2015/12/16 のログ
■ヨキ > (実際、ヨキにはボールの軌跡が本当に見えていた。
手やグローブを出せば、即座にキャッチしてみせたろう。
だが元が獣であるところのヨキは、道具を使って球を打つ、という動作が、破滅的にヘタだった)
「あと一球だと……!」
(ボールとファールで持ち堪えてきたのが、今やツーストライクまで追い込まれていた。
次で決めてみせる、とばかり気を取り直し、正面のピッチャーを見据える。
ヨキの選球眼は、決して鈍くはない。
ただ単純に、道具の扱いがヘタなだけなのである。
ピッチャーの手から、見事な速球が放たれる――)
【1:ホームラン/2~5:ストライク/6:デッドボール】 [1d6→4=4]
■ヨキ > (剣道も斯くやという怒声を響かせて、渾身の力でバットを振り抜く。
その一閃は重い音を立てて空を切り、ボールは無慈悲にもヨキの広いストライクゾーンの外角ぎりぎりを貫いた。
役立たずーッ、と、美術チーム側のベンチから罵声が飛ぶ。
まだ一球あと一球、と泣きの一回を要求するヨキが、カントクに引きずられてベンチへ戻されていった)
(――試合は、言うまでもなく生活委員会の圧勝で幕を閉じた。
美術系ゼミの面々はその後、ヨキの目の前でカフェテラス『橘』のパフェを食べる、打ち上げという名の罰ゲームを敢行したという。
そうして愉快な一日を終えた愚連隊の面々は、次の作品が完成するまでは再び修羅の日々である)
ご案内:「球速Free」からヨキさんが去りました。