2016/04/08 のログ
ご案内:「常世大ホール入口付近 非公式入学式」に佐伯貴子さんが現れました。
佐伯貴子 > (桜の花散るうららかな日。
 満開の桜並木の果てに、常世大ホールがあった。

 新入生や関係者が続々と集まってくるのは、
 卒業式と似ていたものの、
 大きな違いが2つある。
 
 ひとつ、新入生はこの島に不慣れなこと。
 ふたつ、部活動の勧誘がうるさい!)

佐伯貴子 > 押さないでくださーい、押さないでくださーい…

(この学園の部活動は、玉石混交である。
 多額の部費をもらっているところもあれば、その逆もある。
 同好会同然の組織などいくつあるかわからない。
 特に、武道や格闘技系の部活は、
 有望株を委員会に取られまいと必死である。
 桜の花びらとビラが混ざって道を汚していた。

 掃除が大変そうだ。
 式の最中にやることになるだろう)

佐伯貴子 > 〈おや、今年も紳士淑女の皆さんはお元気だ。
 今年も活動成績に期待が持てる〉

(突如、頭の中に響いてくる言葉。
 テレパシーだ。
 頭上を見上げれば、紅い体躯のエンシェントドラゴンが飛んでいる。
 「ファフさん」…いや、「ファフ先生」である。
 3月に卒業したドラゴンだ。
 その頭脳を求める声は世界中からあったらしいが、
 その巨体を収めることができる施設があまりなかったため、
 この学園に教師として就職したのだという。
 ファフ先生が巨大ビジョンの前に降り立つ頃には、
 勧誘の声も小さくなり、関係者はホールの中に収まっているだろう。

 入学式が始まる。
 そして、スタッフによる掃除が始まる)

佐伯貴子 > (スタッフによる掃除は多忙を極めた。
 トラクターの如き清掃機に乗ってビラを集めたり、
 風を操ってビラを集めたり、
 最終手段として箒とチリトリでビラを集めたりした。
 
 そうこうしているうちに入学式は終わってしまった。

 ホールを出てくる新入生と関係者めがけて部員たちが殺到する。
 再びビラの嵐が巻き起こったのであった)

佐伯貴子 > (――すべてが終わった後。
 
 地面一面にビラと桜の花の山だけが残っていた。

 スタッフたちはこれを夕刻までかけて集めたという)

ご案内:「常世大ホール入口付近 非公式入学式」から佐伯貴子さんが去りました。