…………、」
(つらつらと話しながら、不意に雄の顔を見定めるようにして)
「…………? 君の顔……どこか、テレビか何かで観たような……。
いや、違うな。………………、」
(あ、と気付いた顔)
「……君。たしかインターネットで、動画とか……?」
■加賀背 雄 > んもう…… そんなふうに言われても、サービスとかは出来ないんですけど…
嬉しいことは嬉しい、です。
(相手の言葉に素直に答えて、相手の前に紅茶とケーキを置く。
これで自分のお仕事は一段落だ。)
そうですか…似合う服ですか? こう、そうですね…あ、失礼しますね。
パリッとした格好もいいと思うんですけど…シンプルなのもいいかも。
こう、レザーパンツとかで、身体のラインをぴしーっと出すような?
お客様、とっても背も高くてスタイルもいいですし。
(おとなりにちょこんと座って、相手の事を見ながら思案。
ゆっくりとした調子で答えるのは、考えながら話しているからだ。)
ああ、そうなんですか、てっきり何かその…なさりたいこともあるのかなって、
思ったんです、け……ど……
(インターネットの動画、という言葉にぴたりと固まる。
ぎこちない笑顔を浮かべ、だらだらと脂汗を流しながら相手を見やった。)
あの、どういった動画をご覧に…?あ、いえ、どんな動画ですか?
人違いかもしれませんし、なんか…こう、人違いかもしれませんし…
(明確に狼狽してる感じに、しどろもどろな説得を試みる。
もちろん相手がどう考えるかわからないけど、大分必死だった。)
■ヨキ > (頂くよ、と挨拶を添えて、さっそくケーキを食べ始める。
頬張るなり目元がうっとりと和らいで、菓子の好きな様子が一目で知れる)
「革か、なるほど。足のラインには自信があるぞ。
君もきっと気に入ってくれると……
…………。いや、君は男には興味はないか。
それとも君のように、いっぺん派手な格好でもしてみるとか。
新しい世界が開けたりして」
(狼狽を見せる雄に反して、ケーキを口へ運び、紅茶を飲むこちらは至って暢気なものだ。
記憶を探って思い出すように、ううむ、と小さく唸る)
「いや、な。『ドリームランド』というSNSを知っているかね?
そこの管理人なんだが、これがまた君のように可愛らしい風貌でなあ。
何かと情報を集めるのに役立つから、ちょくちょく観ているんだ。
はは……まさかな。そんな……ことは……」
(ないよな、と言い掛けて、また黙って雄を見る。
どう観ても『誰か』と雄を重ね合わせるかのような眼差しだ)
■加賀背 雄 > あ……
(ケーキを食べて嬉しそうにしてる人の顔って、すごく素敵だ。
だけど、お客様に見入ってしまうわけにもいかないから、
ちょっと見るだけ。 足に自信あり、と豪語する相手に、
よかった、と頷いた。)
それにこう、ワイシャツの胸元をぐわーっとあけて、とか。
似あったりしませんかね…
(あいての服装のことを考えている場合じゃなかった。
外堀を埋めるかのように次々とカードを切っていく相手。
真綿で首を絞めるような相手の言葉が提示されるたびに、
ぶるぶると身体が震える。)
わ、わたしですっ…あの、その、言わないでください…!
(どう見ても完全に此方を疑って…疑っているレベルではない。
結局、視線に耐え切れなくなって自ら名乗り出た。)
■ヨキ > 「ふふ。こういう、季節限定の食べ物が好きなんだ。
その時どきに食べて、一年経ったことを実感する」
(雄の視線には気付かず、大きな手で支える小さなケーキを、幸せな顔をして大事そうに口へ運ぶ。
続く服装の提案に、今のトップスの胸元を冗談めかして指先で僅かに引いてみせる)
「はは。無闇にやらしくなるぞ。この店が営業停止になったら大変だ」
(などと、軽い調子で笑っていたのが、雄の白状にぴたりと止まる)
「ああ……その、本当に……君、だったのか。『ホシノカミ』……」
(ええと、と呻いて、フォークを持ったままの手首で額を掻く)
「うむ、……誰にも言わんでおく。特に学校には。
人の趣味について、とやかく言うのは嫌いなんだが……。
……それでもその、世間的には拙いだろうからな、…………。色々と……」
(それは確実に、ホシノカミのそういう『アレ』を観た者の台詞だった)
■加賀背 雄 > そうですよね、 幸せなのが一番で……はい、やらしいのは、ダメです。
(笑顔で手でバツを作ってNGを示す。 とはいえ、自分だって
おへそとか見せてるわけだし、あんまり健全じゃない気がする。)
その…はい……
(ぎゅっと相手の服を握っているのは、不安でしかたないから。
上目遣いで縋るような視線を向けながら、相手の言葉に何度も頷く。)
あの、あれはですね、事情があって……っ…
(自分のあの行為を観た人の視線は、これだ。 あの人の手によって、
自分はどんどんと淫らにされ、貶められていく。 抵抗すべきだったのかもしれない。
けれど、本当にそうなのだろうか。 自分は本当に、彼女の行為を
嫌がっていたのだろうか。 望んでいやしなかっただろうか。
そんなことを考え始めると、視線が下に落ちる。)
■ヨキ > (雄の手が、自分の服を掴んでいるのに気付く。
その指先を見下ろして一瞥すると、眉を顰め、最後に残ったケーキの一口をばくりと食べ尽くす。
紅茶を飲む。潤った唇を拭う)
「……事情、とは何だね?」
(じろりとした半眼が、雄を真っ直ぐに見る。
自分の顔を指し示し、)
「この面を知っているかね?――ヨキだ。教師をやっている。
……君、すごいシチュエーションに足を突っ込んだな。
『アレ』を教師に知られて秘密にしてもらうなど、ちょっとしたマンガの世界だぞ。
……それはともかくとしてだな、」
(声を潜める。雄の耳元に、低く囁く)
「……言ったとおり、ヨキは人の趣味に口は出さん。
あの動画が完全に君の趣味なら、まんまと放っておいてやる。
……だが今の君は、何という顔をしているね。
『アレ』は、真に君の趣味でやっていることではないのか?」
■加賀背 雄 > あ、ええと、そのっ……
(深い事情は説明できない。 もしかしたら、自分が悪いかもしれないのだから。
うろたえていると、相手は素性を名乗った。 ぽかんとした表情を浮かべ、
ああ、と声を漏らす。)
そういえば、見たことあります…学園でお見受けしたなって思ってはいたんですけど、
まさか先生とは思わなくて…
(とはいえ、なんだか意地悪そうな様子はない。
囁きにぶるりと、大仰なくらいに震えると、悲しげに眉を潜めた。)
その、悩んでいることがあるんです。
ヨキ先生、今度お時間があるときに、ご相談させてもらってもいいですか…?
(アレは自分の趣味なのだろうか。 彼女の命令なのだろうか。
あるいは何か別のことなのだろうか。 いずれにせよ、
仕事中に長話に耽るわけにもいかない。 彼に約束をお願いして、
仕事に戻ろうとする。 そろそろお客様も増えてきて、
ホールが忙しくなるころだ。)
■ヨキ > (相手の前で、はじめてヨキと名乗った。
一度そうと決めたあとには、淀みなく素性を明かす性質らしい。
自分の顔に見覚えがあるらしいと知ると、不敵ににい、と笑った)
「……ヨキを知っていてくれて、ありがとう。
いいだろう、ヨキが力になれることならば、何でも相談に乗ってやる。
君、名前は何と言う?」
(紅茶のカップをも空にすると、名前を尋ねながら財布を取り出す)
「こんな話にでもならなければ、チップを弾んでやったのだがね。
ふふ、余計な下心など抱えていると思われては堪らんからな」
(笑いながら、代金と伝票とを揃えて立ち上がる)
■加賀背 雄 > ありがとうございます、ヨキ先生。
名前…名前は、ユウです。 加賀背雄。
(不敵に笑う相手に対して、こっちはちょっぴり泣き笑い。
助けを…否、少なくても、助けになるかもしれない相手ができたのだ。
自分のことを話せそうな相手が。)
お客様、ぜひまたいらしてくださいね。 その時はチップも頂きますし…
今日よりもっと楽しいお話ができると思いますから。
(ご来店ありがとうございました、と安堵の表情で告げて、
エスコートするようにカウンターへ。)
■ヨキ > 「加賀背君。覚えたぞ。――『ホシノカミ』ではなく、な」
(喉の奥で、くっと小さく笑う。
女装した店員、ではなくあくまで少年へ向けてそうするような軽やかさで、雄の肩を叩く)
「また来る。君のバイト代にも、『ドリームランド』の足しにもなってやろう。
……安心したまえ。ヨキにはいたいけな少年を、食い物にする趣味はない」
(密やかに告げて、店の出口へ向かう。
支払いを済ませて雄へひとたび眼差しを送り、ひらりと手を上げて店を後にする)
ご案内:「コスプレ喫茶『バタフライ・エフェクト』」からヨキさんが去りました。
■加賀背 雄 > ありがとうございました…
(頭を下げる。店員さんとしてと、生徒として。
紳士的な相手の態度に敬意をいだきながら、
少し名残惜しげに仕事に戻るのでした。)
ご案内:「コスプレ喫茶『バタフライ・エフェクト』」から加賀背 雄さんが去りました。