2016/04/08 のログ
ご案内:「常世大ホール入口付近 非公式入学式」に佐伯貴子さんが現れました。
■佐伯貴子 > (桜の花散るうららかな日。
満開の桜並木の果てに、常世大ホールがあった。
新入生や関係者が続々と集まってくるのは、
卒業式と似ていたものの、
大きな違いが2つある。
ひとつ、新入生はこの島に不慣れなこと。
ふたつ、部活動の勧誘がうるさい!)
■佐伯貴子 > 押さないでくださーい、押さないでくださーい…
(この学園の部活動は、玉石混交である。
多額の部費をもらっているところもあれば、その逆もある。
同好会同然の組織などいくつあるかわからない。
特に、武道や格闘技系の部活は、
有望株を委員会に取られまいと必死である。
桜の花びらとビラが混ざって道を汚していた。
掃除が大変そうだ。
式の最中にやることになるだろう)
■佐伯貴子 > 〈おや、今年も紳士淑女の皆さんはお元気だ。
今年も活動成績に期待が持てる〉
(突如、頭の中に響いてくる言葉。
テレパシーだ。
頭上を見上げれば、紅い体躯のエンシェントドラゴンが飛んでいる。
「ファフさん」…いや、「ファフ先生」である。
3月に卒業したドラゴンだ。
その頭脳を求める声は世界中からあったらしいが、
その巨体を収めることができる施設があまりなかったため、
この学園に教師として就職したのだという。
ファフ先生が巨大ビジョンの前に降り立つ頃には、
勧誘の声も小さくなり、関係者はホールの中に収まっているだろう。
入学式が始まる。
そして、スタッフによる掃除が始まる)
■佐伯貴子 > (スタッフによる掃除は多忙を極めた。
トラクターの如き清掃機に乗ってビラを集めたり、
風を操ってビラを集めたり、
最終手段として箒とチリトリでビラを集めたりした。
そうこうしているうちに入学式は終わってしまった。
ホールを出てくる新入生と関係者めがけて部員たちが殺到する。
再びビラの嵐が巻き起こったのであった)
■佐伯貴子 > (――すべてが終わった後。
地面一面にビラと桜の花の山だけが残っていた。
スタッフたちはこれを夕刻までかけて集めたという)
ご案内:「常世大ホール入口付近 非公式入学式」から佐伯貴子さんが去りました。