2015/10/11 のログ
■加賀背 雄 > なるほど…そうですよね。 アンテナはすごく大事ですし。
ヨキ先生の情熱なら、何でも始められそうな気がしますね。
(嬉しそうな、男の子みたいな無邪気な笑顔を浮かべる先生に、
思わず自分も表情がほころぶ。 ひとまず自分の状況を
話し終えてから、ヨキ先生の言葉に耳を傾けた。)
ええ、カメラを目にします。 それで、誰かが見てくれます。
コメントが表示できるパソコンを近くにおいておくんです。
そうすれば、反応がすぐにわかって…画面の向こうの人が、
何を望んでいるかが、ある程度はわかるようになっています。
動画の”あれ”は……楽しいかと言われたら、そうでもない、と思います。
たしかに、その……その、ヨキ先生だから言うんですけど!
その、気持ちいいことは気持ちいいじゃないですか。
でも、楽しいのとは別で…恥ずかしかったりするけれど、それがその…
余計、刺激になって…その、ええと…そういうこと、なのかな…
気持ちいいことと、楽しいことは違うっていうか…
(必死に考え、問いかけに答える。 こうして言葉にすると、
こんがらがっていた思考の糸が徐々にほぐれていく。)
■ヨキ > (加賀背君の好きなことも教えてくれ、と、友人のように笑う。
そうして紅茶のカップを手に、雄が語る『状況』を想像しているような顔。
視線は雄の顔を真っ直ぐに見ていて、けれどその目は雄を透かした遠くの壁を見ているかのようだった)
「うむ……そうか。
君にはそれが――気持ちいいのか、…………」
(窓の外は未だ明るい。しかし語るヨキの顔には憚りというものが一切なく、
生徒を前に性的な話題を語ることの躊躇というよりは、あくまで自分にとって理解の及ばぬもの――
そうした物事に思いを巡らせるときの困惑が、強く表れているようだった)
「君の気を害するつもりはないんだが……
ヨキには、独りですることの心地よさが、判らなくて。
それを人に見せたい、と思ってしまうことも」
(カップを置く。顎に指先を添えて、言葉を選びながら発する)
「それは……自らを辱めることによって誰かの痴情を煽ることが、刺激になるのか。
それとも、見も知らぬ誰かが自分の相手になってくれるやも知れない、という想像によるものか?
その……相手の居ない悦び、というものが、ヨキにはどうも縁遠いのだ。
例えば、そうして女性のようにめかし込み――ヨキに褒められることもまた、君を煽るのか?」
■加賀背 雄 > その…きもちいい、というか、嬉しいです。
ええと、言葉が足りなくてすみません。 …その、正体を知ってる人との行為は、
気持ちいい…というか…。 ええとええと… 別に、こう、その…それがその、
無上の気持ちよさではないというか…
(ヨキ先生の質問は、とても切れ味鋭い。 こちらの回答が胡乱なものになりつつあるのは、
それだけ中心に切り込んできているということだ。
ぎゅっと膝の上の手を握り、相手の質問の意図を考えようとして。)
今のご質問で言えば、前者です。 別に…その、したいわけじゃなくて。
ただ、喜んでもらえたら、嬉しいなって思っているんです。
だから、ヨキ先生に面と向かって褒められたのは、すごく嬉しくて…
もちろん、配信を見ている人に対して、ちょっと意地悪なきもちもあります。
女の子と間違えてるんだぞ、って。
(自分の中身を吐露するのは、難しくて恥ずかしい。発情しているわけじゃないけど、
ただ嬉しくて、ドキドキするのだ。 自分の言葉が通じるかはわからないけれど、
必死にヨキ先生に訴えかける。)
■ヨキ > 「……そうすると君、ああいうの、好きなのではないか。ほら、動画とかでよくある……
壁に穴だけが空いていて、そこに……突っ込むようなやつ?ヨキにはあれもなかなか……難しくてな。
カメラの向こうにしか人が居ない、文字の上でしか反応が判らない、というものに、似ていると思った」
(相手の気を楽にせんと微笑んで話しながら、握られた手を一瞥する。
無遠慮なまでの好奇心と、知識欲。知らぬ土地へ分け入るように、真っ直ぐに雄の目を見る)
「それじゃあ……君の悦びは、あくまで君の中で、君個人によって膨らまされるものなのだな。
『女性として』着飾ることも、自ら恥を煽って、煽られることも。
たぶん……君と、ヨキや君の動画を観ていたものたちの感じている悦びは、大きく異なるものだろう。
このヨキは、『見た目に美しいこと』が好きさ。
それでいて、君が『ヨキのことを考えて美しく在ろうとしてくれたこと』が、最も嬉しかった。
……君の視聴者たちも、きっとそうだ。
『可愛い女の子』である君を、『可愛い女の子である君が痴態を晒すこと』に悦んでる。
直截に言わせてもらえば――
煽られた男はみな、君と寝たいと、君を襲いたいと、犯したいと思うはずだ。
だがそれでいて、君はどうだ。
画面の向こうで、煽るだけ煽って、独り悦に入ってる……
自分がどうしたいか判らないと、何故こんなことをしているのか判らない、と言ったな。
ヨキにも判らない。
今の君は、真実自分がそうと望んだ状況に居るようにしか見えないんだ。
……『本当に辞めたいのか、それを』?」
■加賀背 雄 > あっ、ちょっとわからないですけど…でも、なんとなく言いたいことはわかります。
ちょっと好きです。 こう…使ってもらってる感じが。
(自分の視点が、穴側だということには気づかずに相手の言葉に答える。
張り詰めていた全身が、相手の微笑みで少しほぐれる。 大きく息を吐いて、
ぶるぶると頭を振ってから、相手ともう一度視線を合わせる。)
その…あの、僕には、相手っていうか、そういう人がいませんから。
だから、なのかな…自分の中で、考えて…。
(ヨキ先生の言葉に、ぴたりと言葉を止めて聞き入る。)
皆、そんなふうに思ってる…。
(相手に言葉を突きつけられ、怯えたように身をすくめる。
自分も男だからこそわかる。 カワイイ女の子と、
あわよくば仲良くなって、深い仲になりたい。
だけれど、彼らからすれば画面の向こう…
自分は、ただ人を煽っているだけなのだ。
非対称な関係であったことを暴露され、視線を床に落とす。)
…僕は、その…辞めたいっていうか…
ただ、わからなかったんです。 あの人との関係が、よいものなのか、そうでないのか…。
その人と関係し続けることが、恥ずかしいところを誰かに晒すことが望みなのかって。
結局のところ、ヨキ先生の言うとおりなのかもしれないです。 僕は…
その、辞めたいって思えてない時点で、きっと許容してるんだろうなって。
(ヨキ先生の問いかけはとっても鋭利だ。 どこか脱力したような笑顔を向ける。
冷たいジュースを一口。)
■ヨキ > (なるほど、という顔をした。
よく理解できないシチュエーションの、更に向こう側に雄が居ることを。
自分の言葉に何かしら思うところのあったらしい、相手の表情に気付く。
弱々しい笑顔を真っ直ぐに見ながら、一連の言葉を聞き終えたのち――
残っていた紅茶を煽り、二杯目を注がずにソファから立つ。
無言でローテーブルを回り込み、三人用のソファ、雄のすぐ隣に深く腰を下ろす。
見た目よりも重たげに、ソファが沈む感触。
雄が座る側の背凭れに、伸ばした腕を置く。
近くなった相手の目を覗き込むように、ただ見据える)
「…………。なあ、加賀背君。君、気付いていないのか?
君は……『そういう姿を晒せ』と君に命じた者とは、『何も繋がっていない』んだぞ。
君とその人物とは、実際のところ――『一切何も関係していない』ではないか。
君の痴態を愉しんでいるその人は、本当に『君』に命じたのか?
『君のような人間』が相手であれば、誰でも楽しめる人種ではないのか?
加賀背君が……『画面の向こうの誰からにでも』痴情を煽られてしまうのと、同じように。
ヨキは、誰でもない『君』のことが大切だから、こうして話している。
誰あろう君に、褒めるべき価値があると思ったから褒めたんだ。
……それでも。
それでも君は……『君自身を空費すること』を、まだ続けようと思うのか?」
(眉を下げる。雄の目を真っ直ぐに見据える。口を噤んで、答えを待つ)
■加賀背 雄 > ヨキ、先生……?
(ゆっくりと立ち上がる先生をじっと見つめる。
ぐるりとテーブルを回りこみ、自分の隣へ。 静かに隣に座るその人は、
体温があって、実感がある。 画面の向こうとは違って、質感があり、そこにいる。)
気づいてないって、何を…… な、っ…
(核心を突く一言。顔をそむけようとするけれど、
しっかりと自分を見据える視線からは逃れられない。
そう、自分はあの人とは”関係していない”のだ。
次々に投げかけられる問いかけに、自然にぽろりと涙が溢れる。
もちろん怒られているわけではないのがわかっているのだけれど、
それを止めることができずに、手で涙を何度も拭って。)
そう、だったんだ…そう、ですよね…。
(唇をぐっと噛み、自分に言い聞かせるように呟く。
大切だという言葉に、どこか縋るような視線を向けた。)
ヨキ先生は…僕のことを大切だって、思ってくれるんですか?
その、今まで僕は…あんまり、そういうことがなかったんです。
この島に来たのだって、本土で事件を起こしてしまって…
それで厄介払いみたいな形で、ここに来たんです。
だけど…もし、もし、ヨキ先生が、生徒を…僕を大事にしてくれるっていうなら、
空費すること……やめられるかも、しれない、です。
(震える手を伸ばし、彼の服の裾をつかもうとする。
自分になにかあると思っていたけれど、そんなことはなかった。
それを教えてくれた相手に、願うように問いかける。)
■ヨキ > (すぐ近くで見つめる顔。その目元から、涙が落ちる。
相手の中に堆積していた何かがかたちを取って零れ落ちるかのような様子に、眉を下げたままふっと笑う。
くしゃりとした笑顔。目尻に薄らと浮かぶ皺は、普段から笑い慣れた者の顔に刻み込まれたものだ)
「思ってくれるか、などとは、このヨキの前では愚問だとも。
生徒としてヨキの前に立ち、ヨキを先生、と呼んでくれるなら、みなヨキにとっては大事な生徒だ。
それでいてヨキを、『ひとりの人間』として見てくれるのならば。
加賀背君、という君を、ヨキはとびきり大事にしてやるさ。
……掃き捨てられたでもなく、追いやられたでもなく。
ヨキにとっては、この島がいちばん大事な場所なのだ。
そこに暮らす君を、どうして粗末に出来るね?」
(雄に裾を掴まれるままにして、腕を伸ばす。
背凭れに置いていた右腕で、相手を絡め取るように。
そうしてもう片方の左腕でも、しかとその背を包み込む。
相手を包んでくぐもった声で、低く囁く)
「自信を持ってくれよ。
君は『ホシノカミ』である以前に、ひとりの『加賀背雄』なんだ。
君の本質を見ようとしない『誰か』に煽られ、浮かされたものでなく――
君が本当にしたいと、見たいと思う物事を、大切にしてくれないか。
このヨキがずっと、そうしてきたのと同じように」
■加賀背 雄 > ヨキせんせい、ヨキせんせいっ…!
(ヨキさん、と呼ぶのはちょっと恥ずかしい。 大事にしてくれるという言葉、
そしてなにより、島にあるものを大事にしたいとするその言葉。
涙で声を震わせながら必死に相手を呼ぶ。
相手の長い腕が、自分の背を包み込む。 大きな体躯にすっぽりと収まると、
少しだけ油絵の具の匂いが、そして男の人の匂いがした。
ぎゅっと抱きつき、胸板に顔を押し付けて、涙が流れるにまかせる。)
はい、ヨキ先生…すみません…。 したいと、みたいと思うこと…大事にします…!
(なにより、自分に気づかせてくれたこと。 そしてその相手を、教師を大事にしたい。
自信を持てとの言葉に、何度も何度も頷いた。)
■ヨキ > (雄の薄い背を撫で、柔らかく叩きながら、溜まっていたものが流れ落ちるに任せる。
急くように頷く雄にゆったりと笑い掛けて、頷き返す)
「ああ。そうしてくれ。
……君が本当に望んだことについて、何も反対はせんよ。
君がしたいと思うことを、ヨキは応援するから」
(左腕で相手の背を抱いたまま、右手の指先が雄の濡れた頬を撫でる。
涙を拭い取り、払って、くつくつと小さく笑う)
「ほれ、めかし込んだというのに台無しだ。
……それとも、こんな風に素直になってくれたことを善しとすべきかな。
今日は、女の子として扱われたいと言ったのは君だろう?
ヨキは泣いた娘の涙を止めるのが下手糞でな。
その代わり……求められれば、どうとでも応えるだけのことはしたい。
このヨキはまだ、君のことを何も知らないに等しいのだから」
(両腕がするりと落ちて、雄の後ろ腰をリラックスした体勢で緩く抱く。
まるで子どもをあやすように、柔く身を寄せる)
■加賀背 雄 > うん…んんっ…っふ……っ…
(先生の優しい言葉に、胸に顔を埋めたまま頷く。
そっと頬に振れる相手の指先に、くすぐったいとばかりに小さく震えて。
涙が収まるまでの少しの時間の後、ゆっくりと顔を上げると、小さく鼻をすすった。)
すみません、色々と… もう、大丈夫です。 今度…その人に聞いてみます。
僕はあなたにとってなんなんですか、って。 大事なものじゃないって言われたら…
その時は、すっぱりです。
(ぐっと小さく拳を握ってみせて、吹っ切れた事をアピールしてみせる。
女の子として、と言われると、頬を染めた。)
その…ヨキ先生にかわいいって言ってもらえるし、こういう風に優しくしてもらえるなら…
もっとかわいくなるのも、ありかもしれないですね。 僕も、ヨキ先生のこと全然知らないです。
先生に優しくしてもらえるように、僕も生徒として、人としてちゃんとしたいな…
(優しく身体が振れる。軽く抱いてもらいながら、泣きはらした顔で笑って。)
■ヨキ > (恋人へ睦言を囁くような近さで、雄の泣き笑いの顔を見つめる。
拳を握ってのアピールには、可笑しげに笑って首を振る)
「馬鹿だな。
そんなものは、君がいちばん大事だと囁くに決まっているではないか。
そのような手合いは、どのようにでも優しく甘やかして君を捕まえておこうとするものだ。
君がすっぱりと、切れてしまえなくなるように」
(尤もらしい顔を作って諭したのち、ふっと噴き出して)
「可愛くなった方が良いかどうかは…さて、ヨキからはどうとも言えんよ。
何しろ君が男でも女でも、ヨキは平等に大事にするからな」
(自分もまた隣り合った人の熱に解かされるように、心地良さそうに目を伏せる)
「もしも君が『その人』と向き合って……また甘い言葉を囁かれたら、思い出せ。このヨキを。
君を粗末に愛し、手懐けようとする輩よりもずっと、君を尊重してやるから」
■加賀背 雄 > う、ううっ…そう、ですか…。 そうですよね。
お風呂だって入る気無いけど、「もうすぐ入るから!」って言ったりしますもんね。
(まだ島に来る前の事を思い出す。 そんな感じの話をしたこともあった。
ヨキ先生に笑われると、ふにゃっと自分も気の抜けた笑みを浮かべる。)
ヨキ先生、本当に凄い人ですね。 でも…僕はヨキ先生に嬉しくなってもらいたいです。
(だから、もっと可愛くなりたい。 もちろん相手が喜んでくれたのは、
”自分のために身だしなみを整えてくれた”ことなのはわかっているのだけれど、
どうせならより良い方がいいはずだし。 きらきらと輝く瞳でヨキ先生を見ながら、
ちから強く宣言。)
…はい、ちゃんと覚えておきます。 今日のこと、忘れたりなんてしません。
ありがとうございます…
(ほんの少しだけ身体を動かして、くっつく面積をちょっとだけ増やす。
ヨキ先生に嫌がられない程度に身体をくっつけながら、しっかりと頷いた。)
■ヨキ > (風呂の喩えに、嘘はいかんぞ嘘は、と明るく笑う。
再び元気の含まれた声と眼差しに、満足げに頷いた)
「よく覚えておくがいい。ヨキほどの人間は、島中探してもそうそう居らん。
それでいて、ヨキを喜ばすのは誰よりも簡単ぞ」
(雄が身を寄せたことに気付くと、ふっと声を零す。
右手で雄の左手を掬い取り、その手の甲に口付ける。
悪戯めいて軽い、一瞬のこと)
「少し休もう。温かい飲み物でも入れるよ。
……もう少ししたら、夕飯でもこさえてやろうか。
あまり大手を振って外を歩くのも、君は憚るだろうから。
気の済むまで、ゆっくりして行ってくれ」
(雄からするりと離れて、湯を沸かし直す。
それから茶を淹れて、菓子を食べて、話をして。
日が落ちれば、早めの夕飯を共にすることもあるだろう。
雄が辞去するその時間まで、ゆっくりと穏やかな時間を過ごす)
ご案内:「ヨキのアトリエ」からヨキさんが去りました。
■加賀背 雄 > はい、ありがとうございます、ヨキ、せん……せ……
(元気よくお返事をしたところで、そっと相手の手が動く。
自分の手を取り、何をするのかと思ってじっと見ていると…
唇が触れた。 あまりの出来事に毒気を抜かれ、ぽかんとした表情を浮かべる。)
は、はいっ、ありがとう、ございます……
(キスしてもらった手を、もう片方の手で大事そうに包見ながら、
立ち上がるヨキ先生をじっと見つめる。
自分の中の何かが強く揺さぶられているけれど、その正体が掴めない。
結局、ヨキ先生のおうちでご飯を頂いて帰るまで、その謎が解明されることはなかった。)
ご案内:「ヨキのアトリエ」から加賀背 雄さんが去りました。