2016/06/24 のログ
ご案内:「クローデットの私宅」にクローデットさんが現れました。
クローデット > 「ふふふ…」

楽しげながらも、どこか暗さを伴った笑い声を漏らしながら、クローデットが私宅の奥の小部屋で何かを鍋に入れて火にくべている。
ぶつぶつと、何か呪文めいた言葉を呟いたりしながら。

そうこうしているうちに、鍋の中から、カラカラと硬質な音がし始めた。

クローデット > 「…形は、整いましたわね?」

鍋の中に転がっていたのは、漆黒のガラス玉…のように見える何か。
右手の小指の指輪をそれにくっつけて、ガラス玉の性質、そこに書き込まれた術式を確認する。

「………問題はなさそうですわね。
もし不具合が生じたとしても、あたくしの防壁を壁を対象に展開すれば、似たようなことは出来るでしょう」

「成功しているに越したことはありませんが」と言って、楽しげな笑みを口元に刻んだ。

クローデット > 今は「裏」の住人を油断させる目的もあって、クローデットは一時的に落第街巡回の任を外れているのだ。
その間に、件の「玩具」を「捕らえ」るための小道具の開発を試みていたのである。

恐らく、「死刑宣告」すれば「説得」に応じさせることは十分可能だが…万が一、逃走を図られたり…億が一、あの「玩具」の異能が遠隔で作用して検挙に当たる委員に被害を及ぼそうものなら、クローデットの責任問題につながりかねないのだ。

(あの姿では用心棒としての威圧どころか逆方向のトラブルを招きかねないでしょうから…ないとは思うのですが)

そんなわけで作ったのがこれ。
一度発動の意思を持って放ると、その周辺の任意の空間に異能の効果を封じ込め、外側と遮断する術式を展開する消耗品の魔具である。防御術式を、ある意味反転させた形のものだ。
遮断する障壁はうっすらとだが見えないことはないので、件の「玩具」相手に使う場合は、「説得」を行う密室と障壁を張る空間を一致させることになるだろう。

クローデット > 異能はあまりに多岐に渡るため、定義が難しい。
「物理・科学的なもの、魔術的なもの『以外』」というしかなく、(クローデット主観で)実用レベルの防御術式を構成するのは結構手間と魔力を消耗する。
この魔具も、今回の件では使わない対魔術用の方が、これより先に出来上がってしまっていた。

(…まあ、成功したようですし構いませんけれど)

玉を細く美しい指で摘み、わずかな明かりに透かすように持ち上げてみる。
漆黒のそれは、全く光を通しはしなかった。

クローデット > (…決行の日が楽しみですわね)

光を通さない闇色の玉を、満足げに大きいガラス瓶の中に落として。

(もういくつか作ったら…電力を魔力に変換する機構の改良でも考えましょうか)

ふふふ…と楽しげかつ妖しげな笑みを零しながら、クローデットが小部屋の中の、怪しげな物品が入ったガラス瓶に手を伸ばしていく—

ご案内:「クローデットの私宅」からクローデットさんが去りました。