2017/09/06 のログ
ご案内:「にかいめのせかい」に和元月香??さんが現れました。
和元月香?? > 運命の濁流に呑み込まれたあの世界で、
私は世界のことが未だすきだったかと聞かれたら、
多分私は困ってしまう。

私は自分の事も分からないようなクソガキだった。
自分がどれだけ、大切に思っていた人達と逸脱していたのか、ちゃんと考えなきゃ駄目だった。

その大切という気持ちも、
あんなに目に焼き付いていたあの人達の笑顔でさえ、
私はもう思い出すことはできないのだと思う。

和元月香?? > それぐらい、私は他人と比べておかしかった。
最初から。

2回目の世界で私はそれを痛感する事になった。
ひたすら虚ろな世界だった。
心が常に死に晒されるような世界だった。

...簡潔に言えば、私は不幸な運命を背負った人間に転生した。
いきなりハードモードすぎて、未来の私は笑ってしまう。
それぐらいに、散々な人生だった。

もっとうまくやれたと思うよ?
今、その世界に転生できたらね。

残念だけど、転生先は選べない。
ランダムに、世界軸も時代もバラバラに私は放り捨てられる。
今となっては常識が反転していようが、正義と悪が反転していようが歪んでいようがそんな考え方さえ無かったりだとか、
そんな世界にだって簡単に馴染むことが出来る。


でも、2回目だけは別だった。
私は既におかしかったけれど、まだまだ人間だった。

和元月香?? > 虐待家庭だった。
父は私が産まれてからすぐ蒸発、
まだ子供のような母は私を責め立てて暴力を振るった。
血走った目で、泣きながら。涙をボロボロと零しながら。

____ぜんぶぜんぶあんたのせいよ!!!

そう叫んで、私の細い首を絞めた。
ひたすら泣き喚いてヒステリックを起こして。
今はどうとも思わないけれど、当時はすごくびっくりしたな。
...いや、多分“ショック”、っていうやつだったんだと思う。

暖かい家庭で過ごした1回目。
あまりのギャップに茫然として、自分が何故全く知らない
男女の子供になっているのかも全然理解できなかった。

分からないまま、私は振るわれる暴力をそのままに5年生きた。
当時既に、私の心の強度はとち狂っていた。
自分が不幸だとは分かっていたけれど、
どう足掻いても絶望する事が出来なかったのだ。

でも、ちょっと傷ついたり、はできた。
なんでこんなことになってるんだろう、という悲しみも。

和元月香?? > 外はどうなっているんだろう。
【大変容】が起きたはずだ。
あの子は無事だろうか。泣いていたりしないだろうか。
ちゃんと、謝らなきゃ。

今となっては訳の分からない焦りのような、胸が締め付けられるような、そんな気持ちを強く抱いた。
隙を見計らって、外に飛び出した。
母は私が外を出るのを許可しないから。

そして、茫然とした。
だって世界は終わっていなかった。
かつて終わりがあった世界にも見えない。

その世界は言わば平行世界で、つまり“大変容が起きなかった地球”。
大変容前のように平穏だった。平和だった。穏やかだった。

私の狭い世界は、
あれほどまでに暗かったのに。

和元月香?? > 「なんであんた学校来てんの?お金払えないなら来なくてよくない?」
「....まじありえないんですけど。空気悪くなるからさぁ、もう死んでくれない?」
「あんなやつまだいるんだな、きったね」

周りを囲む有象無象からぶつけられた言葉は、私を混乱させた。
なんでわたしはこんなことをいわれているのか。
わたしがいったいなにをしたのか。
頭が狂いそうだった。狂えないけど。

とりあえず人に嬲られながら、大人になった。

就職してもセクハラやパクハラが酷くて、
どうしたらいいか分からなくて耐え続けた。

うん。
まぁ、そん時は今以上に加減が分かんなかった。
単純に、物事の善悪が。

はっきり言えば、
私は上司の男に妊娠させられた。
いわゆる無理やりだった。あまりそのことについては語らない。
ただひたすら涎を流す男の顔しか覚えてないから。

和元月香?? > セクハラと性行為の境目が分からなかった私は、
どうしても子供だった。

気づいたら赤ちゃんがお腹の中にいて、
どうしたらいいか分からなかった。上司に強制的に堕ろされたけれど。
襲ったのは上司なのに、一番焦っていたのは上司だった。
その上司の必死の隠蔽も叶わず、私が妊娠したことは簡単に会社にばれた。

それは勿論大問題に発展した。
上司が部下を妊娠させた。
言い忘れていたけど、上司は妻子持ち。
つまり、浮気だったと。

一応強姦罪に当たるので、地元ニュースが報道した。
ネットでは上司が吊るしものにされて、奥さんを憐れに思うコメントが殺到した。

で、被害者なはずな私も叩かれた。
正直納得はできる。
妊娠させられたのに何も言わなかったこと、
赤ちゃんという命を殺したのに変わりがないこと。

感情が欠落しています、で納得してくれる社会なんかじゃない。
魔王が支配するファンタジー世界なんかよりずっとずっと生きづらかった。