2018/08/04 のログ
■鈴ヶ森 綾 > 「…あぁ、良かったわ。そうよね、私は貴方を食べたいなんて思っていなくて、貴方も私を殺したくない
それで十分。そうよね?」
今までと何一つ変わらない関係、その確認をしたくて。
ベンチから立ち上がると相手のそばへ小走りで近寄り、
互いの手を以前のように繋ごうと、その手を取ろうとした。
「…でも、ごめんなさい。私は自分の事を貴方に話したつもりでいたけど、それは十分ではなかった。
もっと早くに私のことを知っていてもらったら、今ほど苦しむ事はなかったかもしれないのに。」
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「ええ、きっと、それで十分です。
お互い無理して人間らしく振る舞う必要なんてないんですよ」
手をつなごうと駆け寄ってくる彼女。
彼女が手を取ろうとしたとき、逆に彼女の手首をつかんで引き寄せた。
お互い人の姿をしているなら、筋力的にはこちらが勝る。
半ば無理やり抱き着いて、彼女の存在を確認しようとした。
「ほんと、お互いちゃんと言いたいことが言えなくて、ずるずる引きずって。
バカみたいです。強がって、中途半端な覚悟で約束して。
これなら最初からもっと泣いておくべきでした」
彼女の言葉を聞くと、抱きしめる腕に力が入る。
次第に声が震えて、ついに我慢が利かなくなるととめどなく涙があふれて、
自らの頬と彼女の肩を濡らしていく>
■鈴ヶ森 綾 > 「要するに、それが私達らしい関係という事なのね…っと。」
差し出した手が引かれ、つんのめりそうになる身体が抱きとめられるとこちらも遠慮なく身体を預け、
空いてる手を彼女の背中に回して軽く力を込める。
あぁ、こうしている時間が何物にも代えがたい。それだけにこの1週間の間、彼女を苦しめていた事が心苦しい。
「えぇ…えぇ…。」
嗚咽が混じる言葉に小さく相槌を打ちながら、彼女が落ち着くまで寄り添って過ごす。
時折帽子越しに後頭部に触れさせ、そこからはみ出る銀髪を優しく撫でてやる。
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「えへへ、あまりくっついてると暑いですよね」
どれだけこうしていただろう。
冬と違って、夏場に抱き着くなんて普通はしない。
それでも、抱きしめずにはいられなかった。
ようやっと落ち着いてくれば、半ば強引に理由を作るような、
言い訳っぽいことを言って彼女から離れる。
「私、たぶん綾さんの知らないこと、たくさんあります。
全部知りたい、と言いたいところなんですが、知り過ぎて気が変わってしまうのは嫌です。
きっと知らないままの方がいいこともたくさんあると思います。
逆に、私に関しても、知らないままの方が良いことがあるかもしれません」
大きく息を吸って、決心した様に彼女を見つめる。
「でも、私、やっぱり綾さんのこと好きですよ」
少し頬を染めて、恥ずかしそうに、それでもはっきり伝わるように>
■鈴ヶ森 綾 > 「あら、私はそんなの気にならないわよ。ラウラとなら1時間でも2時間でも。」
蒸し暑い夜、密着していれば自然と汗ばんでしまう。
身体が離れるとそれを惜しむように、冗談めかしてそんな事を口にする。
口にした後で、自分自身今まで冗談を言うような余裕も無かったと気づくのだった。
「…本当はね、信頼の証に本当の私を見せるぐらいの気でいたのよ。文字通り、本当の姿をね。
でも今見せたら、かえって野暮になってしまうわね。」
何か改まった様子の彼女に対し、こちらも少し居住まいを正してから向けられる目を見つめ返す。
彼女の告白を聞いて、嬉しそうに目を細めてその言葉に応える。
「ええ、私もラウラが好きよ。だから…久しぶりに、一緒に帰りましょうか。」
そう言ってもう一度、彼女に向かって手を伸ばす。
■鈴ヶ森 綾 > そうして二人は連れ立って寮へと帰っていった
ご案内:「常世公園のベンチ」から鈴ヶ森 綾さんが去りました。