2015/10/22 のログ
ご案内:「歓楽街・落第街沿い」にクローデットさんが現れました。
クローデット > 「…随分と、閑職に回されてしまったものですわね」

常世祭期間中は島外の客も増える。したがって、(「常世学園」に対して)悪意ある外部の人間も増える。
そのため、公安委員会も通常業務に付随して警邏の一部を担うことになっているのだが…

(学園祭の警戒強化体制において、「落第街担当」と「歓楽街の中心部担当」と、「歓楽街と落第街の中間」の違いの意味は明白でしょうに…
これであれば、歓楽街の中心部の警邏の方がまだましというものですわ)

顔の下半分を羽根扇子で隠しながら、不機嫌そうに眉をひそめる。

「常世学園」への悪意が新たに潜むならば落第街。
祭りの喧噪に紛れて不穏な策略が進むのであれば歓楽街だ。

その点、「歓楽街と落第街の境界」は微妙な領域である。
歓楽街中心部に比べると幾分剣呑な空気は「祭り」を微妙にしており、カムフラージュには向かない。
おまけに、曲がりなりにも落第街の外側では、堂々と暴れる連中も少ない。

(…これでは、「発散」も出来ないではありませんか)

不機嫌そうな眼差しを周囲に向けながら、クローデットは一応真面目に警邏業務に当たっているのであった。

クローデット > 学園祭の準備期間は慌ただしく、頼まれていた調べ物も後回しになってしまっている。
…もっとも、慌ただしかったのは、公安委員会の業務のせいだけでもない。

魔術関連の講義を筆頭に優秀な成績を修めているクローデットは、錬金術と、魔具作成術の講義の展示に出品もすることになったのだ。
錬金術の講義の展示発表には
『日中に光を吸収するだけで夜間は部屋1つの照明になる、宝石と見間違うほどに美しい魔石』
を、魔具作成術のそれには
『空間操作の魔術が仕込まれていて見た目以上に物が収納出来る、見た目は普通にファッショナブルな鞄』
を出品している。
特に鞄はかなりの部分をクローデット自身が手作りしたため、余計に時間がかかってしまった。

(戦闘以外に役立つ魔具をあまり勉強していなかったことで、時間を浪費してしまいましたわね…)

もう少し剣呑でない溶け込み方も考えるべきか…などと考えかけて、それを否定する。

(どうせこの島の秩序は長くは保たないとしても、わざわざ引き延ばすこともありませんのに。
…何を考えているのかしら、あたくしは)

幾分冷えを増した瞳で、周囲を哨戒する。
中心部に比べるとどうしても少ない出店の面々が、びくついたり、あるいは反感の表情を返したりした。

(…やましいことがないのであれば、堂々としていればよろしいのに)

こんな辺鄙な場所に出店を出す羽目になってしまった面々の、表情を記憶していく。
中心部を取れなかったのか、取らなかったのかは申請書の詳細を確かめる必要があるだろうが…それでも、「公安委員会」の職務に対する反応は、記憶しておいて損はない。