2016/05/19 のログ
ご案内:「10年前の悪夢」に『大無名者』さんが現れました。
『大無名者』 > 燃える夕暮れに、赤い雲。
温かな光と、土と木の香り。
落ちていく太陽と、視界いっぱいに広がる橙色。

手元の針金が、夕陽を反射してきらきら光っている。
針金細工の作り方を真似ようと、白髪の少年の方を向いた。

『大無名者』 > ―――
■  > 「じゃ、さいしょから教えてやるよっ!
 ええっとケルベロスを作るには、これをこうやってな―――こうだっ!」

白髪の少年は慣れた手つきで、頭が三つある犬のような形を作ってみせた。
歪まぬ曲線が綺麗に形作られており、まるで同年代だとは思えないほどの出来栄えだ。

■  > 「そんじゃあ『   』、作ってみてくれよ」

促されるまま、見た通りに針金を順番に曲げて、形を作っていく。
線は歪んでしまったが、形と手順は完璧にトレース出来ていた。

■  > 「すげー!すげーじゃん!やっぱお前天才だよ!」

白髪の少年は強引に肩を組んできて、大笑いした。

■  > 「こんなの、君よりずっとヘタクソだよ。
 僕だったらお手本もなしに作ることなんてできないし……」

『大無名者』 > ―――
少年は の頬を突っつきながら、呆れたように語る。

■  > 「あのなぁ、俺がこれ作れるようになるまでどれだけかかったと思ってんの?
 俺がずーっとくろうしてつくった作品を、お前は一回で作っちゃったろ!
 すげーよ『   』!俺もそれぐらいうまくマネできてたらなぁ……」

研究所で出来損ないと呼ばれている少年は、本当に を羨んでいるのかもしれない。
けれど は、  だってすごいと思っている。

■  > 「『  』はさ、誰かの真似をする必要なんてないんじゃないかな。
 僕は誰かの真似をすることしか知らないけど……君は、違うだろ?
 君は、君にしか出来ないものを作ればいいと、僕は思うけどな」

それを聞いた  は、神妙な顔をした。

『大無名者』 > ―――
■  > 「うーん……テストで評価される項目は大体ダメだったしなぁ……」

■  > 「いいじゃん、あんなテスト。あいつらが勝手に言ってるだけだよ。
 そんなことよりさ、また新しく作ったのを見せてよ!まだまだあるんでしょ?」

■  > 「あったりまえだろ!まだまだたくさん、かいはつしてきたからなー!」

胸を張ってどんと叩く  。
そんな  を見て、 は彼には適わないなと思ったのであった。

『大無名者』 >  






















 

『大無名者』 >  








         『    から奪い取った  を、見せびらかしてるだけなんじゃないのか』



                     『   おまえは』









 

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