2019/02/12 のログ
ご案内:「【常世島の現在】」に第三報道部「常世島ニュース」さんが現れました。
第三報道部「常世島ニュース」 >
2月1X日正午、第三報道部による「常世島ニュース」の放送――。
【2月1X日 天気:はれ 転移荒野「門」顕現注意報:発令中。転移荒野の時空に微少の歪みあり。】
「こんにちは。第三報道部「常世島ニュース」の時間です。
きょうの常世島のニュースをお知らせします。
2月14日は「地球」におけるバレンタインデーです。
既に異邦人の多くにも風習として受け入れられているといわれるバレンタインデーですが、その商戦が佳境を迎えています。
試験期間中ではありますが、学生街の菓子店には長蛇の列ができ、この時期の風物詩となっています。
今日の性の多様化のために、20世紀に行われていた「バレンタインデー」とはやや異なり性に関係なくチョコレートや贈り物を送るという習慣が定着しつつありますが、
20世紀の「バレンタインデー」の習慣も「地球」の学生たちの間では広く行われています。
風紀委員会からはチョコレートや贈り物に「呪詛」や「魔術」を封入することのないようにという注意勧告がなされており――」
《大変容》以後、旧来の「地球」の習慣や文化は大きく変化を遂げるものもあった。
しかし、それでもなお「地球」の伝統的な宗教などに由来する行事は今でも普遍的に行われているものが多い。
「地球」とは異なる宗教観を持つ異邦人への配慮のため、特定の宗教由来の行事は廃止すべきではないかという極端な意見も出されたが、もとよりそのような事は不可能である。
互いの文化は尊重するが、どちらかの優劣・正否を定めることはあってはならない――それが常世学園の理念である。
行き過ぎた配慮は文化的な行事の破壊にも繋がりかねないということから、常世島内では「地球」で普遍的に行われていたイベントは特に規制なく開催されている。
ただし、その内容はやや変化することもある。
バレンタインデーもその一例である。常世島内のバレンタインデーは20世紀の「地球」の日本におけるものが基本となっている。
日本におけるバレンタインデーでは女性が男性へとチョコレート、あるいは贈り物を贈るということが一般に行われていたが、常世島内では性別については問われないことが多い。
異邦人の中には性別の存在しない者や両性の者も存在するためである。
しかし、「地球」のバレンタインデーの習慣が否定されたわけではなく、島内では旧来通りのバレンタインデーも行われている。
試験期間中ではあるが、既に試験が終了した学生も少なくないため、学生街などではバレンタインデー当日に向けた動きが活発になっているようだ。
ご案内:「【常世島の現在】」から第三報道部「常世島ニュース」さんが去りました。