2017/08/28 のログ
ご案内:「クローデットの私宅・寝室」にクローデットさんが現れました。
クローデット > 【8/23 Free3の続きです】

結局、青年の「暗記」は長時間に及び、なし崩し的に、再度彼を私宅に泊めることになった。
ハウスキーパーは気を遣って帰宅を遅らせてくれて…二人はクローデット手製の夕食をとり(夏野菜を活用したメインに、冷たいポタージュ)、それぞれ風呂を済ませ…

「ただいま、戻りました」

クローデットは、寝室で待っている青年にノックで部屋に戻ったことを知らせてから、寝室に入った。

ご案内:「クローデットの私宅・寝室」にヴィルヘルムさんが現れました。
ヴィルヘルム > 寝室に一人で待つというのは,何度やっても馴れないものだった。
どうしたって,甘い香りを感じてしまうし,ベッドにはクローデットの温もりを想像してしまう。
幸せなのに,どこか切なくもある。
貴女の声が聞こえれば,ドクン,と心臓が高鳴るのを感じる。

「……おかえりなさい。」

ベッドに座ったまま,ヴィルヘルムは貴女に応えた。

クローデット > 「…少しは、慣れられましたか?」

くすりと、優しく青年に笑みかけて、ベッドに歩み寄る。
サイドボードにほど近いベッドの縁に腰掛けて、靴を脱ぎ…

「………ヴィルヘルムがお休みになる前にガウンを脱いでしまっても、大丈夫でしょうか?」

ガウンのボタンに手をかけつつも、その手を止めてヴィルヘルムの方を向き、尋ねた。
先日泊めた際に、青年が感情の制御に苦労したように見えたことを、気にしているようだ。

ヴィルヘルム > 「うん…まだちょっと落ち着かないけど。」

青年は笑って見せた。
それはもちろん強がりだったけれど,いつまでも悶々としているのは貴女に失礼な気もして,言えなかった。

「あっ……クローデットが楽な格好になってくれればそれで……!」

かっと耳が熱くなるのを感じる。
貴女がガウンを脱ぐところを,見ていたいという気持ちと,見ていてはいけないという気持ち。
結果,青年はできるだけ自然に,貴女から視線をそらした。

クローデット > 「………まるで、ガウンから更に一枚脱いでしまうかのような反応をなさいますわね?」

強がってみせたかと思えば、身振りでは自然を装う努力をしながらもどこか慌てた口調で目をそらす青年の様子に、少し困ったような笑いを零すクローデット。

「………冷たいお水はいかがですか?少し、気分も落ち着かれるかと思いますし」

青年の様子を窺いながらそう言って、ガウンのボタンから手を離し、靴を履き直すクローデット。

ヴィルヘルム > 「……ありがとう。もらってもいいかな……?」

見透かされてしまったけど,それでよかったのかもしれない。
深呼吸をしてから,貴女の方を見て……

「…ごめん……。
クローデットの近くに居たいし,とっても幸せなのに,
何だか,そわそわしちゃって……どうしていいか,分からなくて……。」

青年はやっと,強がりを脱ぎ捨てることができた。
格好悪くても,素直に,思いを伝えようと。

クローデット > 「ええ、承りました」

靴を履いたその足で立ち上がり、寝室内にある個人用冷蔵庫から、小さな水のペットボトルを二本取り出して、片方をヴィルヘルムに差し出す。

「…はい、どうぞ」

青年が受け取った後…クローデットは、ガウンを着たまま、少し手や身体を伸ばさないと、触れ合わない程度の距離に腰掛けた。
そして、青年の告白を、静かに聞く。
少し待ってから…

「………それは…ヴィルヘルムが、抱擁や口づけを望んだ種類の、感情でしょうか?」

そう、静かに尋ね、青年の顔に視線を向けた。

元は、自分が「悪意」のために刺激して、呼び覚ました類の情欲。
しかし、いざその悪意を拭い去り、「信頼」というステージに立つと…それは、恐ろしく繊細な取り扱いを必要とするように思われた。
青年がその情欲と悪意、憎悪、暴力を結びつけなかったのはクローデットからすれば奇跡で…だからこそ、その線を守ることが、お互いのためになると思ったから。

自分の過去の悪意を蒸し返さぬよう、慎重に言葉を選んで、発した問い。

ヴィルヘルム > 「ありがとう……。」
柔らかく微笑んで,青年はそれを受け取った。
ふたを開けてくっと飲みこめば,火照った身体が僅かに冷えて……
……幾分か,思考がはっきりとしてきた。
この部屋の香りと,ベッドの感触だけでも,相当に感情を刺激されるらしい。

「そんな風に言うのは何だか恥ずかしいけれど………。
キスとか……抱き締めた温かさとか……ずっと頭から離れなくて……。」

こんなことを,まさしく当事者であるクローデットに告白するなんて,以前の青年なら決してできなかっただろう。
貴女を信頼しているからこそ,青年は全てをさらけ出した。
といってもその言葉は,彼がそういった方面に明るくないということを証明するような,幼い感情の吐露だったが。

クローデット > 「………恥ずかしいようなことを…きちんと正面から、真剣に話せることも、強さの一つかと存じますわ」

純粋ながらも赤裸々な想いの吐露を、クローデットは馬鹿にしなかった。
場違いに優しい微笑を、青年に向ける。

「………そういった感情が、発散すれば楽になるものなのか、望みを叶えれば叶えるほど貪欲になる種類のものなのか…わたしにも、よく分かりません。
…お互いの秘め事として、信頼を、約束を守り合うものならば…卑屈になる必要は、ないと思いますけれど」

そこまで、穏やかに語って…クローデットは、再度、ガウンのボタンに手をかけた。

「………寝室の中ですし、ネグリジェ姿を見られる程度ならば、「わたしは」気には致しません。
………ヴィルヘルムが望むならば、楽な姿になるのは、ヴィルヘルムが休むのを待ちますけれど」

そこまで言って…今度は、視線だけで青年の様子を伺う。

ヴィルヘルム > 「……ありがとう。
多分,クローデットなら聞いてくれるって,そう思えるから言えるんだと思う……。」

いつも,言葉を発するのはどこか不安なのだ。
それは青年の自尊感情の低さなどに由来しているのだが,
貴女はいつも,そんな言葉たちを笑顔で受けとめ,真剣に応えてくれる。

「……発散すれば…………。
僕にも分からないな……こういう経験って,ずっと無かったから……。」

発散するというのは,この気持ちを叶えるということだろうか。
先日の,キスは確かに何かが満たされるような気持ちがしたが……。

「……ううん,大丈夫。クローデットが楽な格好で……。」

心臓が高鳴るのを感じながらも,青年は応えた。
本音を言えば,クローデットの美しい身体を,もっと見ていたいのだから,拒む理由は無い。
流石にそこまでを素直に吐露するのは躊躇ったが……

今度は,視線をはずすのではなく,貴女を見つめたまま。
身体を見つめるというよりかは,その瞳や,指先を見ていたけれど。