2016/10/17 のログ
ご案内:「とある異世界」に久世藤士郎時貞さんが現れました。
久世藤士郎時貞 > うっそうと茂る森の中を一人の武者が駆け抜ける
馬も連れもなくただ一人走る様は敗残兵のそれだ

「畜生・・・・・・!神器持ちがいるなんて聞いとらんぞ」

そう言って思わずひっつかんだままであった大将首を恨めしげに眺める

「あの女・・・・・・首を飛ばしても平然としよってからに・・・・・・くそっ」

自分が侍大将の首を取る間にこちらの総大将が討ち取られてしまった
跡目のいないあの国では今後泥沼の後継者争いが始まることだろう
後生大事に抱える首も今となっては無価値かも知れない

どんよりとした気分をかぶりを振って切り替える
なによりもまず自分の命すら危ぶまれる状況だ
まずは生き残らなくてはならない

幸いここいらの土地勘はある
ここを抜ければ合戦前に詣でた社があったはずだ

こうして命だけ永らえたことの文句でも言いつつついでに休ませてもらおう
と言う心づもりであった

ご案内:「とある異世界」に.宮比 奏楽さんが現れました。
ご案内:「とある異世界」に宮比 奏楽さんが現れました。
ご案内:「とある異世界」から宮比 奏楽さんが去りました。
ご案内:「とある異世界」から.宮比 奏楽さんが去りました。
ご案内:「とある異世界」に宮比 奏楽さんが現れました。
宮比 奏楽 > 「――んあーん?」

なんか変な感じがする。
てか、臭い。臭い。

社。その、外。入口
賽銭箱のところ――そこに童がいた。
瓢箪をもって。あたりに、ごみやら、なんやらをまき散らしながら。
横になりながら、けつをかく。
どこからどう見ても淑女には見えない――
童がいた。

「なんかがさがさ、うるせぇ……あー、あたまいたい……」

どこからどう見てもやけ酒である

久世藤士郎時貞 >  
臭いのは血のにおいだろうか
もっともみな返り血だが

「なんじゃわっぱ、こんな所に
 近く合戦があるお触れはあったじゃろうに
 早う逃げんと怖い鬼が来るぞ
 とくといね」

べとべとのまま境内に腰を下ろした
首はもはや肘置きとかし、少女を恨めしげに見つめている
つめたい地面に腰を下ろすのと床があるのとではやはり体力の回復具合が違う
と、一息つけば思い出したかのように賽銭を放り込んだ

一銭

なんともしけている

しかし血のにおいでなかなか気付かなかったが、なにやら酒臭い
酒盛りでもあったのだろうか?
合戦中に?
それでこの童がおいていかれたのか
だとすればひどい親である

そう思いながらぼんやりと少女を見つめた
ダブル視線である
微妙にどちらも目が死んでいる

宮比 奏楽 >  
臭い。いや、ほんっとにくさい

きもちわるい、あたまががんがんする……

「わっぱゆうな……これでもわらわは、おまえよりとしうえだぞ! っていうか、一銭とか……もっとよこせやこらーっ」

完全に酔ってるようなものいい。
この童が飲んでいたのがすぐにわかるのかもしれない

「っていうか、きもちわる……なんかしせんをかんじる……きもちわる!! そういうしゅみかよ!! きもちわる!!」

ぐびぐびっと瓢箪をもちあげるが――
すぐに中身がなくなったようで……

「あ、ああーーん?」

中身をのぞいて振っても、でてこない。
ぶんぶん降っても出てこない

「こわーい、おにじゃなくて――おおかみ? だっけ? だったりして」

久世藤士郎時貞 >  
「なんじゃ?このわっぱ―――んっぐおっ?酒くさっ。うぉ」

首根っこをつかみ匂いを嗅いでみれば口からかおる猛烈な酒精。
戦で昂ぶっているこの身にはなかなかきついものがある
のんでいたのはもうこいつで間違いない
と言うか現在進行形でのんでいる
その歳で酒におぼれようなどろくな大人になるまい
どう見ても幼女だ

漂う酒精におもわずぽいっと雑に放り出して応える

「獣風情などものの数ではない―――ん?ああ
 ぬしのような未成熟に一切興味は無い」

と、きっぱりと言い切った

宮比 奏楽 > 「あいたぁ!?」

ぞんざいな扱われ方。
雑な扱い。
投げられればきれいに尻から落ちた。

「おまっ、お前っ!! そんな扱いしてもいいのかっ、ええのんかっ。ご利益も何もかもなくしてやるぞ! わらわの家を血やらなんやらで汚しやがって――っ」

むきーっと癇癪を起す幼女。

「だから未成熟とかゆうな!! 成長期って言え!! まだまだのびるんだからなーーーーー」

うがーっと、言ってくる。

久世藤士郎時貞 >  
「未来を語ろうとも現状は変わらぬ
 ぬしは洗濯板よりもまったいらよー

 ――ん?家?」

流石に社といえど人が住めるようなものではない
そしてついた尻餅からちらりと見えるのは猿の尻尾
そういえば自分よりもはるかに年上のようなことも言っていた気がする

人語を解しながらも獣の特徴を持つそれは

「―――神鬼!!」

仮に本当に神鬼ならば人の身でかなうべくもない
怒らせてしまえば待つのは死あるのみである

おもわずじりっと後ずさりする

こういったものを視る目を持たない事をここまで恨んだこともない
死地を乗り越えてまた死地とは・・・・・・

とんだ御利益もあったものだ

宮比 奏楽 >  
「そうだ、いえだ。いえでくつろいでなにがわるい!
 さいきん、さいきん……しんこうしゃがいなくなって――すこしずつすこしずつ……」

ぶつぶつといいながら、とても威厳のないような態勢で。

しっぽがひらひら、隠していたものがゆらゆらと揺れる。

「そうだぞー、神鬼だぞー……うらやめ!! こびろ!! しんこうしろっ。わがらはそら!! そらなるぞっ」

わははーっとすごく威張った。
幼女の恰好ゆえに全く様になってない

久世藤士郎時貞 >  
「くっぐぐ・・・・・・」

自分であれば気付かせることすらなく首を落とせる―――はずだ
が、もしも失敗してしまったなら対立は決定的なものとなる
自分に切れるか?
神器持ちすら切れなかった自分が?

右手がふらふらとさまよい脂汗が垂れる

腰を浮かせ決意を決めようとしたとき
背後から草木を分ける音がした

「――山狩り!?」

前門の虎後門の狼
いや山狩りとロリ神

本当に怖い狼が来てしまったというのはなかなかに皮肉である
まさか自分を討ち取るためだけにここまでするとは
鼻が高いが今回ばかりはそこまで買いかぶらないで欲しかった

――猶予もなく板挟みになってしまった自分の取るべき結論は
結論は――

宮比 奏楽 >  
「なんだよ……うるさいなぁ……」

がさがさという音。それすらも頭に響く
なにやら切羽詰まってる様子。

「……困ってるなら助けてやろうか?」

そう、困っているなら助けてやるのが務め。
信仰者がギリギリだからとか、そういうのはない。
うん、他意はない。
下心もない。

「――まぁでもおまえばかにしたしなぁ……このまま、つぶしてもいいなぁ……」

さっきの行動を思い出しいらいらもし始めた

久世藤士郎時貞 >  
「どちらもごめんじゃあ!」

逃げの一手
三十六計逃げるにしかず

大将首から金目のものをむしり取る

国に帰るにしろ出るにしろ路銀はやはり必要だし
そもそも生きて帰れなければ首など無価値だ
荷物も少しでも減らしておきたい

そして何よりおっさんの首と心中など死んでもごめんである

やたら高価そうな金細工―――いまでいうイヤリング―――を握りしめ
当の首はそらと名乗った神鬼にむかってパスをする

受け取った首に慌ててくれれば良いし、それを見た山狩りが脚を止めてくれればさらに良い

切羽詰まり慌てていながらその思考はなかなかに合理的だった

逃げなくては――どこでもいい――どこか遠くへ

宮比 奏楽 >  
「あ、こら! おま、きもち―-ってくびいいいい!!!!?」

ぎゃあああっと声を上げながら――
パスされた首を――思いっきり蹴った。
サッカーボールのように蹴った。
すれば――奇跡のように跳ね返り――

逃げた、侍へと――

久世藤士郎時貞 >  
「こ、こんのばちあたりがあ!」

お前が言うなと言わんばかりの叫びが上がる
首がくるくると弧を描き侍の唇へと吸い寄せられ奇跡的なマウストゥマウスを決めようかというそのとき
世界が光に包まれた

正確に言えば光にのまれたのは籐士郎と奏楽の二人
握りしめたイヤリングが輝き二人は忽然と世界から消失する

そこには何事もなかったかのように転がり境内に華麗な着地を決めた首だけがたたずむのだった

宮比 奏楽 >  
「え、あ――いやちょまて!?」

今光った。というかまさかそれ――

「おま神器とかもってなにやって!!?」

酔いもさめるなんとやら。けれど発動回避なんて芸当なんざできるはずもなく……

一緒に巻き込まれて――消失、し……

ご案内:「とある異世界」から久世藤士郎時貞さんが去りました。
ご案内:「とある異世界」から宮比 奏楽さんが去りました。