2017/11/02 のログ
ご案内:「落第街/商談会場」に近衛 昴さんが現れました。
■近衛 昴 > 薄暗い会場に犇く無数の人、そしてステージの上で短い目も覚めるような肌を惜しげもなく晒した青いドレスの少女、皆一様に目元を隠すように仮面をつけた異様な光景。
闇オークションの会場としても使われる会場で行われているのは裏の商談、ここでは公に売れない物や技術、人を売り手がプレゼンし、買いたい者は用意された個室で商談が行われるというもの。
当然非合法で行われている以上ただの商談ではない、『商談方法は自由』というルールの下、賄賂、違反行為代行、篭絡、脅迫と交渉方法に制約はなく、そんな交渉内容を眺めて愉悦とする主催者は一切関与しないという。
そしてステージ上で眩いライトに照らされた少女がプレゼンしているのは発振器を小型化した超音波振動兵器の技術供与、本来大型の発震器と医療用のメスで実用されているもののサイズを逆にして愛好者の多い刀剣サイズのものとして運用するというもの。
本来とある依頼で刀剣を探していたが目利きができない少女に探し出すのは困難だったため作り出す方法を選び、ようやく携行できるサイズまで実現できたが、資金という壁に当たってしまい今に至る。
■近衛 昴 > 試作品として作った振動ナイフをリンゴに立てかけ、手の支えを離してみるとナイフの自重だけでリンゴはすんなり両断される。
切断力は見せたとおりの切れ味で尚且つ使用者を選ばない、この技術があれば現代科学が作り出す妖刀さえも作り出せると続け、量産も可能だと締め括りプレゼンは終わる。
席へと戻ると買い手が現れるのを待つ間用意されたグラスを傾けながら、他の売り手を眺めて時間を潰すだろうか。
買い手が現れれば個室へ移動して商談が始まるが、そう直ぐには声がかからないのはわかってはいるがその時間が歯がゆく思えてしまう。
■近衛 昴 > 次の売り手がステージに立つが自分とは真逆の真紅のドレスの年上の女、パラパラとカタログに目を通すとある一点で目が留まり、そこには『魔法付与します』という文字で、プレゼン内容もご愛用の品物にご要望の魔法効果を付与しますというもので、しかも当てつけのように量産品にはない貴方だけの品物に仕上げますや実体のないものまで通用しますと口にしている。
そんな解説を少女が面白く思うはずもなく、苦々しい顔をしているとふとステージの女の視線がこちらを向いているのに気づく、そして最後に色々と応相談で受け付けると言い放つ。
やられたとそう思った、完全に当て馬にされた結果に仮面越しにイライラしているのが滲むほどで、しかも降りて来た女はこともあろうことか隣の席にわざわざ座る徹底振りで。
■近衛 昴 > 隣で勝ち誇ったように笑みを浮かべる女とイライラを隠そうともしない少女。
対照的な姿態度の2人、相手が飲み物を頼めばもう片方が、脚線を見せるように足を組めば対抗してもう片方という具合で。
淡々と次の売り手が前に出て話す間も無言の戦いは続いていく。
売り手の声と観客の声に包まれている会場の中でも互いがはっきり聞こえる声で
『…ガキ』
「…オバサン」
無言の戦いの末に出たのは互いに怒気を孕んだ一言
■近衛 昴 > 結局そのまま言い合いを繰り返しながら延々と数時間、最後まで2人とも声がかからず今日のところは手ぶらで帰ることになるだろうが、今日できた因縁はこの後も続くことになり、会場で顔を合わせれば言葉の応酬が繰り返されることになる。
ご案内:「落第街/商談会場」から近衛 昴さんが去りました。