2017/10/10 のログ
ご案内:「スラム街の一角」に飛鷹与一さんが現れました。
■飛鷹与一 > 「―――どうしてこうなった…」
スラム街のとある一角。廃墟と貸したビルの1階。物陰に隠れて壁に背中を預けて呟く。
最近、風紀委員会でも過激な取り締まり行為が目立ってきているが、何故か自分がその作戦に加えられた。
…理由は言うまでも無く、この少年の異常極まる狙撃の腕前だ。お陰でドンパチ最前線だが。
(…と、いうか後方支援のだけの筈なのにやたらと集中攻撃されてるんだけど!?)
話が違う!とばかりにうめきながらそっと物陰から半分だけ顔を覗かせ――反射的に顔を引っ込めた。
同時に、目測にしておよそ500メートル先…別のビルの最上階から飛んできた弾丸。
ついさっき少年が覗き込んでいた空間を裂いて床に弾痕を刻む。言うまでも無く実弾だ。
…こちらは基本『不殺』の制限を己に課している以上、どう考えても不利である。
ついでに言えば、別の風紀委員…過激な連中が派手にやりあったのだろう。
違反組織の人間の死体が転がっている。どれも酷い死に顔と有様だ。
「…確か、今回要請してきたのは特別攻撃課……そりゃ過激なのは仕方ないか」
説得も何も無く”ただ相手をぶちのめす”事を至上とする鎮圧部隊、というかまぁそんな感じの課だ。知り合いにも一人居る。
■飛鷹与一 > 人の死体は、我ながらどうかと思うが見”見慣れている”…が、だからといって人を殺す度胸は無い。
結果的に実弾は使えないハンデがある以上、せいぜい手足を撃ち抜いて無力化させるのが関の山か。
ゴム弾程度ではどうこう出来ない相手、ではあるのだろう。かなり大きな鎮圧作戦のようだし。
(……距離は500…それは問題ない。けど、殺さずに無力化させるとなると…)
厳しい、と思いながら抱え込むように持っていた狙撃銃を構える。ボルトアクション。ガシャンッと小気味良い音を立てて弾丸を装填。
黒を貴重としたソレは、側面に三本足のカラスがデザインされたもの。
既存の狙撃銃をベースに魔改造が施された物だ。ただしスコープなどは付けていない。
――理由は単純。スコープが無くても目測と勘だけで正確に狙撃出来るからだ。
「…さっき倒したスナイパーが3人。魔法の使い手が5人。…あとスナイパーが2人、か」
今、射撃してきた奴ともう一人。一度目を閉じて唸る。分かっていたが不殺を貫くのは難しい。
ご案内:「スラム街の一角」に飛鷹与一さんが現れました。
■飛鷹与一 > 外に耳を澄ませる。あちこちから派手な爆発音やら怒号やら剣戟の音やら、よく分からない音も聞こえる。
……いや、どれだけ暴れまわっているのだ過激派の方々は。思わずゲンナリしつつ。
「……仕事は仕事。やると決めたらやるしかない。それに…」
気は進まないが『死神』の出番だろう。師匠や知り合いにバレたら説教でも食らいそうだなぁ、と思いつつ。
――そして、少年は物陰から飛び出して狙撃銃を構える。先に飛んできたのはあちらの弾丸。
…が、少年の額目掛けて飛来した弾丸がいきなり方向を90度そらして少年には当たらない。
「……ごめん、俺に致命傷は効かないんだ」
異能が勝手に発動するから。…もといしてるから。呟いて引き金を引く。
暗闇の先、弾丸は正確にあちらのスナイパーの構える狙撃銃…その銃口に飛び込んで銃身を破裂させる。
頭がおかしな神業だが、それを成した少年は淡々としている。ガシャンッ!と、慣れた手付きでボルトアクション。次弾を装填する。