2016/07/27 のログ
ご案内:「◆落第街、深夜の一角」に比良坂 冥さんが現れました。
■比良坂 冥 > どこか満たされなさを感じて、ふらりと足を踏み入れるのは落第街
最初は夜の歓楽街の裏路地をうろついていたものの、
段々とより奥へ奥へと足を踏み入れるようになっていった
学園の制服のまま彷徨いていると、大体は声がかかる
…声をかけられるのは、自分が何かしらの興味を惹いた証
自分に何らかの欲求を求めた証
そんな小さなことでも、僅かに満たされる
その後のことは些細なことだ
「……」
でも、今日は人通りが少ないようだった
■比良坂 冥 > 立ち止まり、打ちっぱなしのコンクリートへと背を預ける
ただ佇んでいるだけなのに、
その様子を大きな巣の中央に陣取る蜘蛛のようで
危機察知能力のある人間は意識的にそのエリアを避けて通行していた
「……相変わらず、電波悪いね…」
携帯を取り出して、そんなことを呟く
獲物がかかるまでは暇なもの
最初の頃はこの街の様子も刺激的だったものの、今では慣れてしまった
少し離れたところで薬の売人に絡まれている連中が見える
しかし自分と関係のないところで起こる事象にはまるで無関心だ
これも慣れのうち、助けようとも逃げようともしない
■比良坂 冥 > 「……」
待ち人来たらず
乾きを感じる
ポケットの中には合鍵の束
半数近くが中ほどから折れたそれをじゃらりと握って
壁から背を離す
「……あの子のところにでもいこうかな」
ふらりふらりと、蜘蛛は巣を離れた
ご案内:「◆落第街、深夜の一角」から比良坂 冥さんが去りました。