2016/06/05 のログ
ご案内:「訓練施設」に美澄 蘭さんが現れました。
ご案内:「訓練施設」に那岐夜車丸汀さんが現れました。
■美澄 蘭 > 蘭と汀の訓練風景は、まだ続いている。
「いいえ、気にしないで。凄いものを見せてもらったから…」
そう言って、音叉をしまう蘭。
「持ち運び出来る楽器か…そうなると私はちょっと辛いかも」
「私がやってるのはピアノだから」と、苦笑い。
「…でも、音楽でそんなことが出来るのって凄いわね。
曲で効果が変わるとなれば、尚更。
…私、楽譜が置いてあるお店はいくつか知ってるの。そのうち、一緒に行きましょ?
レパートリーは練習で増やせるんだし」
そんなことを、にこにこと楽しそうに笑いながら、弾んだ声音で言う。
■那岐夜車丸汀 > 時々一人で訓練まがいの弾き語りを時と場所を選びながら行った事はあれど、
今みたいな一人以外で訓練を行った事はない。講義や実習以外を除けばレアかもしれない。
「すぐに気づけず申し訳ございません。」
器用にだが弾きつつも歩いたり姿勢を正したりしている。
弾く事によって音による魔術を起動させるのだから、其れ位出来ないと実戦等ではいい的扱いになってしまう。
「ピアノ。…鍵盤楽器でありましたら アコーディオン等が持ち運び可能でしょうか。
然し あれはもはや別物でありました様な」
音色がレクイエム(鎮魂歌)から変わった、
柔らかく癒されそうな音色へと極自然に旋律を変更し弾き続け
「私の記憶は蘇る事があればこそ レパートリーや効果が増えそうですが、
体が覚えていそうで…あ、今弾いている曲は即興で御座います
…楽譜売っている店があ、ありますと? 其れは是非に!」
総譜等があれば 楽譜は出来たら点字の楽譜があるといいかなと希望が膨らんでいく。
弾いている即興の調は余韻を残して 一曲分弾いて終わりを告げた。
指の間で弓を回してから弦から離して下し 一礼をしておこう。
「御清聴有難う御座いました。」
■美澄 蘭 > ヴァイオリンを弾きながら歩いたり姿勢を変えたり。
軽やかに動く様子を見て
「器用ね…」
と感心しきりの真顔で零す。ピアノもペダルで足は使うが、椅子がある分体重移動はそこまでシビアにはならない。
「アコーディオンは…右手の鍵盤は何とかなるかもしれないけど、蛇腹の動かし方とか、左手のことがあるから完全に別物ね」
「あれはあれで好きだけど音楽のジャンルも違うわね」と、少しだけ笑いながら。
そうこうしていると、曲調が柔らかいものに変わる。蘭は心地よさに目を細めた。
「そうね…記憶が蘇るのと、新しいのを覚えるのと。両方で広がっていったら素敵よね。
…え、これ、即興なの?すごーい!」
即興と聞けば、目を大きく一回瞬かせてから、その技術への憧れに表情と声を輝かせる。
演奏を終える汀の一礼に、めいっぱいの拍手で応えると、
「ううん、私の方こそ色々凄いものを見せてもらったり聞かせてもらったり、凄く…そう、楽しかったわ!
ヴァイオリンなら、ピアノほどじゃないにしろ結構あると思うの。今度一緒に行きましょうね」
そう言ってにっこりと花のほころぶような笑みを零す。
点字の件については今のところ蘭は思い至っていないが、最近は楽譜の点訳システムなどもあるので何とかなるのではないだろうか。
「………じゃあ、今度は私の番…かしら?」
そう言って、今度は自分の見せる元素魔術のための環境設定のために端末をいじり始めた。
■那岐夜車丸汀 > 弾きながら実は走ったりジャンプしたり 所謂弾きながら行動は普通に出来る。
全盲にして異能と感覚に生きる為には是位は出来なければ。、と
ピアノはバイオリンを弾くに当たり 素人に毛が生えた程度だが弾くのは出来る。
でも最低限の一寸うまいね位だ。彼女のピアノの腕前は分からないが雲泥の差だと思う。
「何せ 本名も分からないので 名前自体が作った俗名です。
いえいえ、日々の聴こえる自然の音 普段は気に留めない生活音等も含めますと、幾らでも曲の調は出来まして」
即興の調である為 また再び弾いたとしても違う旋律 違う音階になりそう。
拍手を受けて 恭しく振る舞ってから後に、持っていた楽器と弓をーそれも召喚していたのか、
光の粒子となって形を失い消えてしまった。
そして手ぶらとなり少し離れた処で毛繕いをしていた梟のヤシャを呼ぶと
てってってと歩いてきた梟を抱き上げて肩に置こう。今度は彼女の魔術を
異能と感覚と梟のヤシャによる視覚と、耳で視るのだ。何か操作している音がする、自分は操作が難しいが
彼女は見えているので端末の操作による環境設定はお手の物かも知れない。
「先輩の…魔術の属性などは 何でしょうか? 詠唱は必要ありましょうか?
個人的に気になりますのは それは 魔力を持った存在でありましたら誰でも使えるのでしょうか?」
個人的にそれだけは気になったので 今までいた処を彼女に譲るように移動をし 見学のスペースへと何となく移動を。
■美澄 蘭 > 「本名も分からない」と言われると、「え」という声を漏らしてしばらく言葉を失った後。
「…いつか、思い出せると良いわね。色々と…」
と、少し潰れたような声で零した。
「そっか…耳がいいと、色んなところが曲のアイディアで溢れてるのよね。
…そういえば、タイプライターを使った曲なんかもあったっけ」
考えるように視線を上に放り投げながら。
実用品を舞台に乗せる発想は今でも素晴らしいと思う。
直観には優れたものを持っていながらも、性格がそれを発揮するのを邪魔することが少なからずある蘭なのだった。
「魔術は…元素魔術ね。詠唱は…基本だけならいらないけど、重ねて発動させる時には使うわ。
魔力があんまりなくても、あれば使えるわね。個人差はあるみたいだけど」
そんなことを説明しながら、先ほどまで汀がいたスペースの方に、以前見せた放射魔術と同種の水晶体の的を…「1つだけ」出現させる。
「じゃあ、まずは基礎の基礎から見せるわね。
私が習った元素魔術の授業で一番最初にやった、魔球魔術」
そう言って、今度は蘭が訓練スペースに向かい、水晶体に向き直った。
距離は、5mほどだろうか。
■那岐夜車丸汀 > 本名は本人は無論 持ち物全てを見ても(見たのは召喚獣)何処にもなかったのだ。
名が無いと流石に学生証が作れそうになかったので、適当に造ったらほぼ名前と名前ではという名が出来た。
是が 『那岐夜車丸汀』という由来なのだ。
彼女の搾るような声に「ゆっくりですが 思い出してゆきます」と答えておこう。
「タイプライターを使った曲は、オケ曲では?ラジオで聞いた事があります。
時々 森とかにヤシャとかクロを連れていきますが いいアイディアが聞けますよ?気分転換に丁度いいと思いますが」
肩に載せたヤシャに干し肉入りのパックを帯から取り出すと 一つ出して食べさせよう。
待たせておいたし その間おとなしくしていたから のご褒美として。
「無詠唱ですか、重ねて?威力を高めるのですか? 魔力が少なくても使えると…いい事を聞きました。」
音と梟のヤシャが視た情報が念話で伝えられてくる、的は一つ、距離は遠くはない。
一応 音の出ない異能でも確認した。是より繰り出される魔術の威力を肌で感じる為に 黙ろう。
「お願いします、魔球魔術…響き的に炎球か収縮した魔力を球にして打ち出すといったところでしょうか。」
逐一 舌打ちと肩に止まっている梟に場の様子を見て貰いながら場の把握に努めよう。
■美澄 蘭 > 「…私じゃ、色々一緒に見たり聞いたり、話したりすることくらいしか出来そうにないけど…
力になれそうなことなら、声をかけてね」
そう言って、弱いながらもその分優しげな笑みを向けたのだった。
声は、幾分通常の様子を取り戻しているだろう。
「ええ、オケ曲なんだけど。楽しい感じだから結構テレビでも聞くし、覚えてたのよね」
「タイプライター」が流れるような楽しげなテレビ番組を蘭が結構見たことがある、というのが蘭の人となりを知る人間からすると驚きかもしれない。
(実際のところ、中学校までは今ほど勉強時間を必要としていなかったので、その程度の余裕はあったのである)
「森かー…鳥のさえずりを取り入れた曲なんかもあったわよねぇ。
あれ、お母さんが持ってる音源の中に入ってたんだけど。
…この島の森って言うと、農業区の島まで行かないと管理されてないから、ちょっと怖いでしょう?
だから、なかなか行く機会もなくて」
そう、苦笑い混じりに零す。
蘭はどこまでも戦闘慣れとは無縁なのだった。…少なくとも、今のところは。
「なぎささんくらい魔術が使いこなせるなら、まず問題無く使えるものだと思うわ。
炎を撃ち出すことも出来るけど、例えば…」
そう言って、的の方に手をかざし集中する。
練り上げられる「風」の元素が強く圧縮され、渦を巻く球体となって…的めがけて放たれる。
鋭さを感じさせる速さで放たれた風の魔球は、水晶体に当たった途端、バンッ!という音すら伴って、強く弾けた。
水晶体が、クジャク石のような鮮やかな緑に染まる。
汀には、それが濃厚な風の魔力の残滓と映るだろうか。
「こんな感じね。火、水、風、土の四つの元素の力を、それぞれ球状にして撃ち出すの。
なぎささんは風を魔術に取り入れているし…私もその四つなら風が一番得意だから、参考にしやすいかと思ったんだけど、どうかしら?」
そう言って、汀の方に向き直った。
■那岐夜車丸汀 > 「時々 こうしたお話が出来るだけでも嬉しいのですよ。
会話の中でも 唐突に思い出す事もありますので。…お気遣い有難うございます」
微笑を浮かべていると声のトーンを聴く限りそう判断を。
然しどことなく随分気分を落としてしま…原因は私か!
「テレビは生まれてからこの方 見た事は叶いませんが…分厚い塊から壁にかかる薄型まで幅広いようですね。
その曲はタイプライターが最初から最後まで打ち込まれているとか。
森の鳥の囀りシリーズでしたか、CD。…農業区は遠いですよね…
まぁ、遠いですが 赴くと 私は元気に慣れますよ、ま…魔女だった?」
生憎全盲なのだ 見ることは叶わないが、テレビの形状は随分前に視たのだ。だから覚えている。
そして、森の事になると喋ってて語尾が疑問形になってしまった、森いくと元気になるのは魔女だったから、と。
…何か思い出した気がする 気はする、多分。…んーっと片手を顎に当てて考え込み
「そうでしょうか? お、…魔力の残滓が視えますね。風ですね。
火と風と水と土…ほうほう、いい事を学べました。風にもそのような使い方が。」
水晶体が薄いものだったのが魔術が当たった事で濃くなった。
然し 同時に 素朴な事が気になってしまう それは。
考えていた状態から頭を上げ
「魔術師 一人では戦闘出来ましょうか? 接近を許してしまえば聊か不味い気がします。」
美澄先生 どうなのですか、と先輩呼びではなく何となくだが先生呼びにして再び質問をしていこう。
■美澄 蘭 > 「…やっぱり、折角こうして知り合えたんだし、出来る範囲で何か出来たらな、って思うでしょう?
だから、あんまり気負わないで」
気分を落としたお前が言うのか、という感じではあるが、表情も、喋り方の調子もはほぼ元通りだ。
「ええ…分厚いのは私のおじいちゃんが子どもの頃か…下手するともっと前のものじゃないかしら。
音声で補佐する機能なんかは、テレビが始まった頃に比べると凄く充実したみたいだけどね。
いいえ、「森の水車」って曲なの。鳥の鳴き声とか、水車が回る音みたいなのが入ってるオケ曲よ。お母さんが持ってる曲集に入ってたの。
ええ…美術館にはたまーに行くんだけど、そのくらいね。
………自然に触れてリフレッシュ出来ること自体はそんなにおかしなことじゃないと思うから、「魔女」かどうかは………」
何やら思考が飛躍したらしい汀の様子に、少し困ったような笑みを浮かべながらもそんなフォローをする。
…この場合、フォローが「フォロー」として機能するのかは定かではないが。
「そう、風の魔球よ。
同じように水の球とか…丸い岩なんかを撃ち出したりすることもあるの。
詠唱を重ねると複数個撃てたりするけど…違う元素の詠唱を重ねるのは難しくて、私もまだやったことないのよね」
「魔力のコントロールが個人的な課題なの」と言って、いたずらっぽく肩をすくめてみせる。
声の調子も、気持ち弾んだだろうか。
………が、「1人で戦えるか」の疑問には、その表情を笑顔のまま強張らせて。
「………そうね、厳しいでしょうね…。
近づかれる前に相手を抑えるか、じゃなきゃ近づかれないようにする何かをするか…
近づかれても良いような手段も取れるのかもしれないけど、私はそっちの方はまだ詳しくないのよね。
…私の場合、近づかれないように何かするとしたら、最初に見せた放射魔術くらいしか、出来ることがないわ。…少なくとも、今は」
「だから、「先生」なんて大したものじゃないのよ」と、困ったように笑う。
■那岐夜車丸汀 > 「今は色は付きましたか?テレビ。…何分 私 テレビとか機械類に疎くてでして。
…そんなシリーズがオケ曲にあるとは。…やはり時々音楽を聴きに行かねばなりませんねっ!
魔女でもなくても 元気になりますか…思い違いでしたかね」
思考は時々跳ぶ。大体記憶喪失なのだ。名前とか使っていた魔術とか所々穴空いているようにない。
彼女からフォローされると 勘違いしていたように思えてきて 落ち着いてきた。
「…詠唱は余りした事が無いので何とも。難しいのですか…」
あ、固まらせてしまった!一人で戦えるかという疑問で。
またやってしまいました、と内心焦ってはいる、何か言わねば言わないとまずいです、と
「じゅ、純粋な魔術師でしたら、護衛か召喚獣を引き連れてはいかがでしょうか?
それか、ステッキ…杖でしたか、それらを使う護身術を習われては、と。
私は…自分の間合いが大体分かりますので…剣術が護身程度に出来ます。円を描く様な戦い方ですね。」
「一人でも行ける 術を身に着けては?」と先生呼びはしないでそう言葉を返そう。
と、そろそろ 帰らないといけなくなってきた。時間は分からないがヤシャが耳たぶを甘く噛んでいる。
…この仕草をする限り そろそろ帰ろうと言っているサイン。であれば、
「美澄先輩 そろそろ 私帰ろうかと思いますが、如何されます?
…ああ、 此度は 魔術講義有難う御座いました。今後の参考に致します故」
会釈程度に頭を下げよう、肩に止まっている梟も頭を動かす素振りを。
■美澄 蘭 > 「色は、おじいちゃんが物心ついた時には既についてたみたいよ。
シリーズっていうか…単品?クラシックって歴史の蓄積が凄いから、有名な曲だけでも凄い数になるのよね」
「私も知らない曲が一杯」と言って、朗らかに笑う。
「森林浴が健康にいいみたいな話は昔からあるみたいだし…魔女に限らないんじゃない?」
「いきなり発想がそっちだったからびっくりしちゃった」と無邪気に笑う。
こうして見ると、蘭もまだまだ子どもではあった。
「詠唱の仕方は、ルールにさえ沿ってれば結構人によるみたいよ。
私も、魔球魔術の詠唱はシンプルだし。
…同じ元素の詠唱を重ねるのも結構魔力のコントロールに気を遣うから、なかなかね」
そう言って伏し目がちに微笑む蘭。
魔術師としての素質は十分ながら、まだまだ駆け出しであった。
「護衛、召喚獣………うーん、召喚ってまだしっくりこなくって…。
危ない場所に行く時は、信頼出来る人についてきてもらおうとは思ってたんだけど。
武器を使う護身術かぁ…」
「うーん」と悩むような声を上げる蘭。実際、蘭は魔術の行使において触媒をほとんど使っていないのだ。
「…そうね…出来るに越したことはないものね。
そういう実技講義もそのうち取ってみるわ。付け焼き刃でも、ないよりはマシだものね」
この島にそれなりの不穏が渦巻く場所があることは、流石に二年生にもなれば分かる。
神妙な顔をして、頷いた。その声は、少しばかり通常より重たく。
「あ、もう帰るの…じゃあ私も一緒に帰ろうかしら」
「もう外真っ暗になっててもおかしくないし」と。
しかし、相手から頭を下げられれば、とんでもないという風に手を振り。
「まさか!私の方が教わることが多かったくらいよ。
寧ろ、なぎささんに満足してもらえるものが見せられたかどうか、心配なくらいだもの」
と、声のトーンとボリュームをいつもより上げて。
…それから、一つ息を吐きだして気分を切り替えると。
「…だから、私の方こそありがとう。
魔術の勉強とか、護身術とか…色々、頑張っていきましょうね」
そう言って、はにかんだ笑みを浮かべた。声は、随分と柔らかく、少女としては甘かった。
そうして、2人の少女と一羽の梟は、訓練施設を後にしていくのだろう。
ご案内:「訓練施設」から那岐夜車丸汀さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」から美澄 蘭さんが去りました。