2019/02/01 のログ
ご案内:「屋上」に白鈴秋さんが現れました。
■白鈴秋 > 夕方ごろの屋上。何時ものようにそこに姿はあった。
大体の人は帰る途中か部活か、中には居残りしていたものもいるかもしれないが……とにかく彼は高い確率でこの時間はここにいる。
チラチラと降り始めた雪を見ていたいとか訓練施設を使ってる人が少なくなるまで居場所が無いとか色々と理由はある。
ここに来る時に買っておいたホットコーヒーを口元に運ぶ。ほろ苦さと暖かさが寒い屋上にいる自身を暖める。
「雪もちらつき始めるようになってきたか」
ほうと息を吐き出す。コーヒーでさらに温まったその息は白い煙となって浮かび上がりすぐに四散する。
特に携帯を弄るでもなく、ましてや雪の降る中屋上へと出た階段の真横の少しの屋根の下コーヒーを飲む姿は少し珍しいかもしれない。が本人はそれが好きなのだから仕方が無い。
校舎やグラウンドからは部活動の掛け声や楽器の演奏が聞こえてきていた。
■白鈴秋 > ヒューと木枯らしが一陣吹く。おもわず手風を防いだ。
「いい加減どこか良い待ち場所を見つけたほうがいいかも知れねぇな」
夏ならばいざ知らずこの時期にこの時間にここにいるのは色々と自殺行為のような気がする。自分は鍛えているしある程度耐寒訓練もしているので平気だが……それでも寒い物は寒い。
だがこういう景色が好きなのもまた事実であり。なんとも難しい所である。
少し携帯を取り出し時間を確認する。
「チッ、まだか」
時間を確認する。訓練施設から人が少なくなるまではまだ時間がありそうだ。
今日の所はコーヒーもある。だからまだもう少しここでゆっくりと眺めていよう。
ご案内:「屋上」に上総 掠二さんが現れました。
■上総 掠二 > 先客があった。重い屋上の扉を押せば、丁度吹いた木枯らしに顔を歪める。
短く鼻を鳴らして、自然現象に対しての不満をひとり表明する。
「……誰か待ってでもいるのか」
食堂の自動販売機で買った500ミリのペットボトルを携えて、聞こえた独り言へ返事をする。
男だった。重そうな黒いコートを羽織った、黒髪と眼鏡をした男。
バインダーにクリアファイルを幾つか挟んで、ぱらぱらと書類を捲る。
「待ち合わせなら、連絡でもして聞いてみたらどうだ」
そっちのほうが時間の短縮になるだろう、と。そう、短く進言した。
■白鈴秋 > 「あん?」
聞こえた声に反応してそっちに視線を向ける。
格好は鉄道委員の制服。見回りという訳でも無さそうだ。
「別に誰かと約束があるって訳じゃねぇよ、丁度下校と被る時間は訓練施設の人が多すぎるからな」
色々と人が多いのは苦手なんだよと付け加え視線を下へ。
具体的には手に持ったファイルへと向けたあと。
「そういうあんたこそ何しに来たんだ。どう考えても資料整理に向いてる天気じゃねぇぜ」
風に少しとはいえ振っている雪。資料を整理するにはどう考えても向かない気候である。
一応男が入りやすいように少し広めにスペースを開ける。
■上総 掠二 > 「ああ、訓練施設の順番待ちか。
……最近は使う生徒が多いと聞いてはいたが、本当なんだな」
男は、納得したように溜息を洩らした。
同時に、彼の視線が手元に下がったのを見れば、薄く――本当に薄く笑って、
バインダーを閉じてペットボトルをその上に乗せる。
「書類整理にきた。……つもりだったんだが。俺も人が多いのは得意じゃなくてね。
雪が降ってるとは、思ってもみなかった。外の天気を伺うのを忘れていた。予定はご破算だ。
だからどうせなら……そうだな。君の暇潰しに付き合う、というのは」
開けられたスペースに座る。用意された場所に応えないのは失礼だろう、という彼なりの矜持だ。
男二人、雪が降る中。ロマンチックの欠片もなく、言葉が続く。
「学年は」
短い言葉だった。
■白鈴秋 > 「ああ、それなりにはな。まぁ中には遊びに来てるのかわからねぇ奴も多いが」
ハッと笑うようにそう答える。別に自分を上に見るつもりは無いが、お遊びで戦いごっこを見て楽しそうなどという性格ではない。
「なるほどな、まぁ窓からだこんな小さな雪じゃ見えねぇからなしゃあねえか」
降っている雪はもはや粉雪いえるほどの大きさ。窓から見ようとしたら結構気にしていなければ見えないかもしれない。
座って学年を問われれば。
「1年だ、つってももう進級は決まっているからほぼ2年みたいなものだけどな。そういうお前は何年なんだよ。なんとなく年上じゃねぇかなとは思うが」
そう答えながらコーヒーを一口飲む。
「そういえば鉄道委員って何する委員なんだよ、正直1番予想がつかねぇんだが」
暇つぶしに付き合うといわれふと思いついた疑問を出した。
風紀は……色々と厄介になっているから知っているしそれ以外もなんとなくわかる。だが鉄道委員だけはよくわからない、駅の職員で十分なんじゃねぇか?と思った事もある。
■上総 掠二 > 「フン」
学年を聞けば、小さく声が洩れる。
「3年だ。つまるところ、来年は4年。……俺の後輩、ってワケだな。
1年で自己研鑽を惜しまないとは、大したものだ。研鑽する能力があることも、素晴らしいといえる」
偉そうな口を聞きながら、彼の言葉に対して二度、三度と頷く。
悪気があるわけではない。そもそもがどこか偉そうなのだ。だが、それをやめることもなく。
「着衣で相手を判断できるのも、それなりに君がこの学校に興味がある、ということだ。よいことだ。
……鉄道に乗ることは? 学生街の商店で、野菜を買ったことは? 食堂で昼食を摂ったことは?
そのどれもが、鉄道委員会の仕事の延長線上にある。
離れ小島の産業区と農業区をつないでいるのは鉄道だ。誰もの生活の一部に関わりがあるのが、鉄道だ。
時間どおりに運行すること。貨物を輸送すること。……と言えば、伝わるだろうか」
足を組んで、バインダーを太腿で挟む。とびきり甘ったるいコーヒー飲料の蓋を開けて、一口。
■白鈴秋 > 「……やっぱりでしたか、そんな気がしました」
3年と聞けば言葉を敬語に変える。
「正直、学びたいことが2年や3年にならないと無いのでね、1年の間は自分で練習しないと意味が無いんですよ」
偉そうな口調などは気に留めずそう言うと軽く溜息を吐く。
1年で学ぶ内容、つまるところ基礎は覚えてから学校に来ている。故に必要ない内容ばかりなのだ。
「別に興味があるって訳じゃないですけどね……あぁ」
相手の言葉を聞くと何度か頷いてから。
納得したような顔で続ける。
「つまり駅の職員だと思ってた人も鉄道委員の奴だったって事ですね、なんとなく理解しました」
それから目に入ったコーヒーを見て軽く顔をしかめる。
「よく飲めますねそれ」
とびきり甘いコーヒーを見てそう答える。別に否定するつもりは無いがブラック派の自分としては色々と理解できない領域であった。