2015/06/30 のログ
ジブリール > 「この世界は小説よりも、きっととてもドラマチックなものだと思いますわ」

【軽く手を広げて喜悦に歪む。瞳はきっと、同様であった。
 自分と同じくらいの背丈の、小柄な体。年はそう変わらないであろうが、年下であることは言葉遣いから想像がついた。】

「人を殺すとき、人間は更なる快楽を求めるか、興奮状態が続いてしまいます。大抵は興奮している状態をイコールとして、快楽を求めると認識するそうですが」

【それとこれとは違う。女は感情的にはならず、いくらか理性的になっていた。熱を吐き出す吐息は、夏の夜の寝苦しさに似ていたけれど。】

「あなたさまにその気が無いのであれば、わたくしは目を瞑りますわ」

雨宮 雫 > 「まぁ、小説とか主に人間が想像するから書けるんだし。
   それなら現実のがリアリティか生臭いコト起きると思うかな、かな。

 ぁー……殺人が好きな人かな、かな?」

まぁ、それ自体は余り珍しくもない場所だが。
愉しそうに余韻に浸っている相手に少し、壁に片手をついたまま、近寄るため足を前へ動かしてみる。

「平時とは異なる異常状態で脳内物質の分泌が変遷して、興奮するものなのだね、だね。
 興奮が性欲に似てるから混同しがち、殺す前後にそーなるのはしょうがないのだね、っと、ボクは殺すよりは治すか、生かしたままのが好みかな、かな。

 だから、ソチラ様が怪我してないならボクはやるコトないかな、かな。」

ジブリール > 「いいえ、わたくしは殺人愛好家ではございません。ですが眼を好いております」

【既にナイフもしまわれていた。その手を前に、お嬢様のように正しく添えて振舞う。足を動かしても何か仕掛けたり、仕掛けてあったりする様子も無い。女は興奮状態にあったものの、殺意は感じられない。

「正しくその通り。最もわたくしがこのような状態あるのは特異な性質によるものですわ。
 ……まぁ、でしたら申し訳ありません。わたくしは怪我はしておりませんので」

【眼を覆い隠す包帯に触れる。米神を指先で突きながら微笑んだ。】

雨宮 雫 > 「そっち系かぁ、コレクターだったのだね、だね。
 ソチラ様が怪我してないのは残念だけども、まぁ、仕方ないのだね?
   ところで、その包帯、あんまり意味ないんじゃないかな、光が見えてるけど。
  ボクみたいに光ってるね、けひひ。」

止められなければ遠慮なく、前へと進んでいく。

そのままジブリールの横を抜けて、今も体を小さくされていってる、犬に集られているモノを見に行くのだ。

だから、背中を向けながら ふと 思い出したように

「あ、ところで。
 口封じとか考えたりするのかな、かな?」

ジブリール > 「そうとも言いますわ。これは大事な"宝石"です。怪我をしないように振舞うのも大変でしてよ。ここにいる異能者の方々と違って、か弱い市民ですわ。
 ……あら、ふふふ。輝いてみえますか? そのようなお世辞は初めて頂きました。それでもわたくしにとっては意味のあるものですわ。眼が悪いので」

【戯言をつらつらと並べ立てて肩を竦めた。相手が近づき、その横を通り過ぎる。それも見止めて、流す。
 かつて動いていた肉は骨が露出し、汚く臓物が飛散している状態だった。赤を基調とした色が所々見えてうごめいていた。
 彼が近づくことを悟ったのか、単に満足したのか、犬たちは食える部位を残さず食べ終えると立ち去っていった。】

「まさか。わたくしとて弁えております。口封じとは行かずとも、それはそれとしてその瞳、たいそう物欲をそそられるものがありますが」

【待て――犬のように自制をする。】

雨宮 雫 > 「自分でか弱いって言うのって、大体はか弱くないナニカなんだけどね、特にニンゲンはそうかな、かな。
 目が悪いのなら、ボクが診てあげようか?ボクは病気でも怪我でも大好きだよ、けひひ。」

検死 するまでもなく、もう完全に死んでいる。
たまに人間なら致命傷でも復活してくる手合いが居るが、コレはそうじゃあなかったらしい。

ぼんやりと光る翠の目が じぃっ と死体というより散らかった肉を観察しながら袖の中に手を入れて。

「ボク、そんなに強くないから襲ってくるなら逃げの一手だけどね。
 けひひ、ボクの目は簡単にはあげられないかなぁ……ところで、ところで、今後もこーいうのやるんだよね?コレ。」

ジブリール > 「弱いことを誇示することで有無を言わさぬ抑制にもなりえましょう。
 ふふふ、ですがわたくしの眼は先天的に悪いのです。そちらでも対応しているのでしょうか」

【既に死体には興味がなくなったのか、女は傍らに置いていた杖を片手に持った。新たな好奇の対象が現れたのだから。】

「逃げられるならわたくしは追う事ができません。『仕方が無かった。運が無かった』となるだけです。
 まぁ、残念ですわ。……わたくしに危害を加えようとするお方がいるならば、これからも、いつでも。わたくしは身を守るためにこうして、その対価に瞳を頂いているに過ぎません。」

【静かに、己の意思を示した。悪びれる様子もなく、楽しむように弾んでいた。】

雨宮 雫 > 「モノによるかなーとしか言えないかな、かな?
 診察してみないとだね、あぁコッチの死体は片付けておくのだね、だね。

 ゾンビもどきとか死霊になると鬱陶しいからね、けひひ。」

袖の中から取り出した小瓶の栓を抜き、中の粉末を肉片に振りかけていく。
周囲に微かに抹香のようなニオイが広がるだろう。

「やっぱりか弱くないじゃないかな、かな。

 あぁ、眼を抉るのは全く全然、何も止める気はないのだけども。
 抉った後の後始末なら、犬よりもボクが引き取りたいかな、かなってね。

 死にたてなら腑分けして利用できる部分を取っちゃいたいのだね、だね?どうかな、かな?

 流石にコレだと取るモノ無いからねぇ、けひひっ」

ジブリール > 「では診察をお願いしますわ。それと……死体も、そうですわね」

【口元は弧を描き、小首を傾げて問うよな口調。肉は処理しきれない分をどうしようか迷ったものの、"サービス"してくれるなら甘んじて受け入れた。
 怪しい人物だが、悪い人物ではないらしい。少なくとも女にとってみれば。
 鼻腔を擽る抹香のにおい。西洋文化には嗅ぎ慣れない、東の地にある独特の香り。抹香臭いなんて言葉があるほどの。】

「……もしや東の地よりお出でになさった方でしょうか。」

【くたりくたり。今度は逆に首を傾けてみた。雫へと歩みを近づける。
 ニオイはキツイけれど、そのにおいを辿れば、声の場所を辿れば、視界が封じられていようと届く。】

「――でしたらそうさせていただきますわ。掃除屋さんがくれば助かると思ったのですが、その手を利用したいというなら是非ご協力します」

【女は妖しく嗤っていた。】

雨宮 雫 > 「まぁ、診察はココじゃできないから。
    不衛生で汚いしね、ココ。今度保健室にでも来て欲しいかな、かな?」

粉末を受けた肉片は シュウ と音を立ててそれきり何の反応も示さないが、これで危惧するような事態にはならない。

これはもう、タダの肉片だ。
満足げに頷いて、話が上手く進んでいる事に にたり と笑みを浮かべて振り向いて。

「ん?
 うん、ボクは確かに東洋というか、日本の出身だね、だね。
 得意なのは東洋医学だから、まぁ、診察するトキは普通の医者っぽくないけど我慢してねかな、かな。」

あっさりと出身を肯定しながら、処理の終わった小瓶を栓して袖の中へと戻していく。
代わりに何かを取り出そうとして……

「話が分かる相手で良かったのだね、けひひ。
 こういうのはちゃんと、取れるモノ全部取ってしまわないとね?
 まだ生きてても全然大丈夫だからね    電話って使えるのかな?名前とか聞いてもいいかな、かな?」

ジブリール > 「ではお時間があるときにでもお伺いしますわ」

【耳に残る何かが燃えるような、溶ける様な、不思議な音。ちりちりとした感覚が巡った。】

「ニッポンの。不思議な術を使う極東にある地域と聞き及んでいますわ。独特な文化もあるようで」

【出身の地名は聞いたことがある程度で、そう深いことは馴染みが無かった。
 続けられた『我慢してね』その声には口元を吊り上げるのみで答える。肯定の意。】

「獣の欲求を満たすために残すのも良いですが、誰かが有効活用してくれるなら、そちらに渡ったほうがはるかに意義あるものとなります。
 生きているお方を連れるのは骨が折れそうですが、もしそのときがくれば――。 えぇ、こちらで宜しければ」

【スマートデバイス。多機能性の携帯電話機器。懐から取り出しながら、必要ならば番号を伝えるだろう。女は更に問われるならば】

「……ジブリールですわ。ジブリール・ナヴァ・アルと申します」

雨宮 雫 > 「お客さんは大歓迎、なのだね、けひひっ。
 今やってるのは大陸の方のが強いけどね、日本のもイけなくもないかな、かな。
 興味があるのなら診察の時に見せてあげるだね、だね。」

あぁ、使えるのなら問題ない。
取り出したスマホを操作すると、自分の情報を ユーザ名、電話番号、メールアドレス を送っておく。

「ジブリールね。
   綺麗に光る目のジブリール、けひひっ。

 ボクは あまみや しずく なのだね。
 本業は、保健課の優しい生徒で―――兼業でこーいうの使って薬を作ってるのだね。」

ジブリール > 「何事にも興味は尽きませんわ。見せて頂けるなら、よろしくお願いしますわ」

【転送された情報を受け取る。完了を知らせる規則的なライトが点滅した。】

「アマミヤ シズク。シズク」

【その名をかみ締めるように、何度か頷いていた。】

「それはとてもお優しいですわね。争わない"善良"な生徒なら私は好みでしてよ」

【両手を合わせて、さも嬉しそうにしていた。中々興味は尽きない。その薬の製造方法や、彼を含めても。】

雨宮 雫 > 「そうだね、ボクは争った後をケアする善い生徒かな、かな。
 けひひ、か弱いジブリールと優しいボクは仲良くやっていけそうな気がして嬉しいのだね、けひ、ひひひっ。」

浮かべる笑みはこんな場所でなければ、例えば教室で交わす他愛のない会話でなら相応しいものだっただろう。



今ここ、この場で浮かべる優しい笑みは全くそぐわないだろう。

血のニオイを嗅ぎつけてきた収穫としては中々、イイものを得た。
満足げに頷いて、スマホを袖の中に仕舞いながら、路地の外へと先に歩き出す。

「それじゃあね、ジブリール。
 次は保健室か、新鮮な素材があるのか、あぁ、楽しみにしてるのだね、けひひ、ひひひっ」

ご案内:「路地裏」から雨宮 雫さんが去りました。
ジブリール > 【既に高揚感は失せていた。好奇は好機に代わり、路地裏に残された女は僅かに臭う血液と、嗅ぎ慣れない香りを受け入れて――すぐに吐き出す。
 こんな場所でなければ、先ほどまでの行為が猟奇的なものでなければ、他愛ない日常だのに。互いが向けていた笑顔はどちらにせよ可笑しなものだった。】

「それではまたお会いしましょう、シズク」

【コンゴトモヨロシク。人殺しをして得られた報酬といえば眼くらいだったものを、思わぬ拾い物があった。杖をしっかりと持ち直す。
 匂いの大本であるソコを一瞥したものの、すぐに足を進めるべく杖を前へと突き出した。
 ぬぐってもぬぐっても取れない血液のニオイを染み付かせて、隠蔽されてもなお喜悦を隠さぬ瞳は輝いて、鼻歌を重ねながら歩く。
 ――そのときが楽しみだ。】

ご案内:「路地裏」からジブリールさんが去りました。