2016/05/08 のログ
ご案内:「10年前の悪夢」に『大無名者』さんが現れました。
『大無名者』 > 暗い空に、黒い雲。
降り注ぐ雨と、燃える建物。
落ちていく雷光と、視界の隅を満たす虹。

小さな子供の躯を踏んだ。
躯の向こうには、白髪の少年。縋るような瞳でこちらを見つめている。

『大無名者』 > ―――
■  > 「なんでだよ…なんでこんな事するんだよ……『   』!
 みんなで一緒に、自由になろうって……お前だって、自由になりたいって言ってただろ!」

白髪の少年は叫ぶ。
親友の亡骸を抱きながら、もう一人の親友だった少年に向かって。

■  > 【―――】

何も答えない。答えられない。意識はただ、虹色の窓から外を覗くしかない。
体が動く。使命が動く。運命が降り注ぐ。
こんな筈じゃなかった。こんなことなんて、したくなかった。

開けてよ。

ねえ、開けて。

こんなやり方、間違っている。

腕の中で何かが這い回るのを感じる。
腕がほどけて五本の黒い紐が、白髪の少年の首に巻き付く。
万力のような力で締め付けた首から、みしみしと音が聞こえてくる。

■  > 「―――やめ――て」


―――ごきり。


少年の首は、いとも簡単にへし折れた。
それでもまだ、触手は更なる力で首を絞めつける。

肉が潰れ、千切れて。首から上が捩じ切れる。
白髪の少年の首が公園の真ん中に転がり、こちらを向く。
黒く澄んだ目が、窓越しに自分をずっと覗いていた―――

ご案内:「10年前の悪夢」から『大無名者』さんが去りました。