2016/10/21 のログ
ご案内:「休日の「ニルヤカナヤ」」にセシルさんが現れました。
セシル > 「………。」

休日のファミレス。セシルは、アイスクリームとコーヒーを前に実に落ち着かない思いをしていた。

『あ〜、やっぱり同性として惚れ惚れしちゃうなぁ…』
『ホント、ラフフェザーさん綺麗なんだもん』

目の前には、それぞれ自分の好みの私服を着た、事務方の同僚。
そして、セシルの服装は…

ラベンダー色のカットソーとカーディガンのアンサンブル。
紺色の、すねほどまである丈のロングスカート。
ロングスカートの中からは、黒いタイツに包まれ、そしてグレーのショートブーツを穿いたすらりとした足が伸びている。

…それに、普段はやや適当に括られている髪は丁寧なストレートヘアに整えられ、おまけにその唇にはうっすらと化粧のつや。

腰に差した、いつもの二振りの剣が不釣り合いなほど、今日のセシルは「女子」だった。
鍛えているとはいえ、筋肉が劇的に隆起しているわけではないセシルは、女性ものの服を着れば普通に「女子」になってしまうのだった。

ご案内:「休日の「ニルヤカナヤ」」に龍宮 鋼さんが現れました。
セシル > 無論発端は、先日の委員会街ラウンジでのやりとりである。
丁度三人の休日が揃った日、セシルはまず朝から異邦人街の服屋を引きずり回され(服代は、同僚たちの比率高めの折半となった)、その後歓楽街のドラッグストアで化粧道具を買い…最後に女子寮で着替えとヘアメイクを経て、「お疲れ様でした」も兼ねてこうしてファミレスでスイーツを楽しむに至ったのである。
…もっとも、甘いものに不慣れなセシルは、軽めのアイスクリームにドリンクバーのコーヒーにしており、同僚たちのようにボリューミーな(とはいってもメニューとしては常識的な範囲だが)甘いもの、というわけにはいかなかった。
………どっちにしろ、落ち着かない心地でさほど食欲の湧かないセシルであったのだが。

『セシルさんのパーソナルカラーなら、ぜーったい寒色系だと思ったんだよね。大正解!』
『本当はもっとメイクもばっちりにしてあげたかったんだけど、流石に無理は言えないからね〜』

「あ〜………こほん、………流石に、それは勘弁してくれ。
ただでさえいつもと違う服装が落ち着かん上に、唇のべたつきの違和感が…尋常じゃない」

セシルのエネルギーを吸い取っているのではないかと思えるような、同僚たちの高揚。

そして…咳払いの前後で、セシルの声が変わる。
咳払い前はいつもの声だったが…その後は、落ち着きのある、優しいアルト。
決して高くはないというか、女性にしては低い部類だが…声の柔らかさ、自然な細さから、女性の声として自然に受け取ることが出来る声だった。

時折言葉に詰まっているのは、「違和感のない程度に厳格ではない言葉遣い」を模索しているためだろう。
しかし…居心地の悪そうな様子と相まって、「いじり」の域を超えているととる者もいるかもしれない。

龍宮 鋼 >  
(何か食べようと入ったファミレス。
 そこでいまどきの女子生徒といった格好の女子三人を見つける。
 それは良く見かける光景だ。
 しかし、その雰囲気がどうにも気になる。
 楽しそうな二人に対し、一人はあまり楽しくなさそうで。
 彼女らの前にあるスイーツとコーヒーもその雰囲気を作っているのだろう。)

――。

(あからさまに不機嫌な表情。
 しばらく案内に来た店員を無視してそのグループをガン見していたのだが、やがて歩き出す。
 店員の案内しようとする方ではなく、彼女らの方に。
 以前いざこざのあった風紀委員と言う事にはまだ気が付いていない。)
 

セシル > 『そっかぁ、やっぱり慣れないと気になるかぁ…』
『まあ、無理に馴らすのは「イジメ」になっちゃうし、無理には言わないよ』
「………助かる」

曲がりなりにも風紀委員なだけあって、一応最低限の良識はあるようだ。
セシルは、安堵の息をついてコーヒーカップを手に取り、少しだけ啜る。
…やはり唇の化粧の違和感が拭えないのか、気持ちよく飲む、というわけにはいかなかったようで、その表情は微妙だ。

『…でも、言葉遣いはもーちょっと柔らかそう?でもいいと思うなぁ、せっかく大人っぽい素敵な声してるんだし』
「………そうは言っても、こちらの日常で使えるような言葉遣いなど、教わってすらいないぞ」

同僚の片割れの言葉に、悩ましげに眉間に皺を作り渋い顔。

『あ、そっか。社会のあり方違うはずだもんね。
…せめて、普通の敬語なら中性的で落ち着くかなぁ?』
『あ、いいかも。ラフフェザーさんの声落ち着いてるから、媚びた感じにはならないと思うし!』

三人組のうち、楽しそうな方の2人が、残り一人の言葉遣いについてあーだこーだと言っている。
龍宮 鋼という人間にとって、面白くない展開なのは間違いないだろう。

龍宮 鋼 >  
(いじめられている?女子の顔は見えない。
 ちょうどこちら側の席に座っているからだ。
 しかし、その正面の二人は楽しそうになにやら話していて。
 断片的な情報から、どうやら彼女の話し方についてなにやら話しているようだ。
 「媚びた」とかなんとか聞こえる。)

――良くもまぁ人の言葉遣いでそれだけ良く喋れるな。

(顔の見えない女子の後ろから口を挟む。
 キレている、とまでではないが、不機嫌さを隠しもしない表情。
 勘違いならそれでいい。
 しかし、そうでないなら。
 自身の後ろで店員さんが青い顔をしている。)

セシル > 楽しげにしていた女子2人が、鋼の登場に顔を強張らせる。
そして、片方がその表情のまま彼女の名を呼んだ。

『………龍宮さん…こんにちは』

曲がりなりにも風紀委員だ、「彼女」の評判はよく知っていた。
…この場で、彼女を「キレ」させてはいけないことも。

そして、鋼の不機嫌オーラがこちらに向けられたことに気付き、あわてて振り向いた「女装」姿のセシルは。

「………」

鋼の姿をみとめて…困ったような、心配するような、微妙な表情で固まっていた。

龍宮 鋼 >  
(不機嫌オーラをバリバリに撒き散らしながら、彼女ら二人を睨みつける。
 勘違いならば違うと言うだろうし、それで納得出来るのならば謝罪して終わりだ。
 いつでもどこでも口より先に手足が出るわけではない。
 しかし彼女らの反応が、あまりにもそれっぽいものだったので、その疑惑が大きくなる。
 そうしてより不機嫌な声で続けようとして、)

――あ?

(三人目が振り向いた。
 その顔をどこかで見たような記憶がある。
 しばらく頭の上にはてなマークを浮かべたまま、彼女の顔をガン見。)

――あ!?

(そうして驚愕の声を上げて目を見開いた。
 以前ケンカを吹っかけた風紀委員ではないか。
 思わず他の二人へ目をやって、そして二度見。
 そんなキャラじゃないだろうとか、どっちかって言うと女軍人だろとか、ツッコミたい事が山ほど頭の中を駆け巡り、)

――――オマエそれは流石に剣置いて来いよ!?

(混乱のあまりかなりどうでも良いツッコミを入れてしまった。)

セシル > 女子2人が固まったのは、曲がりなりにも風紀委員という立場上「龍宮 鋼」という「正義の味方」嫌いの生徒相手には警戒せざるを得ないからという以上の意味はないのだが、高まる不機嫌オーラにどうしようかと不安を抱いていたところ…
まさかの、彼女の驚愕と、あまりにどうでも良さ過ぎて可愛いくらいのツッコミ。
今度は、女子2人が驚愕に目を丸くする番だった。

………一方、ツッコミを受けたセシルはと言えば、

「剣士が命を乗せる道具を蔑ろに出来るか!
…こほん、失礼した」

という、これまた斜め上の返しを普段の声でしたところで…
咳払いの後、柔らかい「地声」で詫びた。

『………ねえケイちゃん、こういうときどこからツッコミ入れてけばいいかなぁ?』
『…多分龍宮さんは間違ってないけど、ラフフェザーさんのツッコミどころだけで複数あるからね。どーしよっか、エリちゃん』

鋼とセシルが面白過ぎるやりとりをしているところで、かえって冷静になった女子2人は、彼女達の向かい側でひそひそと相談をしている。

龍宮 鋼 >  
(急に気が抜けてがっくりうなだれる。
 そうして面倒になったらしい店員は「お決まりになりましたらお呼びください」と早口で言って、すたすたと歩いていってしまった。
 どうやら勝手に相席扱いにされてしまったらしい。)

いやオマエそのカッコウには合わねェだろ。
むしろ一週回って逆にオシャレだわ。
――おい詰めろ。

(はぁーと大きなため息を付いた後、もう一度改めてツッコミを入れる。
 そうしてもう相席でいいやと諦め、座るスペースを空けるように手を振る。)

んでなんでそんな格好してそんな声出してんだよ。
――オマエらなんか言いてェことあんなら普通に言え聞こえてんぞ全部。

(彼女が場所を空けようが空けまいが勝手に座る。
 そうして改めてこんなイメージに合わない格好をしているのかを聞いておく。
 ヒソヒソ話をしている二人には、ビシリと人差し指を突きつけておいた。)

セシル > 鋼の「合わない」発言に、女子2人が猛然と身を乗り出す。

『ほんとだよね!当人がああ言うから仕方ないんだけど!』
『あれがなければ、ラフフェザーさんモデルでも通用するはずなのに!背が高いからロングスカートでも野暮ったくならないし!』

セシルは女子2人の勢いに改めて苦笑いを浮かべた後で、席を詰めるよう要求され…

「ああ、すまん。
…ただ、声に関してはこちらが素だ」

と、平然とカミングアウトを混ぜながら席を詰めて鋼が座れるスペースを作った。
…何か、こちらも一周回ってどうでも良くなった模様である。
そして、鋼の質問には改めて、

「いや、大したことじゃない。
非番の時くらいは、風紀委員としての立場を強調するのをやめてみようかと思ったところで、彼女達に捉まってしまっただけだ」

鋼相手に言葉遣いを変えすぎるのはかえって良くないと判断してか、以前より気持ち砕けたかなくらいの口調で、苦笑い混じりにそう説明する。
2人組の一方からすかさず

『だってラフフェザーさんが地声が恥ずかしいって言うから、いっそ見た目を声に寄せちゃったらいいんじゃないかと思って』

と、平然と説明が入る。しかし、どう考えてもそれは建前で、本音は「顔立ちが整っているセシルを綺麗にしてみたい」といういかにも「女子」といった欲望であろう。
…そして、ビシッと人差し指を突きつけられれば、もう一方が

『んー…今ツッコミ入れられるべきはラフフェザーさんだと思うから特にないけど…
あえて言うなら、「無茶は程々にね」?』

と、首を傾げて鋼の左手を気遣わしげに見ながら。

「………不慣れな格好と化粧をさせられた上で「ツッコミ入れられるべき」と名指しされるとか、何の罰ゲームだ?」

それらのやりとりを、セシルが悩ましげにこめかみに指を当てながら聞いているが…
普段のセシルを知っているなら、どう考えてもツッコミどころしかなかった。

龍宮 鋼 >  
何でそのカッコウで剣持ってんだよどう考えてもおかしいだろ。
「少女らしい可憐な佇まいの中に戦場での凛々しさをアクセントに加えてみました」ってかやかましいわ。

(普段ここまで長いセリフを口にする事など殆どないのだが、それでも尚長々と続けるほどにツッコミを入れたかった。
 あまつさえべしりと手でツッコミまで入れる始末。
 顔は完全にあきれ返っている。)

ああそう……。
別に好きなカッコすりゃいいだろうが。
風紀委員っつーのは暇なのか。

(彼女らの言い分を聞いて、素直な感想を漏らす。
 彼女ほどではないが、こちらも所謂女の子らしい格好を殆どしない。
 ましてや彼女のようなヒラヒラした格好は動きにくくて仕方がないと思うほどだ。
 だからこそ、彼女らの行為を「暇」だと称して。)

あーお暇な風紀委員サマのお手を煩わせるようなこたァ致しませんよ。
いちいち人のやることに文句つけんじゃねェ。

(そうして自身への気遣いの言葉には、皮肉をたっぷり含んだ答え。
 心配してくれている、と言うのはわかるのだが、どうしても風紀委員にはケンカ腰になってしまう。
 かといってそれを悪びれる風もないのだが。)

オマエのその服装と剣つー取り合わせがある意味罰ゲームだよ。
――ああおい、肉くれ肉。
ステーキ、一番でかいヤツ。

(ボヤキにツッコミを入れておいて、通りがかった店員に乱暴な注文を。)

セシル > 「…い、いや…だから…無いと落ち着かなくてだな」

えらく堂に入った鋼のツッコミに、しどろもどろとなるセシル。
普段の凛々しさはどこへやら。

『まあ、忙しさは人によるよね』
『それに、私達裏方だから』

「暇なのか」と聞かれれば、顔を見合わせた後平然と答える女子2人。

「………こちらの服というものがまだよく分からんからな、「好きなカッコ」もまだ定まらん」

一方、セシルは少しばかり苦み強めの苦笑いだった。

『文句じゃないよ、「お大事に」だよ。
龍宮さんが強いのはよく知ってるけど、自分の身体は大事にしよう?』

皮肉たっぷりに返されれば、むっとした表情で返す女子の一方。
鋼は一応正規の学生だし…そうでなくても自棄になって荒れて、そこで受ける傷をそのままにしている者は、見ていて「痛々しい」のだ。

「………そんなにか………」

ぼやきにツッコミで返されて、溜息を吐きながら目を伏せるセシル。

唐突な注文を受けた店員は、慌ただしくオーダーを取って厨房に伝えにいくことだろう。

龍宮 鋼 >  
あぁもう貸せ。
剣貸せ。
没収だ没収こんなモン。

(腕を伸ばして奪いに掛かる。
 抵抗されれば力ずくで奪う算段。
 無事奪えたなら、そのまま正面の二人に投げ渡してしまうだろう。)

マジで暇かよ。

(割と暇人らしい。
 呆れ顔を更に呆れさせて背もたれに身体を投げ打つ。)

真面目かオマエ。
好き嫌いの話してんじゃねーよ慣れたカッコでいいだろっつってんだよこの美少女剣士クソ真面目仮面。

(呆れすぎてツッコミがだんだん雑になってきた。
 風紀委員の前でも煙草を吸おうとポケットから取り出したが、喫煙席じゃなかった。
 舌打ちしてポケットに戻す。)

余計なお世話だッつってんだよ。
今更気ィ使ってんじゃねェ。

(彼女らも風紀委員ならば、自身の過去について知っているだろう。
 風紀委員がもっと早く解決出来ていれば、確かに今よりはマシだったのかもしれない。
 当時はそれで最速だったのだろうし、色々手続きや準備があったという事も理解している。
 そんなことを彼女ら内勤のものに言っても仕方がないだろう。
 それでも、当事者としてはそう思わずにいられない。
 怒りを目に宿しながら、ドスの効いた低い声で静かに告げる。)

――パフェのど真ん中にポテトフライ突き刺さってるようなもんだ。
どっちも不味かねぇが違和感やべぇ。

(一方彼女に対しては、口調は乱暴だが言葉に棘は無い。
 一度ケンカした仲という感覚と、彼女に感じている「借り」と言う感情のせいだろう。)