2015/11/01 のログ
ご案内:「常世大ホール ピアノ実技受講生発表会」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > 時と使用状況により、その姿を大きく変える常世大ホール。
今日は、中央にステージが作られ、そのステージを横・後ろ・上を囲むように反響板が設けられている。そして、その反響板の前側の客席のみが開放されている形だ。

ステージの中央には、ピアノと椅子のみが置かれている。
夕方より始まった、ピアノ実技の中級授業を履修している学生達による発表会も、いよいよ最後のプログラムになろうとしていた。

美澄 蘭 > あまり高度でない授業を履修している学生達の発表会なので、演奏される曲目は比較的易しいものや、教育目的に作曲されたようなものが多かった。
それでも、それらを音楽的に丁寧に表現しようとすれば、かなりの練習が必要になる。
学生達は、それぞれ精一杯の装いをし(ハロウィーンが絡む週末の発表だったため、仮装している者もいた)、
ステージのプレッシャーと闘いながら…それぞれ、精一杯の演奏をしていた。

そして、次の演奏者と曲目を告げる、通りの良い女声によるアナウンスが会場に響く。

『8番、美澄 蘭。
曲は、クロード・ドビュッシー作曲「前奏曲集 第一巻」より
第5曲「アナカプリの丘」、第10曲「沈める寺」』

美澄 蘭 > アナウンスの後、すらりとした少女がステージに現れた。
髪をまとめ髪にし、更に大きめの花飾りを付けているので、露出した首筋の細さが際立つ。

そして、彼女が身に纏うのは女性的な薄紫を基調にしたドレス。
見頃に花柄のレースをあしらい、スカートはAラインながらオーガンジーを重ねている。
更に、腰回りのサテンのベルトが全体の印象を引き締めた、メリハリのあるデザインだ。

少女は、意思の強そうな瞳でまずは前の方に出てきて、綺麗な姿勢で礼をする。

美澄 蘭 > お辞儀をした後、少女はピアノの方に向かっていく。
椅子に腰掛け、高さと位置を合わせると…そっと、鍵盤に手をかけ、そして弾き始めた。「アナカプリの丘」の演奏の開始だ。

水の波紋が伝わっていくような、ゆったりした響きの旋律の後、軽快で透明感のある速い旋律と、和音。
もう一度ゆったりした旋律が鳴るが…その後、低音と高音の和音が交互に鳴らされ…そして、競うように曲が速度を増していく。