2015/06/19 のログ
ご案内:「職員寮・茜の部屋」に片翼・茜さんが現れました。
片翼・茜 > 朝。職員寮、片翼茜の部屋。
寝室に横たわる大型冷蔵庫の中から、目覚まし時計のくぐもったアラーム。
即座にアラームが止まり、ゆっくりと冷蔵庫の扉が開く。
全裸の茜だ。腐りゆく死体の体を少しでも留めるため、夜間は冷蔵庫の中で過ごしている。

片翼・茜 > 死体である茜の体に睡眠は必要ない、実際は瞑想のように時間を過ごしているだけで、意識が途切れるようなことはない。
目覚ましも起きるべき時間が来たことを知らせるためのものだ。
それでも夜中を動かず過ごしているのは、習慣になっているだけの話だ。
「カッハァァァ……~~~~~~」あくびのように腐敗とコーヒーの混ざった臭いの息を吐きながら、全身を伸ばす。
固まった関節と筋肉がバキバキと薄い板を割るような音が部屋に響く。

片翼・茜 > 肩や首を回しながら、壁に張った時間割を確認する。今日は授業はない、特に片付けておくべき仕事もなかったはずだ。
つまり、休みだ。「……カハァー。」腐敗臭のする息を吐く。しかし特にやるべきことは思い当たらない、休日は苦手だ。適度に忙しいほうが嬉しい。
ああ、いや、今自分の息から腐敗臭がした。五感の鈍い自分にもわかるぐらいだ、実際は相当臭っているのだろう。
「『掃除』すっか……」ガリガリと首の後を掻くと、ごっそり腐敗した肉が指についてきた。かなりキている。
ジャージの上だけ羽織って、普段は持ち歩かない方のかばんの中を探る。『掃除中、入室者はグロ覚悟のこと』と書いたプレートを取り出す。
玄関に向かい、ドアの覗き窓から廊下に人が居ないことを確認して、ドアを少しだけ開け、プレートを外側のノブにかける。
まだ教師を間もない頃『掃除』中の姿を見られて大変な騒ぎになったことがある。それ以来『掃除』中はこのプレートをかけることにしている。

片翼・茜 > キッチンからゴミ袋と消臭剤、包丁を持ってきて、風呂場に向かう。ゾンビがお湯に浸かりなどしたら腐敗が進むだけなので、長いこと風呂桶に水は張っていない。
主な用途は『掃除』の時だ。包丁と消臭剤を風呂桶の蓋の上に置き、ゴミ袋を床に広げてその中に入る。
まず包丁で、顔の皮膚を縫い止めている糸の端を切り、抜いていく。
全ての糸を抜いて、顔の皮膚を剥がす。随分手間をかけてエンバーミングをしたおかげで、顔だけは少しだけまともに残っている。
その下、その下にある本当の私の顔は、醜いものだ。剥き出しの、腐って変色した筋繊維、白く濁った瞳。
鏡でそれを見て再確認する、私は人間ではない、化け物だ。

片翼・茜 > 感傷に浸っている場合ではない、さっさと『掃除』を終わらせよう。
鏡で顔を確認しながら、腐敗のひどい部分を確認する。内部が腐っていることもあるので、筋繊維をかき分けて、丹念にチェックする。
腐っている部分がわかると、包丁を手に取り、腐った部分とまだましな部分の境目に突き立てる。酸化して赤黒くなった血が傷口から流れる。
鈍った痛覚にも激痛とわかるほどの痛みが走るが、慣れたものだ。眉一つ(といっても眉が生えた皮膚は風呂場の床に置いてあるが)動かさず、刃を動かして腐った肉を切り取っていく。
『掃除』とは、つまりは腐敗のひどい肉をそぎ落として捨てることだ。
顔の肉を落としたら、肩、腕、背中と次々にそぎ落としていく。落ちた肉が立てる湿った音が風呂場に響く。

片翼・茜 > 数時間ほどかけて、全身を終えた、体中にボコボコと穴が開き、骨が露出する。ひどい姿だ、と笑おうとするが。表情筋は削ぎ落とされてないので、笑えなかった。
体内にほとんど残ってないのか、出血も止まっている。腐った肉の溜まったゴミ袋の中から出て、口を厳重に縛る。
そして包丁を置いて、風呂場に置いてある防腐剤と刷毛をとった。
体中に丹念に塗っていく、まるで食材の下ごしらえか何かのようだな、となんとなく思った。
塗り終わったら、次は消臭剤を取って自分に吹きかける、全身くまなく、特に肉を落とした穴には念入りに吹きかける。
最近の消臭剤は強力でありがたい、ほんの数十年前は腐敗臭を隠すのに苦労したものだった。
消臭剤を一本ほとんど使い切って、置く。もうストックがないはずだ、新しいのを買わなくてはならない、あとで買い物メモに書いておこう。

片翼・茜 > 片付けはあとでまとめてやろう、顔の皮膚だけ持って、風呂場を出た。
脱衣所の引き出しから太い針と糸、糸通し器も取り出す。死んだ指は細かい作業が苦手だ。
針に糸を通すと、皮膚を顔に貼り付けて、端を縫い付ける、もう何十年もやっている作業だから、こちらはスムーズに行く。
「……あー……おー、がーあー」顔を動かして、皮膚の位置を調整する。これがずれると凄いことになる。なったことがある。

片翼・茜 > 顔をつけたら、針を洗って、しまう。キッチンにある方の冷蔵庫に向かう。
扉を開けると、中には作りおきのコーヒーと、調味料が少し。そして冷蔵庫の中をほとんど占める、大量のブロック肉だ。賞味期限が近いものを選んで、取り出す。
文化人なら細かく切って焼くなりしてから食べるものだが、焼いた肉は茜の異能と相性が悪かった。
生肉にそのまま、齧りついた。こんなことをしてると本当にモンスターそのもので、最悪の気分になる。
だが、削ぎ落とした肉を異能で再生させるのには生肉が最も効率がいいのだ。
無感情に、ただただ肉をかじり取り、咀嚼して飲み込む。

片翼・茜 > ぼこり、ぼこりと濁った水の中を泡が浮かぶような音を立てて、腐った肉が再生されていく。
幾つか捨てた内蔵も戻っていくのがわかる。
結局、こんな苦労をしても私の体を構成するのは腐った肉だというのが笑える。どう足掻いてもお前は死んでいるのだと、化け物なのだと思い知らされる。

片翼・茜 > いかん、また感傷的になっている。何度も何度も考えて、同じ結論に達する。私は人間ではないと、もうとっくに知っていることなのに。
「カハァー……。」血と肉の臭いの息を吐く。片付けをしなくては、もう昼過ぎだ。
どこかに出かけて、気分を変えよう、このまま部屋に居たらきっと良くない。
キッチンの写真立てに目をやる、随分色あせてしまった写真に写るのは、右腕の赤いブラックスーツを着た人物と、その右手に抱きついて笑顔を浮かべる茜。写真は大きく焼け落ちて、ブラックスーツの人物の顔はわからない。
「私も、一緒に逝きたかったよ。」小さく、つぶやいて、片付けるために風呂場に向かった。

ご案内:「職員寮・茜の部屋」から片翼・茜さんが去りました。
ご案内:「訓練施設 第6地区」にメアさんが現れました。
メア > ………

(カリキュラムを一段上のものにする…そう聞いて施設に
やってきた少女は施設の中心に立っている。
そして目の前に物言わぬ抜刀済みの戦闘人形)

っ……

(小さく震え、デバイスでカリキュラムを確認する。
訓練施設にて人形と戦闘を行う、ただし…
一度死亡するまで反撃はしない事……一見下だけでは訳の
分からない内容が書かれている)

メア > …始め、る……

(カリキュラム開始、そう告げる。
人形は動きだし、訓練施設の外周に木や花、草などが現れる)

っ…!

(一度死亡するまで反撃しない…それを忠実に守り
人形の一閃を避けずに受ける。
宙を舞う子供の腕、刀に付いた紅い鮮血…どさり、と少女の後方に
腕が落ちるのと同時に残った方の手で肩を抑え、膝をつく
涙が込みあがるが叫び声は上げず…無くなった腕がゆっくりと
再生する)

メア > (B級ホラーの様な光景が広がる
肩から赤い肉が繊維状に伸び、骨、腕、指と元の腕を構成していく)

……もう、平気…

(皮膚がまだ再生していない状態で立ち上がる、斬りおとされた
痛み。皮膚の無い腕を風邪が撫でる激痛…それに静かに耐えながら
人形を見上げる。)

―――――

(物言わぬ機械仕掛けの人形はメアの再生力を記録、次の
フェイズに移行。刀をゆっくりとメアの胸元に向け…一気に
突き刺し心臓を的確に切り裂く)

メア > (叫び声は無く少女は血を吐き出し、視界が暗くなる
痛みと共に胸の内に何かが広がる感覚…重症止まりになどならず…そのまま即死
心配は停止し絶命する)

――――

(刀を引き抜き人形が下がる。
血だまりに倒れた小さな少女…その光景の中で
静かな時間が流れる…)

メア > (風が止まり、草木が止まる。
そして人形は機械の音声を漏らす)

―蘇生フェイズ二移行――観測ヲ開始―――

(気は枯れ、花は萎れ、草は塵となっていく
訓練施設に用意した草木が全て朽ちていく中、施設のカメラ越しに
それを見ていた灰色の髪の男は言葉を漏らした)

あ、まっず…
やっぱ花とかじゃ足りないかぁ♪

(草木が全て枯れるがそれは施設の外まで続く…
突如草や花が枯れ、近くに居た人間達の生命エネルギーを
吸収していく。
器に水を灌ぐ如く、周囲の生命を吸い尽くした少女は)

…けほ……

(口の中に戻った血を吐き出し、ゆっくりと立ち上がる
先ほどまで確実に絶命していた筈の少女が…)

メア > んっ……ぅ…

(人形を見上げる、ここからは反撃をしていい…
むしろそれをしなければまた死んでしまう、だから…)

ごめん、ね……

(少女の影が伸び、大きな2本の腕が人形の影を掴む
身体を何かに握られた人形の頭部が
ギギ―
と音を立てて捻じれ…千切れる。そしてそのまま体も強く握られ…
機械は活動を停止、内部のプログラムは無事でもボディがもう
動かせない)

メア > ……カリキュラム、終了…

(胸元を触る、真っ赤に染まった服がベタベタとしてきもちわるい
上に左腕だけ袖が無い…
用意された服に着替えてから施設を出よう、そう思い更衣室へ向かう
身体がひしゃげた人形、そして朽ち果てた木や花を他の人形達が
回収していく。)

メア > (少女は警備に見送られながら歩いていく…そしてモニタールーム
から出てきた男が嬉しそうに笑い…)

ハハァ♪
蘇生も回復も調子は最高、それに…きちんと蘇えった♪

(これでこの試験は少女と会ってから2度目…少し心配だったが
予定通り蘇えった)

凄いよねぇ、死なないなんてさぁ♪
僕もそうなってみたいなぁ…そしたら色々調べられるのに♪

メア > でもまぁそれは流石に無理だし?
今後に期待かなぁ♪

(少女を計測して得たデータを纏めていく、驚異の再生薬と
不死の妙薬…スポンサーに提出する用のデータと…)

もう1つもね♪

(自分が欲しい方、そして財団への資料の為…)

皆バカだったら僕の胸の内にしまえるのにね…残念♪

(データを纏め終えた男は、警備達と共に施設を後にした)

ご案内:「訓練施設 第6地区」からメアさんが去りました。