2015/10/07 のログ
ご案内:「ヨキの美術準備室」にヨキさんが現れました。
ヨキ > (美術準備室。
 部屋沿いの壁には大きな掲示板があり、常世島内外の美術館の催しや、アート関係の就職案内が所狭しと貼り出されている。
 その中に新しくスペースを工面し、ヨキ宛に届いたばかりのポスターを画鋲で留めてゆく。
 長身のヨキのこと、こうした掲示は難なくこなす。

 ぴかぴかのポスターの隣には、パソコンで打ち出したA4サイズの書面を一枚添えておく。
 貼り終えると三歩下がってバランスを確認し、よし、と頷く)

「……こんなところか」

(【http://guest-land.sakura.ne.jp/cgi-bin/BBS/c-board.cgi?cmd=one;no=194;id=#194】)

ヨキ > (それは来月に開かれる予定の、新美術館の企画展の告知だ。
 常世学園の美術教員として、はたまた造形作家のひとりとして、ヨキも少なからず関わっている。

 画鋲の箱を閉じながら、準備室の中へ戻る。
 この数日で秋風は随分と冷たさを増して、施錠こそしないものの部屋の扉をぱたりと閉めた。
 室内からはささやかな動作の音が漏れ聞こえて、室内に人気の在ることが察せられるだろう)

ヨキ > (ポスターの梱包材などを一通り片付け終えて、部屋の奥に設えられた教員用の机に腰掛ける。
 ふう、と一息ついた瞬間――

 徐に顔を顰めて、金属の首輪に覆われた首筋へ手のひらを宛がう)

「……いッ……たあーーー……」

(それは昨晩のことだった。
 落第街大通りの地下闘技場へ、素性を隠して『遊びに』出かけたのだ。
 『怪人ラズル・ダズル』ことヨキが食らったダメージは、こうして覿面に顔と身体に表れていた。

 一見すると、いわゆる『首を痛めたイケメン』の如きポーズである。
 獣よろしく嘘を吐けないヨキのこと、せんせー首どしたんですかァ、という生徒からのお気楽な質問には、
 『変に動いた拍子に捻ってしまって』と、あやふやな答えを返すに留めた。
 ヨキは正義の人である。決して嘘は吐いていないのである)

ヨキ > (机の上に置かれた、『保健室』と油性ペンで書かれた氷嚢を掴んで首に宛がう。
 地獄の底のように低い声で呻きながら、回転椅子の背凭れに深く身体を預ける)

「まったく、ヨキが人間ならば死んでおったぞ……」

(かく言うヨキも、負けじと常人を轢断するレベルの刃物と膂力を振り回していたのだが、
 その事実は彼のぼやきに対して何ら影響を及ぼさない)

「おのれ……あの学生。
 次に会ったときには必ずやギャフンと言わせてくれるわ」

(ぶつぶつ。相手が素直に敗北を認めたとて、一度は地に倒れ臥したことが悔しかったらしい。
 ペットボトルの茶を煽るのも、背中ごと後方へ反らさねばままならない。
 全くもって、無様な様相をしている)