2016/05/07 のログ
ご案内:「クローデットのおもいで」にクローデットさんが現れました。
クローデット > 前期中等教育を終えた私は、父に魔術の指導を受けることになりました。
今更、父にどのような態度で教えを請えば良いのでしょう。
ひいおばあ様に、教わりたくないとお願いしたのですが、

『私も、本当はあの子にあなたを預けたくはないの。
でも…あなたは、とっても優秀な子だから。
あなたに魔術を深くまで教えられるような人間は…もう、あの子しかいないのよ』

と、ひいおばあ様は悲しげに首を振るだけでした。
ひいおばあ様は、魔術を理屈で説明するのはあまり得意ではなく、そういった能力に長け、且つ、私を実力の上でも導けるのは、父くらいしかいないのだそうです。

『余計なことに耳を傾けては駄目よ。
ただ、魔術のことだけを聞くの。

…あなたが、今よりも立派な魔術師になることを、楽しみにしているから』

私は、頷くしかありませんでした。

クローデット > 『魔術は、世界をどのように読み解き、それをどう書き換えるかという技術だ。
技術を使うための力の源…媒介は、魔力だったり、魔術向けに何らかの手を加えられた物質だったり、超常的な存在だったりするね。
どの媒介を使うのが向いてるかも、世界をどう捉えるかによるね』

家の権威も考えず、身なりにろくに気を遣わないような男が、私に講義をします。
…つくづく、この男が私の、正真正銘血を分けた父だということが、信じ難いです。
なまじ髪と瞳の色が近いのが、余計に腹立たしくすら感じられます。

…それでも、魔術のことであれば、一応は耳を傾けます。
残念ながら、目の前の男が、「一族最強の魔術師」と言って差し支えないのは、皆が認めるところなので。

男は、説明を続けます。

『クローデットは白魔術を教わっているみたいだから、超常的な存在に頼るのはあまり向いていないかな。
白魔術は、「人の」祈りを信じることで扱う魔術だからね。「人の」力を、可能性を信じることが大事だ』

とりあえず、頷いてみせます。
今のところ、ひいおばあ様に教わったことと、この男が説明することに、矛盾はありません。