2018/03/17 のログ
ご案内:「日本国本土」に佐伯貴子さんが現れました。
■佐伯貴子 > (本土の首都の駅の一つ。
私服姿の佐伯貴子はそこにいた。
結婚式、そして卒業式がおわった。
新たな伴侶を得て、母校に別れを告げた。
思えば事件に巻き込まれたり、
女友達たちと身体を重ねたり、
友人や親友や恋人ができたり、
大学受験のために勉強したりと、
盛り沢山な4年間だった)
これでしっかりした戸籍を得たのが一番大きいな…
(リアリストの佐伯貴子であった)
■佐伯貴子 > (携帯デバイスで新居の住所を検索する。
本土は常世島よりずっとごちゃごちゃしていて分かりづらい)
ん?
(目についたのはデジタル広告。
新生活応援フェアなどの合間に、
「探し人・捜し物」があった。
探し人、それは――)
あっ…
■佐伯貴子 > (小学生の佐伯貴子の画像。
父母と仲良く笑顔で写っている画像だった)
えっ…!?
(佐伯貴子は両親に売られたのだと思っていた。
決して裕福な家ではなかったことと、
幼少時の記憶があやふやだったため。
しかしこうして、決して安くないであろう広告で、
佐伯貴子は探されていた)
■佐伯貴子 > ……!!
(連絡先が映り、手早く保存する。
感情よりも行動が優先したのは幸いだった。
この広告はこのあと数時間は表示されなかったのだから)
私は…探し求められてたんだ…
(横を通る通行人が妙な顔をする。
佐伯貴子は微笑みながら泣きじゃくっていた。
笑って、そして泣いていた。
自分に家族ができたのではない。
家族は増えたのだ)
■佐伯貴子 >
・・・
帰ろう…!!
(大学入学のために借りた新居ではなく。
両親のいる家へ。
報告せねばならない。
自分は無事だと。
自分も伴侶を得たのだと。
自分は今、最高に幸せだ、と――。)
ご案内:「日本国本土」から佐伯貴子さんが去りました。