2018/03/17 のログ
ご案内:「日本国本土」に佐伯貴子さんが現れました。
佐伯貴子 > (本土の首都の駅の一つ。
 私服姿の佐伯貴子はそこにいた。

 結婚式、そして卒業式がおわった。
 新たな伴侶を得て、母校に別れを告げた。

 思えば事件に巻き込まれたり、
 女友達たちと身体を重ねたり、
 友人や親友や恋人ができたり、
 大学受験のために勉強したりと、
 盛り沢山な4年間だった)

これでしっかりした戸籍を得たのが一番大きいな…

(リアリストの佐伯貴子であった)

佐伯貴子 > (携帯デバイスで新居の住所を検索する。
 本土は常世島よりずっとごちゃごちゃしていて分かりづらい)

ん?

(目についたのはデジタル広告。
 新生活応援フェアなどの合間に、
 「探し人・捜し物」があった。
 探し人、それは――)

あっ…

佐伯貴子 > (小学生の佐伯貴子の画像。
 父母と仲良く笑顔で写っている画像だった)

えっ…!?

(佐伯貴子は両親に売られたのだと思っていた。
 決して裕福な家ではなかったことと、
 幼少時の記憶があやふやだったため。
 しかしこうして、決して安くないであろう広告で、
 佐伯貴子は探されていた)

佐伯貴子 > ……!!

(連絡先が映り、手早く保存する。
 感情よりも行動が優先したのは幸いだった。
 この広告はこのあと数時間は表示されなかったのだから)

私は…探し求められてたんだ…

(横を通る通行人が妙な顔をする。
 佐伯貴子は微笑みながら泣きじゃくっていた。
 笑って、そして泣いていた。
 自分に家族ができたのではない。
 家族は増えたのだ)

佐伯貴子 >  
・・・
帰ろう…!!

(大学入学のために借りた新居ではなく。
 両親のいる家へ。
 報告せねばならない。
 自分は無事だと。
 自分も伴侶を得たのだと。
 
 自分は今、最高に幸せだ、と――。)

ご案内:「日本国本土」から佐伯貴子さんが去りました。