2018/07/29 のログ
ご案内:「第二器楽同好会打ち上げ会場」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > 個室の中、いかにもコースという感じの料理が並べられたテーブル。
それを囲む若者達は、そこまでチャラチャラしているようには見えないものの、見た目に気合いを入れた名残のようなものが伺える。

『お疲れ様でした!それじゃー、かんぱーい!』

「「「かんぱーい!」」」

ソフトドリンクでの乾杯の音頭に、明るい声が重なって続いた。

美澄 蘭 > 『何とか大きい発表会が1つ終わって良かったね〜、しばしの充電だ』

準備、本番、片付けと体力を使い、体が水分を欲していたのだろう。
ジュースを一気に半分くらい飲んでしまった一人が、そんな言葉を零す。
実際、常世祭に向けた準備が本格的に始まるまで、同好会はしばし団体単位での動きを止めることになる。

『…そういえば美澄さん、演奏会は今回で最後にするんだよね。ピアノ専門の人減っちゃうから寂しくなるなぁ』

会話の中でそう話しかけられて、蘭は少しどきりとしたように動きを止め…

「…ええ。今度の試験の結果次第では伴奏を少しくらい引き受けてもいいかなって思うんだけど…
どうなるか分からないし、卒業するとなると魔術とか異能の制御試験もあるから、厳しいかなって」

そう言うと、少し寂しそうに視線を落とした。

美澄 蘭 > 『いやいや、受験勉強に制御試験ってめっちゃ忙しいじゃん。無理は駄目だって』

少女の今後のスケジュールを心配する声が当然出る。

「うん…そうなんだけど、やっぱり音楽っていう趣味も私にとっては大事なものだし。

…まあ、部屋にも練習用のキーボード置いたし、しばらくは気晴らしに部屋で弾くだけでも出来れば…って感じかしらね」

「完全に鈍っちゃうのも嫌だし」と、周囲の心配を払うことを望むかのように、蘭は軽くふざける感じで肩をすくめてみせた。

美澄 蘭 > 『まあ、煮詰まっちゃったらたまに部室に顔出しなよ。空いてたらピアノだって触れるしね』

同好会会長がそんな風に言うと、蘭は

「…ありがとう。常世祭の発表会は、何とか時間を作って行くから」

と、受け入れてもらった安堵が溢れるような、柔らかい笑みを零した。

美澄 蘭 > 『うわ、プレッシャーだなぁ…元実技授業履修者が純粋な聴衆として来るなんて』

学年としては後輩にあたるピアノ専門のメンバーが、軽くおどけるような苦笑いで言う。

『いっそアドバイザーとして抱き込んじゃったら?』

別のメンバーがさらにおふざけ発言を重ね…

『だから、忙しい人をそうやって巻き込まないの!』

ツッコミが入るところまでがセットだ。蘭は、その光景を見て、声をあまり出さないなりに、楽しげに笑った。

美澄 蘭 > この学園で、同年代の者達と関係を紡ぎ、その中で何かを為すことを「思い出せた」蘭。
この島を離れてしまったら…よほど努力をしないと維持出来ない絆ではあるのだろうけれど、紡いだ経験そのものが、きっと今後の糧になる。

その喜びを噛み締める蘭を内に包容したまま…打ち上げの時間は、賑やかに過ぎていくのだった。

ご案内:「第二器楽同好会打ち上げ会場」から美澄 蘭さんが去りました。